◆ 内柔外剛 ナイジュウガイゴウ |
気が弱いのに、うわべは強く見せること。 |
◆ 【内助之功】ナイジョノコウ |
家庭にあって、夫が外で十分活躍できるように、 陰で支える妻の働きのこと。 または、その功績や蔭の力のことをいう。 |
「内助」は内部から援助するの意。 |
◆ 内清外濁 ナイセイガイダク |
内心は清く正しいが、外見は世事の汚れに染まっているように装うこと。乱世に身を処する方法をいう。 |
◆ 内政干渉 ナイセイカンショウ |
ある国の政治に他国が口出しして、その主権を侵害すること。 |
◆ 内疎外親 ナイソガイシン |
内心ではうとましく思っているが、表面上、親しげに装うこと。 |
◆ 内憂外患 ナイユウガイカン |
内部の心配事と外部から受ける災難。国内で起きる問題と、外国との間に生じるさまざまな摩擦。 |
◆ 菜種梅雨 ナタネズユ |
菜の花の咲く三月下旬から四月にかけて、いつまでも雨が降り続くこと。また、その長雨。 |
◆ 南無三宝 ナムサンボウ |
@仏仏と仏の教えと僧の三宝に帰依(キエ)することを表す語。 A大変だ。しまった。驚いたときや失敗したときに、三宝に助けを求める語。 |
◆ 南郭濫吹 ナンカクランスイ |
実力がない者が、才能のある者のなかに紛れこんでいること。 |
◆ 南橘北枳 ナンキツホクキ |
人は環境によって善にも悪にもなることのたとえ。江南の橘(たちばな)を江北に移植すると枳(からたち)に変わってしまう意から。 |
◆ 難行苦行 ナンギョウクギョウ |
@ひどく苦しみながら仕事などを続けて行うこと。「研修は―の連続」 A仏心身を苦しめ、鍛(きた)える修行。 |
◆ 軟紅塵中 ナンコウジンチュウ |
華やかな事物にあふれる都会のようす。 |
◆ 難攻不落 ナンコウフラク |
@城などが攻め落としにくいこと。「―の要塞(ヨウサイ)」 Aいくらはたらきかけても、こちらの願いや希望を受け入れてくれないたとえ。 |
◆ 南洽北暢 ナンコウホクチョウ |
天子の威光と恩恵が、四方八方に広く行き渡ること。「洽」も「暢」も広く行き渡る意。 |
◆ 南山不落 ナンザンフラク |
城などが堅固で容易には滅びないこと。終南山(シュウナンザン)のように永久に崩れない意から |
◆ 南征北伐 ナンセイホクバツ |
あちらこちらと戦争を繰り返して、平穏なときがないこと。「征」も「伐」も敵を攻めうつ意。 |
◆ 南船北馬 ナンセンホクバ |
あちらこちらを忙しく駆け回ること。 |
◆ 南都北嶺 ナントホクレイ |
奈良興福寺と比叡(ひえい)山延暦(エンリャク)寺のこと。昔、奈良は京都の南にあるので、南都といい、そこの旧勢力の寺院を代表する興福寺と、北方の比叡山にある、新興宗派である天台宗の延暦寺を対比した語。 |
◆ 【南蛮北狄】ナンバンホクテキ |
南方の異民族と、北方の異民族。 |
「南蛮」は、南方の異民族。「北狄」は、北方の異民族。 |
◆ 【南蛮渡来】ナンバントライ |
ポルトガル人やスペイン人などが、東南アジアを経由して海を渡って日本にやって来て、さまざまなものをもたらしたこと。また、彼らがもたらした異国風の珍しい品物や文化。 |
「南蛮」は、南方の野蛮人。昔、タイ・ルソン・ジャワその他の東南アジア地方をいう。また、それらの地方を経由して日本にやって来たポルトガル人やスペイン人などをいう。「渡来」は、外国から海を渡って来ること。 |
◆ 【南蛮鴃舌】ナンバンゲキゼツ |
やかましいだけで意味の通じない言葉。外国人の、意味の通じない言葉を卑しめていう。 |
◆ 二河白道 ニガビャクドウ |
仏浄土教(ジョウドキョウ)の教えを信ずることによって人が浄土に往生(オウジョウ)できるたとえ。「二河」は、水の河と火の河のこと。これに挟まれた白道を水や火を恐れず、ひたすらに進めば、西岸の安楽な世界に至るというもの。 |
◆ 肉山脯林 ニクザンホリン |
ぜいたくな宴会のたとえ。肉の山と干し肉の林の意から。 |
◆ 肉食妻帯 ニクジキサイタイ |
仏僧が戒律を破って肉食し、妻をもつこと。 |
◆ 肉袒牽羊 ニクタンケンヨウ |
降伏の意思を表すこと。肌脱ぎして謝罪し、ヒツジを引いて料理人として仕えようとする意から。 |
◆ 肉袒負荊 ニクタンフケイ |
謝罪の意思を表すこと。肌脱ぎして上半身を現し、刑罰に用いるいばらの杖(つえ)を背負う意から。 |
◆ 二者択一 ニシャタクイツ |
二つの事柄のうち、どちらか一方を選び取ること。 |
◆ 二束三文 ニソクサンモン |
数量を多くまとめても値打ちがなく、安いこと。 |
◆ 日常坐臥 ニチジョウザガ |
ふだんの行動。ひごろの生活。「坐臥」は、すわったり寝たりする意。 |
◆ 日常茶飯 ニチジョウサハン |
きわめて平凡でありきたりなこと。ひごろの食事の意から。 |
◆ 日陵月替 ニチリョウゲッタイ |
日に日に衰えていくこと。「陵」は丘、また衰えること、「替」はすたれることで、丘が少しずつ低くなるように衰えること。 |
◆ 日居月諸 ニッキョゲッショ |
@日よ、月よ。君と臣、君主とその夫人、父と母のたとえ。〈『詩経』〉 A月日が過ぎ去ること。 |
◆ 日進月歩 ニッシンゲッポ |
日々、絶えず進歩すること。 |
◆ 二人三脚 ニニンサンキャク |
@二人が並んで隣り合った足首をひもでくくり、三本足の状態で走る競技。 A二人で力を合わせて一つのことをすることのたとえ。 |
◆ 二百十日 ニヒャクトオカ |
立春から数えて二一〇日めの日。九月一日ころ。このころによく大きな台風が来るので、農家は災害に備える。 |
◆ 入境問禁 ニュウキョウモンキン |
その土地の習慣やしきたりにしたがうのがよいということ。国境を越えたら、その国の禁制を確認するという意から。 |
◆ 入木三分 ニュウボクサンブ |
書道で、筆跡のすぐれていること。 |
◆ 如意宝珠 ニョイホウジュ |
仏すべての望みをかなえてくれるといわれる珠(たま)。衆生(シュジョウ)を利益(リヤク)することから、仏や仏の教えの象徴とされる。摩尼(マニ)宝珠。 |
◆ 如是我聞 ニョゼガモン |
仏仏典のはじめに置かれる語。仏の教えであることを示す。私はこのように伝え聞いたという意。 |
◆ 女人禁制 ニョニンキンセイ |
特定の寺院や霊場に、女性が入るのを禁じること。 |
◆ 如法暗夜 ニョホウアンヤ |
まっくらやみ。暗黒の闇(やみ)、真の闇をいう。 |
◆ 【二律背反】ニリツハイハン |
二つの原理または命題が互いにくいちがうこと。 |
ドイツ語の「アンチノミー」の訳。「二律」は二つの法則や原理。「背反」は対立すること。 |
◆ 【二六時中】ニロクジチュウ |
一日中。しじゅう。いつも。 |
昔、一日が一二刻であったところから。 |
◆ 【人情風俗】ニンジョウフウゾク |
人の感情と社会のならわし。 |
「人情」はここでは、人の心。「風俗」は、社会のならわし。風習。 |
◆ 【人相風体】ニンソウフウテイ |
人の顔つきと見なり。 |
「人相」は、人の顔つき。容貌。「風体」は、見なり。外見。「にんそうふうたい」とも読む。 |
◆ 【忍之一字】ニンノイチジ |
物事を成し遂げるには、忍耐がいちばん大切だということ。 |
何かをやり遂げるために、最も大切なことは耐え忍ぶことであるということ。 |
◆ 【盗人上戸】ぬすびとじょうご |
甘い物、お酒のどちらもいける「両刀使い」のこと。いくら酒を飲んでもケロリとしていて顔に出ない人のことも指す。 |
「上戸」は酒に強い人のこと。 |
◆ 熱願冷諦 ネツガンレイテイ |
熱心に願うことと、冷静に物事の本質を見きわめること。「諦」は観察して明らかにする意。 |
◆ 【熱烈峻厳】ネツレツシュンゲン |
厳しく情熱を傾け、妥協を許さない厳しさを持つこと。 |
「熱烈」は、物事に熱中したり、感情が高ぶったりして、激しく興奮すること。「峻厳」は、非常に厳しいこと。 |
◆ 拈華微笑 ネンゲミショウ |
仏花をつまんで、ほほえむこと。禅宗の公案の一つ。 |
◆ 年功序列 ネンコウジョレツ |
年齢や勤続年数によって地位や賃金の上下がきまっていること。 |
◆ 【年百年中】ネンビャクネンジュウ |
ねんがらねんじゅう。一年中。いつも、常に。 |
好ましくない状態が続いているときに使うことが多い。 |
◆ 【燃眉之急】ネンビノキュウ |
眉が焦げるほどの火急の時。差し迫った急場の情勢。焦眉之急。 |
眉が燃えるほど近くに火が迫り、急を要する事態であることから。 |
◆ 【念仏三昧】ネンブツザンマイ |
仏教で、一心に念仏を唱えること。 |
仏教語の一つ。「念仏」は、「南無阿弥陀仏」を唱えること。「三昧」は、梵語からの音訳語で、一つの物事に熱中するようす。 |
◆ 【年年歳歳】ネンネンサイサイ |
毎年、年ごとに。来る年も来る年も。年々歳々。 |
「歳々年々(さいさいねんねん)」と同じ。 |
◆ 【能工巧匠】ノウコウコウショウ |
技能に優れた大工、腕の良い職人。 |
現代風にいうと、優秀なアーチスト、デザイナー、エンジニアなどのこと。 |
◆ 【嚢中之錐】ノウチュウノキリ |
才能のある人は、大勢の中にいてもすぐに才能を発揮して目立つようになること。嚢中の錐。 |
「嚢中」は袋の中という意味。「錐」は小さな穴をあけるための鋭い刃先の工具袋の中に錐を入れておくと、錐の刃先が自ずと袋を突き破り、外に出てくることから。 |
◆ 【能事畢矣】ノウジアワレリ |
成し遂げなければならないことは、すべてやり尽くした、の意。 |
◆ 【述而不作】ノベテツクラズ |
先賢の説を受け継いで述べ伝えるだけで、しいて自分の新説を立てようとしない。 |