◆ 売剣買牛 バイケンバイギュウ |
戦争をやめて農業に従事すること。また、平和に暮らすこと。剣を売り払って、ウシを買う意から。 |
◆ 梅妻鶴子 バイサイカクシ |
俗世を離れた、清らかで風雅な隠遁(イントン)生活のたとえ。妻をもたずウメを植え、子のかわりにツルを飼って暮らす意から。 |
◆ 背信棄義 ハイシンキギ |
信頼を裏切り、道義をすて去ること。 |
◆ 廃寝忘食 ハイシンボウショク |
少しの時間も無駄にしないで努力すること。寝ることをやめ、食事をとることも忘れる意から。 |
◆ 杯水車薪 ハイスイシャシン |
力量がとぼしく、役に立たないたとえ。たった一杯の水を、燃えている荷車一台分の薪(まき)に注ぐ意から。 |
◆ 杯盤狼藉 ハイバンロウゼキ |
酒席のあと卓上がさかずきや皿などで乱れたさま。また、口論などで酒席の乱れたさまにもいう。さかずきや皿が乱れ散らばっている意から。「狼藉」は物が散乱している意。 |
◆ 廃仏毀釈 ハイブツキシャク |
仏教を廃止すること。わが国では明治政府が、伊勢(いせ)神宮を皇室の宗廟(ソウビョウ)とする国家神道政策を進めたとき、祭政一致で神仏分離をはかり、仏教を排斥した。「毀釈」は釈迦(シャカ)の教えを放棄する意。 |
◆ 敗柳残花 ハイリュウザンカ |
美人の美しさが衰えるたとえ。枯れた柳と咲き残りの花の意から。 |
◆ 破戒無慙 ハカイムザン |
仏仏教に帰依(キエ)しながら、五戒を破り、しかも恥じることがないこと。「慙」は恥の意。 |
◆ 破顔一笑 ハガンイッショウ |
顔をほころばせて、にっこりと笑うこと。 |
◆ 馬牛襟裾 バギュウキンキョ |
学問・知識のない人のたとえ。「襟裾」は衣服の意で、教養のない人はウマやウシが衣服を着ているにすぎないという意から。 |
◆ 波及効果 ハキュウコウカ |
影響が徐々に広がり伝わっていき、広い範囲に効き目がおよんでいくこと。 |
◆ 破鏡重円 ハキョウジュウエン |
生き別れた夫婦がまた一緒になること。 |
◆ 博引旁証 ハクインボウショウ |
多くの事例を引き、証拠を挙げて、物事を論じること。 |
◆ 白雲孤飛 ハクウンコヒ |
故郷を離れて親を思うたとえ。 |
◆ 博学審問 ハクガクシンモン |
広く学んで詳しく問うこと。学問研究の方法を述べた言葉。 |
◆ 博学多才 ハクガクタサイ |
学識が広く、才能が豊かな人のこと。 |
◆ 博学篤志 ハクガクトクシ |
広く学んで熱心に志して努力すること。学問をする者の心構えを述べた言葉。 |
◆ 白玉楼中 ハクギョクロウチュウ |
文人の死のたとえ。「白玉楼」は文人が死後に行くという、天上にある御殿。 |
◆ 博施済衆 ハクシサイシュウ |
広く民衆に恩恵を施し、苦しみから救うこと。 |
◆ 薄志弱行 ハクシジャッコウ |
意志が弱く、実行力に欠けること。「弱行」は決断力や実行力が乏しい意。 |
◆ 白日昇天 ハクジツショウテン |
仙人になること。また、急に富貴になるたとえ。真昼に天に昇る意から。 |
◆ 白砂青松 ハクシャセイショウ |
海辺の美しい景観のこと。白い砂浜と青い松林が広がる海岸線の意から。 |
◆ 麦秀黍離 バクシュウショリ |
亡国の嘆き。 麦秀の嘆(バクシュウのタン) 黍離の嘆(ショリのタン) |
◆ 拍手喝采 ハクシュカッサイ |
多数の人が手をたたき、声をあげてほめたたえること。 |
◆ 白首窮経 ハクシュキュウケイ |
老人になっても経書(ケイショ)を研究すること。「白首」は白髪頭、「窮経」は儒教の経書をきわめる意。 |
◆ 白水真人 ハクスイシンジン |
中国の貨幣、銭の別称。また、後漢(ゴカン)王朝が興るという予言になった語。 |
◆ 麦穂両岐 バクスイリョウキ |
豊年のきざし。また、国がよく治まるたとえ。麦の穂が一本の茎から二またになってたわわに実る意から。 |
◆ 伯仲叔季 ハクチュウシュクキ |
中国で、兄弟の生まれた順序を表す言葉。伯が長兄、次が仲、叔で、末弟を季という。 |
◆ 幕天席地 バクテンセキチ |
士気が盛んで豪放なさま。志が大きく、小さなことにこだわらないさま。天を幕とし、大地をむしろにする意から。「席」は、むしろ。 |
◆ 【白馬非馬】はくばひば |
詭弁やこじつけのこと。 |
中国の戦国時代の公孫竜が唱えた論で、「白馬」は色を表す「白」と、形を表す「馬」という二つの概念を合わせたものなので、動物の「馬」とは全く別のものであって、「馬」ではないということ。「白馬は馬に非ず」とも読む。 |
◆ 薄物細故 ハクブツサイコ |
ささいな物事。役に立たないもの。「薄物」「細故」ともに、取るに足りないもののこと。 |
◆ 博聞強記 ハクブンキョウキ |
広く見聞して、よく記憶していること。「強記」は記憶力の強いこと。 |
◆ 博文約礼 ハクブンヤクレイ |
広く学んで道理をきわめ、礼を基準にして学んだことを集約して実践すること。孔子が学問の指針を示した言葉。 |
◆ 薄暮冥冥 ハクボメイメイ |
夕方の薄暗いさま。また、夕暮れ時のように薄暗くなるさま。 |
◆ 【白面書生】はくめんのしょせい |
若くて経験の少ない人や、若くて学問を十分に修練していない人のたとえ。 |
「白面」は白い顔という意味から、年が若く経験の足りない人のこと。「書生」は学問をする人のこと。 |
◆ 薄利多売 ハクリタバイ |
商品一点当たりの利益を少なくして売り値を安くし、大量に販売することによって、全体として利益が上がるようにすること。 |
◆ 馬耳東風 バジトウフウ |
人の忠告や意見を心にとめず聞き流すこと。東風(春風)が吹くと人は感動するが、ウマは耳に東風が吹いても感動を示さない意から。 |
◆ 馬歯徒増 バシトゾウ |
役に立つことは何もせず、いたずらに年ばかりとったということ。「馬歯」は自分の年齢を謙遜(ケンソン)していう語。 |
◆ 破邪顕正 ハジャケンショウ |
仏邪道・邪説を打ち破り、正しい道理をあらわし広めること。 |
◆ 八十八夜 ハチジュウハチヤ |
立春から数えて八八日めの日。五月一、二日ころ。 |
◆ 八面玲瓏 ハチメンレイロウ |
@どこから見ても透きとおって明らかに見えること。「玲瓏」は玉のように光り輝くさま。 A人あたりがよく交際上手なこと。 |
◆ 抜苦与楽 バックヨラク |
仏仏や菩薩(ボサツ)が、衆生(シュジョウ)を苦しみから救い、福楽を与えること。仏の慈悲をいう。 |
◆ 八紘一宇 ハッコウイチウ |
全世界を統一して一つの家のような状態にすること。「宇」は家の意。第二次世界大戦中に、日本が海外進出の名分として用いたスローガンの一つ。 |
◆ 白黒分明 ハッコクブンメイ |
よいことと悪いことの区別が明らかなこと。「白黒」は善悪・正邪・是非などの意。 |
◆ 八索九丘 ハッサクキュウキュウ |
古代中国にあったとされる書物の名。「八索」は占いに関するもので、「九丘」は九つの州の地理に関するものであったという。 |
◆ 抜山蓋世 バツザンガイセイ |
体力が盛んで気力が雄大であることのたとえ。力は山を引き抜き、気力は他のだれをも圧倒する意から。「蓋世」は、世の中を圧倒するほど元気盛んなこと。 |
◆ 八宗兼学 ハッシュウケンガク |
@仏教八宗(倶舎(グシャ)・天台・真言など)の教義を、広く学ぶこと。特に東大寺で、華厳(ケゴン)を宗として他の諸宗をもあわせて学ぶこと。 A広く物事に通じること。 |
◆ 発人深省 ハツジンシンセイ |
人を啓発して、物事をより深く考えるようにさせること。 |
◆ 発憤興起 ハップンコウキ |
気持ちをふるい起こすこと。また、気持ちをふるい立たせて努力すること。 |
◆ 発憤忘食 ハップンボウショク |
気持ちをふるい起こして、食事をするのも忘れるほど夢中になって励むこと。 |
◆ 八方美人 ハッポウビジン |
だれに対してもよく思われようと、要領よく振る舞う人。 |
◆ 抜本塞源 バッポンソクゲン |
災いの原因となるものを徹底的に取り除くたとえ。木の根を抜き取り、水源を塞(ふさ)ぐ意から。 |
◆ 抜来報往 バツライホウオウ |
行き来が、非常に速やかなこと。速やかに来て、速やかに行く意から。 |
◆ 撥乱反正 ハツランハンセイ |
乱世を治めて、正しい平和な状態に戻すこと。 |
◆ 鼻元思案 ハナモトジアン |
目先だけの浅はかな考え。思いつき。 |
◆ 破釜沈船 ハフチンセン |
戦争に行くにあたって、生きて帰ろうと思わず、決死の覚悟をすること。出陣に際し、炊事用の釜(かま)を打ちこわし、軍船を沈める意から。 |
◆ 爬羅剔抉 ハラテッケツ |
@人材を探し出すこと。 A人の欠点を暴き出すこと。かき集めえぐり出す意から。「爬」はつめでかき寄せる、「羅」は網で鳥を残らず捕る、「剔抉」はそぎ取る意。 |
◆ 波瀾万丈 ハランバンジョウ |
物事の変化が激しく、劇的であるさま。「万丈」はきわめて高いこと、深いこと。 |
◆ 罵詈雑言 バリゾウゴン |
口ぎたなくののしり、悪たれ口をつくこと。また、その言葉。「雑言」は悪口や言いがかりの意。「―を浴びせる」 |
◆ 氾愛兼利 ハンアイケンリ |
あらゆる人をわけへだてなく愛し、広く利益をともにすること。 |
◆ 反間苦肉 ハンカンクニク |
敵情を探り、敵の仲間割れをさせるために、わざと味方に自分の身を傷つけさせて敵を欺く策略のこと。また、苦しまぎれにとる手段のこと。 |
◆ 煩言砕辞 ハンゲンサイジ |
わずらわしいほどくどくて、細かい言葉。 |
◆ 万古千秋 バンコセンシュウ |
はるか過去から未来までずっと。永遠に。「千秋」は千年で、長い年月の意。 |
◆ 万古長青 バンコチョウセイ |
永久に変わらないこと。よい関係がいつまでも続くこと。「長青」は、松の葉がいつまでも色あせないで青々としていること。 |
◆ 万古不易 バンコフエキ |
永久に変わらないこと。「不易」は変わらない意。 |
◆ 盤根錯節 バンコンサクセツ |
物事が複雑に入り組んでいて、処理に手をやくたとえ。「盤根」は、はびこった木の根、「錯節」は、入り組んだ木の節(ふし)で、ともに物事の処置が困難な意。 |
◆ 万死一生 バンシイッセイ |
@命がきわめて危ないこと。 A絶体絶命の状況の中で、かろうじて助かること。 |
◆ 半死半生 ハンシハンショウ |
やっと生きてはいるが、今にも死にそうなこと。死にかけていること。瀕死(ヒンシ)。 |
◆ 伴食宰相 バンショクサイショウ |
りっぱな地位にはついているが、無能でただ名前だけの人をいう。客と食事をすることだけが能の宰相の意から。 |
◆ 半信半疑 ハンシンハンギ |
真偽を決めかねて迷う状態。 |
◆ 半身不随 ハンシンフズイ |
脳内出血などのために、運動神経障害を起こし、左半身または右半身が麻痺(マヒ)する症状。へんまひ。かたまひ。 |
◆ 万世一系 バンセイイッケイ |
同じ血統や系統が永久に続くこと。「一系」は同じ血筋。多く、皇統についていう。 |
◆ 半醒半睡 ハンセイハンスイ |
なかば目覚め、なかば眠っている状態。夢うつつ。 |
◆ 万世不刊 バンセイフカン |
長く伝わり、いつまでも滅びないこと。永遠に残ること。「不刊」は滅びない、「刊」は削り取る意。昔は竹や木に漆で文字を書き、不要な部分などは削り取ったことから。 |
◆ 版籍奉還 ハンセキホウカン |
一八六九(明治二)年に、徳川幕府の諸大名が、領地や人民を朝廷に返還したこと。 |
◆ 【半知半解】はんちはんかい |
知っているだけでほとんど理解していないこと。 |
「半知」は全体の半分だけ知っていること。「半解」は全体の半分だけ理解していること。一つのことの半分しか理解していないという意味から。 |
◆ 万能一心 バンノウイッシン |
何事も一心に集中して学ばなければ、身につかないということ。また、いろいろ技能をもっていても、真心が欠けていればなんの役にも立たないということ。真心で事を行うことの大切さをいう。 |
◆ 【班田収授】はんでんしゅうじゅ |
大化改新の後に取り入れられた、律令の土地制度のこと。 |
一定の年齢になったら田畑としての土地を貸し与え、死んだ後には国に返納させる制度をいう。 |
◆ 万馬奔騰 バンバホントウ |
非常に勢いの盛んなさま。たくさんのウマが勢いよく走ったり飛び跳ねたりする意から。「奔」は勢いよく走る、「騰」は高く飛び跳ねる意。 |
◆ 万万千千 バンバンセンセン |
きわめて数の多いことの形容。 |
◆ 帆腹飽満 ハンプクホウマン |
船が、帆いっぱいに風を受けて軽快に進むさま。 |
◆ 万物斉同 バンブツセイドウ |
人間の知恵は相対の対立概念で成り立つが、それらを超越した絶対の無の境地に立てば是非・善悪などの一切の対立と差別は消滅し、すべてのものは同じであるとする説。人間の相対的な知を否定した荘子の学説。 |
◆ 万夫不当 バンプフトウ |
多くの男がかかっても、かなわないほどの剛勇なさま。また、その人。「不当」はかなわない意。 |
◆ 繁文縟礼 ハンブンジョクレイ |
規則や礼式が細かくて、わずらわしいこと。「縟礼」は細かな礼式の意。 |
◆ 反面教師 ハンメンキョウシ |
悪い面を示すことが、かえって悪を戒める教訓になるような人や事例のこと。 |
◆ 【万里一空】ばんりいっくう |
目的、目標、やるべきことを見失わずに励む、頑張り続けること。 |
宮本武蔵が長年の修行で到達した精神的境地で、著書の「五輪書」では「山水三千世界を万理(里)一空に入れ、満天地とも攬(まとめ)る」と動揺せずに冷静であることが望ましいという心の持ちようを説いた。「どんなに遥か遠くまでいっても、空は1つしかない。すべてのものは1つの世界にとどまっている」の解釈から。 |
◆ 万里同風 バンリドウフウ |
天下が統一されて、はるか遠くまで風俗が同じになること。また、世の中が平和に治まっていること。「同風」は、風俗が同化されること。天下が統一されること。 |
◆ 【美意延年】びいえんねん |
心配事もなく楽しい心のまま生きれば、自然と長生きできるという意味。 |
「美」は楽しむ、「意」は心のことで、「延年」は長生きすること。 |
◆ 被害妄想 ヒガイモウソウ |
他人からありもしない危害を加えられていると思いこむこと。 |
◆ 悲歌慷慨 ヒカコウガイ |
世の中やわが身を憤り、嘆いて、悲壮な心境を歌うこと。「悲歌」は悲しんで歌う、「慷慨」は憤り嘆く意。 |
◆ 被褐懐玉 ヒカツカイギョク |
見かけは粗末だが、内にはりっぱな徳を備えているたとえ。粗末な衣服をまといながら、ふところに玉を隠している意から。「被」はまとう、「褐」は粗末な衣服の意。 |
◆ 飛花落葉 ヒカラクヨウ |
人の世の無常なことのたとえ。春には花が風に吹かれて飛び散り、秋には木の葉が枯れ落ちていく意から。 |
◆ 悲喜交交 ヒキコモゴモ |
悲しみと喜びが入り交じっていること。また、悲しみと喜びをかわるがわる味わうこと。 |
◆ 披荊斬棘 ヒケイザンキョク |
困難を克服して進むこと。「荊」も「棘」もいばらの意。とげのある草木の総称で、困難のたとえ。「披」は切り開く、「斬」は切る。いばらの道を切り開いて、前へ進むということ。 |
◆ 被堅執鋭 ヒケンシツエイ |
堅固なよろいを身に着け、鋭利な武器を持って戦うこと。完全武装すること。 |
◆ 比肩随踵 ヒケンズイショウ |
人が次から次へと続いて絶え間のないさま。「随踵」は踵(かかと)を接して続くこと。 |
◆ 微言大義 ビゲンタイギ |
簡潔な表現のなかに、奥深い道理が含まれていること。「微言」はわずかな言葉、奥深い言葉の意。孔子の言葉についていう。 |
◆ 飛耳長目 ヒジチョウモク |
物事の観察が鋭く世情にも精通していること。「飛耳」は、遠くのことを聞くことができる耳。「長目」は、遠方まで見通せる目。 |
◆ 美酒佳肴 ビシュカコウ |
非常においしいご馳走(チソウ)のこと。おいしい酒と、うまいさかな。「遠来の客を―でもてなす」 |
◆ 美辞麗句 ビジレイク |
うわべだけを巧みに飾った、内容の乏しい言葉。 |
◆ 美人薄命 ビジンハクメイ |
佳人薄命(カジンハクメイ) |
◆ 皮相浅薄 ヒソウセンパク |
物事がうわべだけで内容に乏しいこと。「浅薄」は浅はかで薄っぺらなさま。 |
◆ 筆耕硯田 ヒッコウケンデン |
文筆を生業(なりわい)として暮らしを立てること。「硯」はすずりの意で、文筆家の硯を農民の田に見立て、耕に対応させた語。 |
◆ 匹夫匹婦 ヒップヒップ |
身分の低い男と女。庶民の夫婦。教養がない者たちの意で、平凡なつまらぬ男女のこと。 |
◆ 筆力扛鼎 ヒツリョクコウテイ |
文章の筆力が非常に強いこと。「扛鼎」は鼎(かなえ)を持ち上げる意。 |
◆ 人身御供 ヒトミゴクウ |
@昔、いけにえとして生きた人間を神に供えたこと。また、その人。 A他人の欲望を満足させるために、犠牲となること。また、その人。 |
◆ 飛兎竜文 ヒトリュウブン |
才能にあふれた、すぐれた子ども。神童のこと。「飛兎」「竜文」はともに駿馬(シュンメ)の名。 |
◆ 肥肉厚酒 ヒニクコウシュ |
肥えておいしい肉と、上等なうまい酒。 |
◆ 被髪纓冠 ヒハツエイカン |
非常に急いで行動すること。「纓冠」は冠のひもを結ぶことで、髪の毛を振り乱したまま、冠のひもを結ぶ意から。 |
◆ 被髪文身 ヒハツブンシン |
髪を結ばず、体に入れ墨をする異民族の野蛮な風俗のこと。「文身」は体に入れ墨をする意。 |
◆ 【被髪佯狂】ひはつようきょう |
髪を振り乱して、気がふれた人のふりをすること。 |
「佯狂」は狂っているかのように見せかけること。 |
◆ 悲憤慷慨 ヒフンコウガイ |
世の不正や自分の運命などを悲しみ、いきどおり嘆くこと。 |
◆ 【誹謗中傷】ひぼうちゅうしょう |
悪口で他人の名誉を汚し、貶めること。嫌がらせの一種。 |
政治的な公式の場では「悪口」とは言わずこの言葉がよく用いられる。「誹謗」とは他人をけなすこと。「中傷」とは根拠もなく悪口を言うこと。 |
◆ 微妙玄通 ビミョウゲンツウ |
道理に奥深く精通していること。また、道理を体得しているさま。「玄通」は、奥深く通じている意。 |
◆ 眉目秀麗 ビモクシュウレイ |
顔かたちがすぐれ、美しいさま。男性を形容する語。「―な青年」 |
◆ 百依百順 ヒャクイヒャクジュン |
何から何まで人の言いなりになること。ご無理ごもっとも。 |
◆ 百依百順 ヒャクイヒャクジュン |
何から何まで人の言いなりになること。ご無理ごもっとも。 |
◆ 百載無窮 ヒャクサイムキュウ |
永遠きわまりなく果てしないこと。「百載」は「百歳」に同じく一〇〇年のことで、転じて、永遠に・永久にの意。 |
◆ 百世不磨 ヒャクセイフマ |
いつまでも消滅せず、永久に残ること。「百世」は永遠の意。「不磨」はすり減らない、なくならない意。 |
◆ 百尺竿頭 ヒャクセキカントウ |
一〇〇尺もある長い竿(さお)の先の意で、到達できる極点。また、向上し得る最高点のこと。 |
◆ 百折不挫 ヒャクセツフザ |
たび重なる困難にめげず、耐え抜くこと。意志が非常に固いことのたとえ。「百折」は何度も困難に遭う意。「不挫」はくじけない意。 |
◆ 百川帰海 ヒャクセンキカイ |
人はそれぞれ生まれや育ちが異なっているが、結局は考え方や気持ちが一つに集約されること。多くの川が別な源に発していずれも海に注ぐ意から。 |
◆ 百戦百勝 ヒャクセンヒャクショウ |
戦うたびに必ず勝つこと。 |
◆ 百戦錬磨 ヒャクセンレンマ |
多くの実戦で鍛えられること。また、数多くの経験を積むこと。 |
◆ 百鍛千練 ヒャクタンセンレン |
詩文の字句を何回も何回も苦心を重ねて練り直すこと。 |
◆ 百人百様 ヒャクニンヒャクヨウ |
人はひとりひとりがそれぞれちがった考えをもち、ちがったやり方をするということ。一〇〇人いれば、一〇〇種類の姿・形がある意。 |
◆ 百八煩悩 ヒャクハチボンノウ |
仏人間のもつ一〇八種類の煩悩のこと。人間の心身を悩ませる迷いのもととなる欲望のすべてをいう。「煩悩」は、人間の心身をわずらわし、心を乱す欲望のこと。 |
◆ 百錬成鋼 ヒャクレンセイコウ |
心身を鍛えに鍛えて、はじめてりっぱな人物になるということ。「百錬」は何度も鍛えること。「成鋼」は鋼(はがね)になる意。 |
◆ 百花斉放 ヒャッカセイホウ |
文学・芸術活動などが自由活発に行われること。多種多様な花が一斉に咲き競う意から。 |
◆ 百家争鳴 ヒャッカソウメイ |
多くの学者や専門家が、自由に議論を戦わせること。「百家」は大勢の学者・専門家のこと。「争鳴」は自由に論争すること。 |
◆ 百下百全 ヒャッカヒャクゼン |
まったく完全であること。一〇〇のうち一つも欠けることがない意から。 |
◆ 百花繚乱 ヒャッカリョウラン |
@いろいろな花が美しく咲き乱れること。 Aすぐれた人物が数多く現れて、りっぱな業績をあげること。「繚乱」は花などが咲き乱れているさま。 |
◆ 百鬼夜行 ヒャッキヤコウ |
いろいろな化け物が、夜中に列をつくって歩き回ること。転じて、多くの悪人どもがのさばって、勝手気ままに振る舞うこと。 |
◆ 百古不磨 ヒャッコフマ |
のちの世まで、滅びずに残ること。「百古」は非常に長い年月のこと。「不磨」は永久に磨滅しない意。 |
◆ 百発百中 ヒャッパツヒャクチュウ |
@矢や銃弾がすべて的(まと)に命中すること。 A予想や意図がすべて当たること。 |
◆ 百歩穿楊 ヒャッポセンヨウ |
射撃の技術がすぐれていること。一〇〇歩離れた所から、細い柳の葉を射抜いて穴をあける意。 |
◆ 【氷炭相愛】ひょうたんそうあい |
この世にあるはずがないもののたとえ。または、性質が逆のもの同士が助け合うことのたとえ。 |
炭の火で氷はとけて、氷のとけた水で炭の火が消えるという意味から、氷と炭が愛し合うことはできないということ。また、氷のとけた水で炭の火を消して燃え尽きるのを防ぎ、炭の火は氷を本来の姿である水に戻すという意味から、性質が反していても互いに助け合って本質を保つができるということ。「氷炭相愛す」とも読む。「冰炭相愛」とも書く。 |
◆ 飛鷹走狗 ヒヨウソウク |
タカを飛ばし、イヌを走らせる意で、狩猟をすること。 |
◆ 表裏一体 ヒョウリイッタイ |
二つのものの関係が、おもてとうらのように密接で、切り離せないこと。 |
◆ 比翼連理 ヒヨクレンリ |
夫婦の情愛のきわめて深いことのたとえ。男女のちぎりの深いことのたとえ。「連理」は連理の枝のことで、根元は別々の二本の幹でも枝が一つに連なっている木。 |
◆ 疲労困憊 ヒロウコンパイ |
疲れきって苦しむこと。「困憊」は苦しみ疲れる意。 |
◆ 品行方正 ヒンコウホウセイ |
心や行いが正しく、りっぱなこと。行いや身もちがきちんとしているさま。 |
◆ 【貧者一灯】ひんじゃのいっとう |
誠意がこもっている行いのこと。または、誠意のこもった行いは尊いものであるということのたとえ。 |
裕福な人が多くの寄付をするよりも、貧しい人の誠意のこもった少しの寄付のほうが尊いものであるという意味の言葉。 |
◆ 風雲月露 フウウンゲツロ |
いたずらに花鳥風月を詠じただけの詩。詩文が技巧に走り、社会や人心に何の益もないのをそしった語。「風」「雲」「月」「露」は、いずれも詩歌の題材。 |
◆ 富貴栄華 フウキエイガ |
富と高い地位や名誉をきわめた、はなやかな生活のこと。 |
◆ 富貴浮雲 フウキフウン |
財力や地位・名誉は浮雲のようにはかないもので、すぐに消え去ってしまうたとえ。 |
◆ 富貴福沢 フウキフクタク |
天から授かる富貴と幸福。 |
◆ 富貴利達 フウキリタツ |
富と高い地位を得て立身出世すること。 |
◆ 風月玄度 フウゲツゲンタク |
友人と長い間会っていないたとえ。また、高潔な人のたとえ。 |
◆ 風光明媚 フウコウメイビ |
自然の景色が清らかで美しいこと。また、そのさま。「明媚」は山水の景色が美しくすぐれているさま。 |
◆ 風餐露宿 フウサンロシュク |
野宿の苦しみのたとえ。吹きさらす風の中で食事し、露にぬれて寝る意。「風餐」は、風に吹かれながら食事をする意。 |
◆ 風清弊絶 フウセイヘイゼツ |
社会の風習が改まり、悪行や弊害がなくなること。「風」は風習や気風、「弊絶」は悪事が絶える意。 |
◆ 風霜高潔 フウソウコウケツ |
清らかに澄みきった秋の景色のこと。風が空高く吹きわたり、霜が清らかに降りる意。 |
◆ 風俗壊乱 フウゾクカイラン |
世の中のよい風習やしきたりを打ちこわし、混乱させること。 |
◆ 風流韻事 フウリュウインジ |
詩文や書画などの趣味のこと。また、自然を相手として詩文などを作ること。「韻事」は、詩歌や書画などの意。 |
◆ 風流三昧 フウリュウザンマイ |
世間との交わりをやめて、詩文や書画などの風流な趣味にふけること。 |
◆ 風林火山 フウリンカザン |
戦いにおける重要な心構えを述べた中国の兵法書の中の言葉をまとめた語。風のように敏速に動く、林のように静かに構える、火のように激しく攻める、山のようにどっしりと構える意。 |
◆ 武運長久 ブウンチョウキュウ |
戦いにおいて、幸運がいつまでも続くこと。また、武人としての勝利の運が長く続くこと。 |
◆ 浮雲朝露 フウンチョウロ |
不安定で当てにならないたとえ。物事のはかないたとえ。 |
◆ 不易流行 フエキリュウコウ |
本質は永遠に変わらないが、それを表現する様式は時々に変化するということ。「流行」は、新しさを求めて変わっていくこと。 |
◆ 不飲酒戒 フオンジュカイ |
仏仏教の五戒の一つ。酒を飲むことを禁じた戒め。 |
◆ 不可抗力 フカコウリョク |
どんなに注意したり予防したりしても、人の力では防ぐことができない事態や自然の力。 |
◆ 不可思議 フカシギ |
@人間の知恵や常識などでは理解や想像ができないこと。不思議。 A奇怪なこと。異様なこと。 |
◆ 浮花浪蕊 フカロウズイ |
何の取り柄(え)もない平凡なさまのたとえ。「浮」も「浪」も当てにならない意。 |
◆ 不羈奔放 フキホンポウ |
伝統や習慣にとらわれず、思いのままに行動すること。 |
◆ 不朽不滅 フキュウフメツ |
永久に朽ちたり滅んだりしないこと。 |
◆ 複雑怪奇 フクザツカイキ |
事情が入り組んで、あやしく不思議なこと。 |
◆ 複雑多岐 フクザツタキ |
内容が入り組んでいて、しかも多方面に分かれていること。 |
◆ 不?戴天 フグタイテン |
共存することは絶対に許さないほど相手を憎むこと。同じ天の下に生きてはいられない意から。 |
◆ 福徳円満 フクトクエンマン |
財力も心の満足も、すべてが備わっていること。 |
◆ 福利厚生 フクリコウセイ |
生活の面で満足感をもたらすような利益と、人間の暮らしや健康をよりよくすること。 |
◆ 伏竜鳳雛 フクリョウホウスウ |
まだ世の中に知られていないすぐれた人物のたとえ。また、将来有望な若者のたとえ。「伏竜」は地中に隠れている竜、「鳳雛」は鳳凰(ホウオウ)のひなの意。 |
◆ 不言実行 フゲンジッコウ |
よけいなことを言わず、やるべきことを実行すること。 |
◆ 不言不語 フゲンフゴ |
黙っていて話をしないこと。言わず語らず。 |
◆ 不耕不織 フコウフショク |
@生活のための仕事を何もしないこと。 A武士。田畑を耕したり機(はた)を織ったりしない意から。 |
◆ 富国強兵 フコクキョウヘイ |
国の経済力を高くし、兵力を強くすること。 |
◆ 父子相伝 フシソウデン |
父からあとを継ぐ子にだけ、奥義(オウギ)や秘伝を代々伝えること。 |
◆ 無事息災 ブジソクサイ |
病気や心配事・災いがなく、平穏に暮らしていること。「息」はやめる・しずめる、「息災」は災厄(サイヤク)を防ぎ止める意。「家族全員―に暮らしている」 |
◆ 不失正鵠 フシツセイコク |
的をはずさないこと。急所や要点を的確につかむこと。「正鵠」は的の中心のこと。 |
◆ 不惜身命 フシャクシンミョウ |
仏衆生(シュジョウ)を救うために自分の体や命を惜しまないこと。 |
◆ 俛首帖耳 フシュチョウジ |
人にあわれみを乞(こ)うさま。いやしくこびへつらうさま。「俛首」は頭を下げる、「帖耳」は耳を垂れる意。イヌが飼い主に服従するようすをいう。 |
◆ 不将不迎 フショウフゲイ |
去るままに去らせ、来るままに受け入れ、心を動かしたりこだわったりしないこと。「将」は送る意。 |
◆ 不承不承 フショウブショウ |
不本意ながら。いやいや。「―相手の命令にしたがう」 |
◆ 夫唱婦随 フショウフズイ |
夫が言い出し、妻がそれにしたがうこと。 |
◆ 付贅懸疣 フゼイケンユウ |
無用のもののたとえ。「付贅」はくっついているこぶ、「懸疣」は引っかかっているいぼの意。 |
◆ 浮声切響 フセイセッキョウ |
高く軽い声と低く重い声。音韻の大きい小さい、高い低いをいう。 |
◆ 浮石沈木 フセキチンボク |
多数の無責任な言論が、道理に反することを押しとおすこと。水に石が浮いて木が沈む意から。 |
◆ 不即不離 フソクフリ |
あまり近づかないが、離れもしない関係を保つこと。つかずはなれず。 |
◆ 二股膏薬 フタマタゴウヤク |
都合によってあちらこちらにつきしたがい、態度が一定しないこと。また、そのような行動をとる人。 |
◆ 不断節季 フダンセッキ |
日ごろから支払い日のことを考えて生活すれば、決算日に困ることがないということ。 |
◆ 不知案内 フチアンナイ |
実情や様子を知らないこと。不案内。 |
◆ 物我一体 ブツガイッタイ |
物と我とが一つになること。また、物と心、他者と自己、客観と主観との対立を超えること。 |
◆ 物換星移 ブッカンセイイ |
世の中が移り変わり、歳月が過ぎること。「星移」は歳月が過ぎる意。 |
◆ 物情騒然 ブツジョウソウゼン |
世の中が騒がしくなり、人心が不安な状態になること。「物情」は世の中の様子。「騒然」は騒がしいさま。 |
◆ 【仏足石歌】ぶっそくせきか |
仏足石に刻まれた、仏を賛美する仏足石歌体の和歌のこと。 |
「仏足石」は釈迦の足跡を石に刻んだもの。仏足石歌体は、短歌に七音の一句を加えて、五・七・五・七・七・七の六句三十八音の形式の歌体。 |
◆ 仏籬祖室 ブツリソシツ |
仏教の教え。仏の家の垣根と禅宗の祖の部屋の意から。 |
◆ 普天率土 フテンソット |
全世界のこと。空がおおっているすべて、地の続くかぎり。 |
◆ 不撓不屈 フトウフクツ |
どのような困難にもくじけないこと。 |
◆ 不得要領 フトクヨウリョウ |
肝心な点がはっきりしないこと。要領を得ないこと。 |
◆ 腐敗堕落 フハイダラク |
健全さを失い身をもちくずすこと。社会や組織の規律が失われ、不健全な好ましくない状態に陥ること。 |
◆ 舞文曲筆 ブブンキョクヒツ |
文辞をもてあそび、事実をゆがめて書き記すこと。 |
◆ 舞文弄法 ブブンロウホウ |
法律の条文を勝手に解釈し、乱用すること。「舞」「弄」はともに、もてあそぶ意。 |
◆ 【不平不満】ふへいふまん |
思うとおりにならずに、満たされずに気持ちが落ち着かない様子。 |
「不平」と「不満」はどちらも満足できずに、心が落ち着かないことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。 |
◆ 普遍妥当 フヘンダトウ |
対象となるすべての場合に当てはまり、真理として認められること。 |
◆ 不偏不党 フヘンフトウ |
特定の主義や党派に属さず、中正公平であること。 |
◆ 不眠不休 フミンフキュウ |
眠りもせず休みもとらずに、ひたすら事に当たること。 |
◆ 不立文字 フリュウモンジ |
仏悟りは、文字や言葉によるものではなく、それを超えてはじめて達せられるということ。禅宗の基本的な立場をいう。 |
◆ 武陵桃源 ブリョウトウゲン |
俗世間から離れた理想郷のこと。桃源郷。 |
◆ 不労所得 フロウショトク |
勤労せずに得る所得。地代や利子配当など。 |
◆ 不老長寿 フロウチョウジュ |
いつまでも年をとらずに長生きすること。 |
◆ 不老不死 フロウフシ |
いつまでも年をとらず、死ぬこともないこと。 |
◆ 付和雷同 フワライドウ |
自分自身にはっきりした考えや主張がなく、他人の意見に無批判にしたがうこと。 |
◆ 焚琴煮鶴 フンキンシャカク |
風流心のないことのたとえ。また、殺風景なこと。琴を焼き、ツルを煮る意から。 |
◆ 文芸復興 ブンゲイフッコウ |
ルネサンス(再生の意味のフランス語)の訳語。一四〜一六世紀にイタリアを中心に起きた芸術・思想の革新運動。人間性復活を目指し、近代西欧文化の基盤となった。 |
◆ 【分合集散】ぶんごうしゅうさん |
離れては集まり、集まっては離れたりすること。または、協力したり対立したりすること。 |
「分合」と「集散」はどちらも離れたり集まったりすることで、同じ意味の語を重ねて強調した語。 |
◆ 粉骨砕身 フンコツサイシン |
全力を尽くして働くこと。骨を粉にし、身を砕くほど努力する意。 |
◆ 文質彬彬 ブンシツヒンピン |
外見の美しさと内容の良さとがよく調和していること。また、教養の豊かさと生まれつきの資質の良さが調和していること。「彬彬」は、外見と内容がともにすぐれているさま。 |
◆ 文従字順 ブンジュウジジュン |
文章表現と文字づかいが穏やかでほどよいこと。 |
◆ 粉粧玉琢 フンショウギョクタク |
女性の美しい顔の形容。化粧をして、玉を磨いたようであるという意。 |
◆ 文章絶唱 ブンショウゼッショウ |
文章や詩歌の、最もすぐれたもののこと。 |
◆ 粉飾決算 フンショクケッサン |
企業会計で、会社の財政や経営の実態が赤字であるのに、黒字のように見せかける決算。 |
◆ 焚書坑儒 フンショコウジュ |
自由な言論・思想・学問などを禁止すること。「焚」は焼く、「坑」は穴埋めにする、「儒」は儒学者の意。 |
◆ 文人墨客 ブンジンボッカク |
詩文や書画などにすぐれ、風雅を楽しむ人たちのこと。 |
◆ 文武一途 ブンブイット |
文官と武官との区別がないこと。 |
◆ 【文武兼備】ぶんぶけんび |
学問と武道のこと。または、学問と武道の両方にすぐれた能力があること。 |
「文武」の「文」は文学や学問、芸術などの道、文道、「武」は剣術や柔術、弓術などの道、武道。「兼備」は二つとも持っているということ。現代では、主に勉学と運動のどちらも優れていることをいう。 |
◆ 聞風喪胆 ブンプウソウタン |
自分についての悪いうわさや他人についての悪評を聞いて、非常に驚くこと。「風」は風の音でうわさ、「喪胆」は胆(きも)を失うことで、びっくりする意。 |
◆ 文武両道 ブンブリョウドウ |
学業とスポーツ。また、その両方にすぐれていること。もとは、武士に必要とされた学問と武道のこと。 |
◆ 分崩離析 ブンポウリセキ |
組織などが崩壊し、ばらばらになること。「分崩」は崩れてばらばらになる、「離析」は、はなればなれになる意。 |
◆ 文明開化 ブンメイカイカ |
世の中が開けて、生活が便利になること。特に、明治初年、日本が西洋文明の流入により急速に近代化したことをいう。 |
◆ 奮励努力 フンレイドリョク |
気力をふるい立たせ、力を尽くすこと。 |
◆ 弊衣破帽 ヘイイハボウ |
ぼろぼろの衣服とやぶれた帽子のこと。剛気で、衣服や身なりにこだわらないことのたとえ。特に、旧制高等学校生徒の蛮カラな服装。 |
◆ 敝衣蓬髪 ヘイイホウハツ |
ぼろぼろの衣服に伸び放題に乱れた頭髪で、なりふりにかまわないたとえ。 |
◆ 米塩博弁 ベイエンハクベン |
多方面にわたって詳細に交わされる議論。また、細かいことまで詳しく話すこと。 |
◆ 平穏無事 ヘイオンブジ |
穏やかで、何事も起きないこと。 |
◆ 並駕斉駆 ヘイガセイク |
同じ程度の力の者が、互いに張り合って物事に取り組むさま。「駕」は馬車・乗り物、「斉」は等しい意。 |
◆ 兵戈搶攘 ヘイカソウジョウ |
敵味方が入り乱れる激しい戦闘の形容。 |
◆ 平滑流暢 ヘイカツリュウチョウ |
言葉などがなめらかに、よどみなく流れ出るさま。 |
◆ 平気虚心 ヘイキキョシン |
気持ちが平らかで、心にわだかまりがないこと。「虚心」は、心にわだかまりをもたないこと。 |
◆ 平沙万里 ヘイサバンリ |
砂漠が果てしなく広がっているさま。 |
◆ 平身低頭 ヘイシンテイトウ |
ひたすら謝罪すること。体をかがめ、頭を低く下げて恐れ入る意から。 |
◆ 弊帚千金 ヘイソウセンキン |
身のほどをわきまえず、思い上がる。また、自分のつまらない持ち物を価値があると思っているたとえ。こわれたほうきに千金の価値があるという意から。 |
◆ 平談俗語 ヘイダンゾクゴ |
日常使っている言葉や言い回しのこと。 |
◆ 兵馬倥偬 ヘイバコウソウ |
戦争のあわただしいなかに生活すること。また、苦労の多い軍人の生活のこと。「倥偬」は忙しいさま。また、苦労の多いさま。 |
◆ 平平坦坦 ヘイヘイタンタン |
地面に高低や凹凸(オウトツ)がなく、きわめて平らなさま。 |
◆ 平平凡凡 ヘイヘイボンボン |
きわめてありふれていること。 |
◆ 碧血丹心 ヘキケツタンシン |
きわめて強い忠誠心のこと。「碧」は青、「丹心」は真心の意。 |
◆ 碧落一洗 ヘキラクイッセン |
空がからりと晴れ渡ること。大空を雨でひと洗いする意から。 |
◆ 変幻自在 ヘンゲンジザイ |
思いのままに、変化したり出没したりすること。「変幻」は、まぼろしのように現れたり消えたりすること。 |
◆ 【別有天地】べつゆうてんち |
人が暮らしている世界とは違う、他の世界があるということ。人が足を踏み入れたことのない大自然の美しい景色や、理想郷などのことをいう言葉。 |
「別に天地の人間に非ざる有り」を略した言葉で、「別に天地有り」とも読む。 |
◆ 【偏袒扼腕】へんたんやくわん |
激しく怒ったり悔しがったりして、感情を激しく高ぶらせること。 |
「偏袒」は片肌を脱ぐこと。意気込む様子。「扼腕」は自分の片手でもう一方の腕を強く握りしめること。怒ったり悔しがったりするさま。「扼」は押さえつける意。 |
◆ 【変法自強】へんぽうじきょう |
法律や制度を変えて、自国を強くする意。 |
「自強」はみずからを強くする意。清朝の末期に康有為こうゆうい梁啓超りょうけいちょうらが、制度や法の根本的改革を主張して推進した政治改革運動。「強」は「彊」とも書く。 |
◆ 【片利共生】へんりきょうせい |
ともに生きていながら、一方は利益を受けるが、他方は利益も害も受けないこと。 |
「共生」はともに生活すること。また、異種の生物が一緒に生活をすること。「生」は「棲」とも書く。 |
◆ 縫衣浅帯 ホウイセンタイ |
学者や文人のこと。 |
◆ 暴飲暴食 ボウインボウショク |
程度を超えて、多量に飲み食いすること。 |
◆ 砲煙弾雨 ホウエンダンウ |
戦闘の激しいさま。「砲煙」は大砲の煙。「弾雨」は、弾丸が雨のように飛んでくるさま。 |
◆ 忘恩負義 ボウオンフギ |
受けた恩をわすれ、道義にそむく行いをすること。 |
◆ 法界悋気 ホウカイリンキ |
かかわりのない他人のことに嫉妬(シット)すること。特に、他人の恋愛にやきもちを焼くこと。「法界」は縁のない他人、「悋気」は嫉妬心の意。 |
◆ 放歌高吟 ホウカコウギン |
周囲のことを考えずに大きな声で歌うこと。「放歌」は大声で歌う、「高吟」は大声で詩を吟じる意。 |
◆ 抱関撃柝 ホウカンゲキタク |
下級の役人のこと。「抱関」はかんぬきの番をする門番、「撃柝」は拍子木を打ち鳴らして巡回する夜警の意。 |
◆ 判官贔? ホウガンビイキ |
弱者や薄幸の人に対して、第三者が同情し、味方すること。また、その気持ち。「贔?」は目をかけること。 |
◆ 暴虐非道 ボウギャクヒドウ |
荒々しくむごい、人道にはずれた行為をすること。また、そのさま。 |
◆ 宝篋印塔 ホウキョウイントウ |
供養塔、また墓碑塔。もとは宝篋印陀羅尼(ダラニ)の経文を納めた塔。石づくりの方形が多い。 |
◆ 飽経風霜 ホウケイフウソウ |
世の中の困難や苦労を十分経験し、したたかなこと。「飽経」はあきるほど経験する意。「風霜」は困難や苦労のたとえ。 |
◆ 放言高論 ホウゲンコウロン |
勝手な言い分や無責任な発言を、大声で言い立てること。「高論」は、大声で論じる意。 |
◆ 暴言多罪 ボウゲンタザイ |
乱暴で失礼な言葉を使って大変申し訳ない意で、手紙の末尾に書くおわびの言葉。 |
◆ 暴虎馮河 ボウコヒョウガ |
勢いこんで向こう見ずに危険をおかすことのたとえ。素手でトラに立ち向かい、黄河を歩いて渡るということから。 |
◆ 封豕長蛇 ホウシチョウダ |
強欲で思いやりがなくむごい悪人のたとえ。「封豕」は、大きなイノシシの意。 |
◆ 傍若無人 ボウジャクブジン |
まわりの人を無視して勝手気ままに振る舞うこと。また、そのさま。 |
◆ 【飽食終日】ほうしょくしゅうじつ |
一日中、腹一杯食べて、何もせずに日を過ごすこと。食うだけで一日をむなしく終えてしまうこと。 |
「飽食」は飽きるほど食べること。「終日」は一日中。朝から晩まで。 |
◆ 抱薪救火 ホウシンキュウカ |
害を取り除きに行って、かえって害を広げてしまうたとえ。火を消すのに薪を抱えて行く意から。 |
◆ 茫然自失 ボウゼンジシツ |
突然の出来事にあっけにとられたり、気が抜けたりして、どうしてよいか分からなくなること。 |
◆ 包蔵禍心 ホウゾウカシン |
他人を陥れようとする心を隠しもっていること。「包蔵」は心のなかに抱くこと。「禍心」は悪事のたくらみ。 |
◆ 放胆小心 ホウタンショウシン |
文章を書くには、最初は思うままを大胆に書き流し、熟達してきたら細心の注意を払い、規則を守って書くべきだという教え。「小心」は、細部に注意をはらって字句をよく練ること。 |
◆ 方底円蓋 ホウテイエンガイ |
物事がうまく合わないたとえ。底を四角にして、ふたを円くする意から。 |
◆ 鵬程万里 ホウテイバンリ |
前途はるかな道のりのこと。また、果てしなく広がる大海のたとえ。 |
◆ 蓬頭垢面 ホウトウコウメン |
身なりにかまわず、外見を気にしないたとえ。ヨモギのように髪の毛が乱れた頭と、垢(あか)だらけの顔の意から。 |
◆ 放蕩無頼 ホウトウブライ |
酒色におぼれて品行が悪く、生活にしまりがないこと。「無頼」は、定職をもたず性行の不良なこと。 |
◆ 豊年満作 ホウネンマンサク |
農作物、特にイネがよく実って、十分な米の収穫があること。また、その年のこと。 |
◆ 抱腹絶倒 ホウフクゼットウ |
腹を抱えて大笑いすること。「抱腹」は本来は「捧腹」で、腹を抱える意。 |
◆ 望文生義 ボウブンセイギ |
文章や語句の意味を考えずに、前後の関係から推定してもっともらしく解釈すること。 |
◆ 望聞問切 ボウブンモンセツ |
医師が診察するうえでの大事な四つの方法。「望」は目で察する、「聞」は耳で判断する、「問」は言葉で問う、「切」は指でさする意。 |
◆ 放辟邪侈 ホウヘキジャシ |
わがまま勝手で心がねじけていて、したい放題のことをすること。「放」はほしいまま、「辟」はかたよる、「邪侈」はよこしまでおごり高ぶる意。 |
◆ 報本反始 ホウホンハンシ |
万物を生んでくれた天をまつってその恩恵にむくい、自分を生んでくれた祖先の霊をまつって感謝すること。「報本」は、天地や祖先など存在の根本にむくいる、「反始」は発生のはじめに思いをいたす意。 |
◆ 泡沫夢幻 ホウマツムゲン |
消えやすく、はかないもののたとえ。「夢幻」はゆめとまぼろし。 |
◆ 亡羊補牢 ボウヨウホロウ |
過ちを悔いても取り返しがつかないたとえ。また、過ちを犯しても、すぐに手立てを講じれば、被害が少なくてすむたとえ。ヒツジが逃げたあとで、囲いを修繕する意から。 |
◆ 暮雲春樹 ボウンシュンジュ |
遠くに離れ住む友人を思う情のこと。 |
◆ 保革伯仲 ホカクハクチュウ |
保守派と革新派との勢いが同じくらいであること。「伯仲」は、優劣がつけにくいこと。 |
◆ 墨子兼愛 ボクシケンアイ |
だれに対しても同じように愛するという墨子の思想のこと。墨子は中国、戦国時代の思想家。「兼愛」は博愛の意。 |
◆ 墨子薄葬 ボクシハクソウ |
中国、戦国時代、儒家が豪華な葬礼(厚葬)を主張したのに対し、墨子が葬礼を簡素にすること(薄葬)を主張したこと。 |
◆ 北窓三友 ホクソウサンユウ |
琴・詩・酒の三つをいう。 |
◆ 北轍南轅 ホクテツナンエン |
志と行動が相反することのたとえ。「轍」は車輪の跡、わだち。「轅」は車のかじ棒、ながえ。わだちが北に向かっているのに、ながえを南に向けている意で、あべこべ、行き違いということから。 |
◆ 北斗七星 ホクトシチセイ |
北天にあって、柄杓(ひしゃく)の形に並んだ七つの星。大熊座の一部。 |
◆ 墨名儒行 ボクメイジュコウ |
表向きの主義や主張と実際の行動とがちがっているたとえ。表面では墨家といいながら、実際は儒家の行動をしている意。 |
◆ 輔車相依 ホシャソウイ |
互いに助け合っている関係のたとえ。「輔」は?骨(ほおぼね)、「車」は下顎(したあご)の骨の意。 |
◆ 暮色蒼然 ボショクソウゼン |
夕暮れの薄暗い情景のこと。「蒼然」は、日暮れどきの薄暗いさま。 |
◆ 墨痕淋漓 ボッコンリンリ |
筆で書いた文字が、黒々と、生き生きとしていること。「淋漓」は水や汗などが流れ落ちるさま。また、筆勢などの盛大なさま。 |
◆ 奔南狩北 ホンナンシュホク |
天子が難を避けて、南に北に逃げること。「奔」は逃げる意。 |
◆ 煩悩菩提 ボンノウボダイ |
人間には迷いの煩悩があるからこそ悟りもあるのだということ。「菩提」は一切の迷いを断ち切って至る悟りの境地。「煩悩即菩提」の略。 |
◆ 本末転倒 ホンマツテントウ |
物事の重要なところと、どうでもよいところとを取りちがえること。根幹になるところと枝葉の先とを逆さまにする意から。 |
◆ 【本領安堵】ほんりょうあんど |
鎌倉・室町時代、武士や寺社の旧領地の所有権をそのまま公認したこと。 |
「本領」は、もとから所有している土地。「安堵」は、土地の所有権などを認めること。 |
◆ 【奔放不羈】ほんぽうふき |
一切の束縛から逃れて、自由自在に考えたり、行動したりすること。 |
「不羈」は、束縛されないこと。「不羈奔放(ふきほんぽう)」ともいう。 |
◆ 【本来面目】ほんらいのめんもく |
人が本来もっている、人としての心の本質のこと。 |
「本来」は初めからの状態のこと。「面目」は姿形、容姿のこと。禅宗の言葉。 |