「脂質」は「糖質」「たんぱく質」に並ぶ3大栄養素の一つです。
しかし、「脂質」=「油っこい食べ物」=「健康に悪い物」というイメージの方も一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
実は「脂質」と一口に言っても様々な物質の総称を指すものであり、その内容を細かく見ていくと一概に「健康に悪い物」とは
言えない側面があります。
「脂質」を構成する主要要素は「脂肪酸」です。
「脂肪酸」は「脂質」の主要な構成要素で、脂肪酸が他の様々な形体の物質と結びつくことで脂質を形成しています。
脂肪および脂肪酸は体内で下記のような働きをする為、人の健康にとって欠かせない存在であると言えます。
・ 活動のエネルギー源(カロリー)
・ 人体の細胞膜、ホルモン、核膜などを構成
・ 皮下脂肪として臓器や外部刺激(寒さや物理刺激)からの保護(バリア機能)
・ 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収促進
脂肪酸は大きく分けて下記の4つの分類に分けることができます。
乳製品や肉などに多く含まれる脂肪酸で、溶ける温度が高く、室温では個体であり体内でも合成できる。
ラードなど動物性脂肪に多いが、ココナッツオイルやパーム油などにも含まれる。
過剰摂取すると、中性脂肪が増えるなど健康被害のリスクがある。
・ エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸
・ 一般に過剰摂取になりやすく、過剰摂取は健康面でデメリットあり
・ 物質として安定(炭素鎖2重結合を持たない構造)
・ 肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる
・ ステアリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸など
一価不飽和脂肪酸はオメガ9の1種類のみであり、体内で合成できるため必須脂肪酸と呼ばない。
10〜20℃など、一般的な室温であれば液体であり、低い温度でも溶ける。
ヒトにとって重要なエネルギー源となる脂肪酸で、血中コレステロール値を減らすなど健康効果が高いことでも知られている。
・ オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる
・ 比較的エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸
・ 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ持つ構造)
・ オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれる
・ オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など
不飽和脂肪酸のうち「炭素の二重結合」が1個のものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸という。
多価不飽和脂肪酸は体内で合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれており、主成分によってオメガ3・オメガ6の2種類に分けられる。
・ オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される
・ 体内で合成できない必須脂肪酸を含む
・ 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ以上持つ構造)
・ 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに多く含まれる
・ リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など
・ 植物油を高温にする過程などで生成される脂肪酸
・ 健康に対するマイナス面が報告されている
・ マーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれる可能性がある
上記の3種の脂肪酸の特徴から、私たちが「脂質」を「健康に悪い」と感じるのは、食生活で「飽和脂肪酸」を取りすぎてしまうと
いう事による健康上の弊害が、「脂質」という言葉の印象悪化に直結していると推測します。
近年では特に海外で「トランス脂肪酸」が大きな問題となっておりこちらも「脂質」の不健康イメージを増長している可能性は考え
られます。
逆に、脂質の一種にもかかわらずDHA、EPEは健康に良いイメージを持っている方が多いと思います。
実際に必須脂肪酸と言われるこれらの物質は体内で合成できないためきちんと食事からとる必要があり、適量の摂取が健康上プラス
になるという研究報告が多く出ています。
まとめると「脂質」のうち「飽和脂肪酸」は過剰摂取の傾向があるので、意識して適量を心がける。
「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」のうち特に必須脂肪酸にあたるものは、体内で合成できないので意識して食事から
とるようにする。
「トランス脂肪酸」は極力取らないことが、健康上はプラスになるという事になります。
リノール酸 15%
オレイン酸 17%
その他 9%
αリノレン酸 60%
亜麻の種子から搾油します。
たいへん酸化しやすいため、加熱料理には向いていません。
独特の風味と苦みがあるのが特徴です。
必須脂肪酸の、α-リノレン酸が豊富に含まれています。
・ オメガ3脂肪酸は、体内のさまざまな機能にとって重要な多価不飽和脂肪酸に属しています。
・ オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、脂肪が多い魚(たとえば、サケ、マグロ、マス)や甲殻類(たとえば、カニ、ムール貝、カキ)
のような海産物に含まれています。
・ オメガ3の異なる種類であるALAは、植物油(たとえば、セイヨウアブラナ、大豆)など他の食物に含まれています。
1.海産物(魚や甲殻類)を多く含む食事と心疾患に関する研究結果によると、週に一回以上海産物を食べる人は、極稀にしか食
べないあるいは全く食べない人と比較して心疾患が原因で死亡する可能性が低いようです。
「アメリカ人のための食生活の指針、2010」(英語PDF)は、海産物からオメガ3脂肪酸などの種々の栄養素を得られるため成人
は週に8オンス(約224g)以上の種々の海産物を取ることを新たに推奨しています。
2.EPAやDHAを多く含む海産物を
メントが心疾患を予防することは証明されていません。
3.2012年の科学論文のレビューでは海産物や魚油に含まれるオメガ3脂肪酸であるEPAやDHAが関節リウマチの症状を緩和する
のにある程度有効と考えられると結論づけています。
4.DHAは
そのため研究者は、DHAやその他のオメガ3脂肪酸が、
があるのではないかとの調査を盛んにおこなっています。
αリノレン酸とは脂質の主な構成成分である脂肪酸のひとつで、人間の体内では合成することのできない必須脂肪酸です。
亜麻仁油やエゴマなどの野菜に多く含まれている体に良い油で、体内ではDHAやEPAに変換され、血流改善
や動脈硬化の予防に効果的な成分です。
αリノレン酸は体内のリン脂質にも含まれる成分です。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素から成っており、構造の中に炭素の結合を2つ以上持つ多価不飽和脂肪酸にあたります。
多価不飽和脂肪酸は、人間の体ではつくることができないため、食品から摂取する必要がある必須脂肪酸に指定されています。
αリノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中でもn-3系脂肪酸(オメガ3)と呼ばれるものに分類されます。
これは、青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と同じ分類に入ります。
n-3系とは、脂肪酸構造の中に炭素の最初の二重結合が、3つ目と4つ目の炭素の間にあることからそのように呼ばれています。
リノレン酸には、「α(アルファ)」「γ(ガンマ)」「β(ベータ)」などの種類があり、これらは発見された順番を表しています。
つまり、1887年に発見されたαリノレン酸はリノレン酸の中で1番目に発見されたということを意味しています。
αリノレン酸は人間の体内では合成することができない上、不足すると
そのため、食品から摂取することが必須とされています。
亜麻やエゴマなどに多く含まれており、最近では自宅で使用する植物油の中にもαリノレン酸が多く含まれているものは体に良いと
されています。
αリノレン酸の特徴として、非常に酸化しやすいということが挙げられます。
酸化した脂肪酸を摂ることは体にとってあまり良いこととはいえません。
酸化した油は、動脈硬化の原因になったり、体が酸化して老化スピードを速めたりするからです。
そのため、αリノレン酸が入っている家庭用植物油などを使用する場合は、早めに使い切ることが大切です。
また、熱にも弱い性質があるため、炒め物などよりもドレッシングやマリネに使用する方が良いとされています。
αリノレン酸は広葉植物の葉の葉緑体という光合成の光化学反応が起こる場所の膜組織からも得られます。
また、ほうれん草やチンゲン菜の膜組織からも得ることができます。
そのため、緑の葉は草食動物のαリノレン酸の供給源でもあるのです。
αリノレン酸は1日あたり、2gの摂取が望ましいと考えられています。
人間がほうれん草からαリノレン酸を1日2g摂取しようと思うと、約1.4kgものほうれん草を食べなければいけません。
そのため、人間はαリノレン酸が多く含まれているエゴマや亜麻などから採取した油を多く摂る必要があるのです。
1980年代の初期頃から、研究者たちはn-3系脂肪酸に注目するようになりました。
きっかけは、脂肪分の多い魚をたくさん食べているエスキモーの
脂肪は摂りすぎると、肥満や
では、なぜエスキモーの
これは、摂取していた多くの魚に含まれる脂肪が、n-3系脂肪酸だったからだということが研究の結果明らかになりました。
これらはホルモンと似た働きをしますが、作用としては正反対なのです。
例えば、αリノレン酸は血液を流れやすくして、細胞組織を正常に保ってくれる役割があるのに対し、リノール酸は血液を固める
のに役立ちます。
グリーンランドやアラスカの先住民が、動物性脂肪の多い食品を多く食べていたにも関わらず心疾患が少なかったのは、リノール酸と
αリノレン酸のバランスが保てていたからだといわれています。
リノール酸とαリノレン酸の理想的なバランスは4:1だといわれています。
同じアブラでも、牛や豚、鶏などのアブラは常温で固まり、植物や魚から採れるアブラは固まらないことは知られています。
常温で固まるアブラのことを「脂(fat)」と書き、常温で液体のアブラのことを「油(oil)」と書きます。
この両方を総称して「油脂」と呼びます。
この違いは脂質の構造の違いによって表されます。
つまり、飽和脂肪酸であるか、不飽和脂肪酸であるかによって変わるのです。
飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がなく、水素で飽和されている状態の脂質のことをいいます。
不飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がある状態の脂質のことで、融点が低い状態のものをいいます。
一般的に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はバランス良く摂ることが大切といわれており、その比率は2:1が望ましいとされています。
αリノレン酸は体内に入るとDHAやEPAに変換されます。
DHAやEPAは血液をサラサラにすることで動脈硬化や心筋梗塞を防いだり、
また、体内でDHAに変換されることから、
特に
アレルギーの原因のひとつとして、リノール酸の過剰摂取があります。
リノール酸とは、n‐6系の必須脂肪酸のひとつで、血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる働きがあります。
その一方で、摂りすぎるとアレルギーを悪化させたり、大腸ガンの危険性を高めたりと体にとって良くない影響をもたらしてしま
うのです。
αリノレン酸は、リノール酸に対して競合的に働き、アレルギーを抑制する働きを持っています。
人間の体は約60兆個の細胞からできています。
その細胞ひとつひとつに、「細胞膜」と呼ばれる細胞の内外を隔てる膜が存在します。
この細胞膜があることによって、細胞は内部環境を一定に保つことができるのです。
また、バリア機能もあるため、特定の物質の進入を阻止する役割も担っています。
このように、人間にとって非常に大切な細胞を守る役割をしているのが細胞膜です。
この細胞膜を構成しているαリノレン酸などのn-3系成分が不足することで、細胞膜がしっかりと構成されず、老化の促進にも
つながってしまいます。
健常者とうつ病患者のαリノレン酸やDHA、EPAなどn-3系脂肪酸の蓄積量を調べたところ、うつ病患者の方が有意に低かったことが
明らかとなっています。
これによって、αリノレン酸などのn-3系脂肪酸はうつ症状を軽減させる効果があると考えられています。
特に妊娠・出産期には、αリノレン酸やDHA、EPAなどのn-3系脂肪酸の枯渇リスクが高まります。
これによって、産後うつ病の危険性に関与する可能性が考えられるため、この時期は特に意識して摂取する必要があります。
循環器…呼吸器系…心血管疾患の初期予防、
美容系…皮膚のしわやたるみ予防
「n-6系不飽和脂肪酸」ともいう。
オメガ3と同じように体内で合成できない必須脂肪酸。
ただしコレステロールは、オメガ9のように悪玉だけを減らすのではなく、善玉を減少させてしまうこともある。
そのため過剰摂取には注意しよう。
以下のような脂肪酸がオメガ6に分類されている。
血中コレステロールを低下させるほか、動脈硬化を予防する効果が期待できる。
ひまわり油やコーン油などに多く含まれている。
血糖値や血圧のを下げる効果が期待できる。
母乳のほか、からすみ、クジラ、ニシンなどに多く含まれている。
免疫機能を整える働きがある。卵黄や豚レバーなどに多く含まれている。
・ 体内で合成できない必須脂肪酸を含む
・ 物質として不安定(炭素鎖2重結合を一つ以上持つ構造)
・ 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、紅花油、クルミ、えごまなどに多く含まれる
・ リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など
人間が体内で生成できない必須脂肪酸のため摂取は必要ですが、とりすぎには注意しましょう。
厚生労働省の指標では、オメガ6(ω6)系の摂取は、18歳以上の成人では7g〜11gとることが望ましいとされています。
リノール酸 13%
オレイン酸 18%
その他 8%
αリノレン酸 61%
えごま油の別名はシソ油。
非加熱・生食が最適で、サラダのドレッシングなどにすると食べやすい油です。
原材料を焙煎している油もあります。
えごま油を日本で初めて食用化したのは太田油脂です。
えごま油には現代人の食生活に不足がちなオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が約60%以上含まれ、健康的な食生活に欠かせない油
として注目されています。
えごまとは一年草のシソ科植物で、青シソ(大葉)と良く似た葉をもつ植物です。
「ごま」とは全く異なります。
韓国では葉を食す文化があり、えごまの葉のキムチ漬けが有名です。
えごまの種子は、食用として今でも飛騨地方で五平餅のタレに使われるなど、伝統食として使用されています。
すりつぶして五平もちのたれ等に利用されています。
えごまの原産地はインド高地や中国雲南省の高地とされており、ここから中国、韓国、日本に入ってきたといわれています。
1万年〜5500年前の遺跡数カ所で、すでに栽培されていた痕跡が見つかっていることから、えごまは日本最古の油脂植物と考えら
れます。
そこから、番傘・提灯・工芸品の塗装用などの用途で、江戸時代中期までの800年間盛んに使われていました。
しかし、江戸時代後期に、生産効率の高い菜種が日本に入り、次第にえごまから菜種に移り変わっていったことで、えごまを栽培する
農家は激減していきました。
今では福島県、岩手県、岐阜県、宮城県などの一部に伝統食として残っており、東北では、「食べると十年長生きする」という謂れ
から、「じゅうねん」、飛騨では「あぶらえ」と呼ばれています。
現代の食生活では、オメガ6脂肪酸(リノール酸)が過剰摂取の状態にあり、オメガ3脂肪酸(α?リノレン酸)が不足しています。
近年、オメガ6とオメガ3のバランスが崩れたことが、アレルギー疾患や生活習慣病の原因の一つであることが報告されました。
しかし、オメガ3は人が身体の中で作ることのできない「必須脂肪酸」ですから、食品から摂取しなければなりません。
そこで注目されるのが、オメガ3脂肪酸(α?リノレン酸)を豊富に含む『えごま油』や『アマニ油』なのです。
リノール酸 7%
オレイン酸 78%
その他 14%
αリノレン酸 1%
菜種油やひまわり油に代表される種由来の油(シードオイル)とは異なり、オリーブは果実にオイル分が含まれています。
上質なバージンオリーブオイルはさらっとしていて、オリーブオイルだけでそのまま飲めるほど。
オリーブは世界に1000種以上あるとも言われており、オリーブに含まれるオイルの量は品種や収穫時期によって異なります。
成熟前の青い実だとオイルの含有量が少なく、青から紫、黒と成熟が進み、色が濃くなるにしたがって、オリーブオイルの含有量は
増えていきます。
オリーブオイルの含有量は実の重量(約1〜15g)に対して、少ないものだと約9%。
多いものでも約30%と言われています。
オリーブは紀元前6000年以上(諸説あり)も昔から栽培が始まり食用に美容にと人々の生活の中で根付いてきた長い歴史のある油です。
古くはシリア・メソポタミア・イスラエルなどの小アジアや北アフリカに自生していたオリーブの樹ですが、現在はスペイン・
イタリア・ギリシャなどの地中海沿岸地方だけでなく、世界各地で栽培されています。
オリーブオイルは神話や聖書の中に何度も登場し、現在も宗教的に重要なアイテムとして扱われています。
中東やヨーロッパを中心に、宗教学的にも民俗学的にも重要視されてきたオリーブオイルは、神聖なものであるイメージからか、
民間療法にも使用されてきました。
たとえば、オリーブオイルの一成分である「オレオカンタール」は、風邪薬などに配合されている抗炎症薬の成分「イブプロフェン」
と似た作用があると最近の研究で発表されました。
昔から日本では、風邪やのどの痛み、おなかの痛みのときには「梅干を食べなさい」と言われてきましたが、地中海地域では、
「オリーブオイルを飲みなさい」といわれていたそうです。
このように、ヨーロッパの人々の生活には欠かせないアイテムであるオリーブオイルは、近年研究が進み、さらに新しい発見も
続々と出ています。
ちなみに、日本で一般的に食用として販売されているオリーブオイルは、「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュア
オリーブオイル」に分けられます。
「エキストラバージンオリーブオイル」は、絞ったままの「バージン・オリーブオイル」を香り・味・酸度(酸価)などのいくつかの
項目において分析・評価をし、認められたものだけに与えられる名前です。
オリーブオイルに含まれている栄養素をそのまま摂取し、風味や味を楽しむことができます。
「ピュアオリーブオイル」は、精製オリーブオイルとバージン・オリーブオイルをブレンドしたオイルです。
精製オリーブオイルとは、「バージンオリーブオイル」の基準に満たない「オリーブオイル(主にバージンオイルの中でもランパンテ
と呼ばれるもの)」を精製加工したオリーブオイルです。
加工の段階でどうしても栄養素等の一部が雑味とともに取り除かれてしまうため、エキストラバージンオリーブオイルに比べると香り
や健康性にかかわる微量成分は少なくなっています。
オリーブオイルは、もちろん油です。
油の主成分である脂肪酸は、中性脂肪の原因としても取り上げられるバターやラードに代表される常温で固形の飽和脂肪酸と、
オリーブオイルやごま油のような常温で液体の不飽和脂肪酸に分けられます。
そこからさらに、多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸、オメガ3系、6系、9系と分類されていきます。
リノール酸 68%
オレイン酸 19%
その他 12%
αリノレン酸 1%
グレープシードオイルとは名前の示すとおりに、ぶどうの種をしぼって抽出したオイルになります。
良質な脂肪分や各種ビタミン類、抗酸化物質などさまざまな種類の成分が含まれている、今話題のオイルになります。
ぶどうの種に含まれるオイルは10%程度なので、ワインの生産地であるフランスやチリ、イタリアなどで盛んに作られていますが、
日本ではあまり聞いたことがないかも知れません。
使用方法としては、匂いが無いので料理以外にも保湿を目的として化粧品やアロマオイルにも用いられていますし、育毛剤として
使用している例もあります。
たくさんの健康成分がある一方で、グレープシードオイルを摂取することの危険性も取り沙汰されています。
確かに、ある観点からしてみると危険性はありますが、なぜ危険なのか、どうすればその危険性を下げて生活にとり入れることが
できるのかを解説していきます。
体の油の組成として、乾燥させた重量の40%が油であり、かつ
ですので、糖質やタンパク質と同様に、摂取するその「質」が問われています。
基本的に脂質は構成要素の違いにより、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けることができます。
・飽和脂肪酸:バターや肉などの動物性食品に多い
・不飽和脂肪酸:魚以外にもオリーブオイルなどの植物性食品に多い
飽和と不飽和は構造上の違いだけですが、どちらも健康には必要不可欠です。
肉などの飽和脂肪酸が悪いと、目の敵にされている風潮がありますが、飽和脂肪酸は血管を強くする働きがあるので全く摂取
しないのもいけません。
現代の食生活では、肉などの飽和脂肪酸を摂取する機会が多いと思いますので、不飽和脂肪酸を摂ることを心がける必要があると
いえます。
次に、不飽和脂肪酸の中では、体内で作ることができる1価不飽和脂肪酸と、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸に
分かれます。
・1価不飽和脂肪酸:オリーブオイルなどに多い
・多価不飽和脂肪酸:グレープシードオイル、亜麻仁油、えごま油、魚油などに多い
体内で作ることができないということは、食品から積極的に摂取する必要があります。
つまり、食事で意識して摂取していきたのは、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸よりも多価不飽和脂肪酸になります。
グレープシードオイルに含まれている成分として特徴的なのは、飽和脂肪酸が少なく、オメガ6に分類される多価不飽和脂肪酸で
あるリノール酸が約70%含まれています。
神経疾患や皮膚疾患に関わるオメガ6の欠乏症を防ぐためには、1日に必要な摂取エネルギーの約2.4%をリノール酸で摂ると予防
できるとされています。
また、コレステロールはゼロなので、コレステロール値が気になる方も安心して使用することができます。
抗酸化ビタミンであるビタミンEは、オリーブオイルよりも豊富に含まれていますので、保存する際も酸化しにくいので、
ある程度長い期間保存することができます。
まだまだ研究段階であり、研究者の間でも意見がわかれていますが、グレープシードオイルに含まれている成分であるプロアントシ
アニジンには、がん細胞の増殖を抑える働きがあるとの報告があります。
がん細胞は見境なく、正常な細胞にまで悪影響を及ぼしてどんどん増殖していきます。
本来、細胞のシステムには、異常な細胞などが周囲の細胞の働きを阻害しないようにするために、自分自身を自滅させる
アポトーシスという働きがあります。
がん細胞は、このアポトーシスを逃れるシステムをもっているので、簡単には自滅してくれません。
自滅の無いがん細胞に対する化学療法の目的の1つに、がん細胞を攻撃したり、がん細胞がもっているシステムを狂わすという
ような作用を期待しますが、化学療法によってがん細胞だけではなく、正常な細胞までも過剰に攻撃されるようになると、正常な
細胞の働きが阻害されて副作用が起こってしまいます。
日本人の死因第1位の、がんに対する化学療法の副作用は、さまざまなものがあります。
吐き気や出血にはじまり、口内炎や下痢、味覚の変化、皮膚疾患や脱毛、
さらに、がん細胞が増殖する原因となる遺伝子を減少させる効果があるとの報告もあります。
このようにして、グレープシードオイルに含まれるプロアントシアニジンという成分により、化学療法の副作用が抑えられたり、
早期に対処することができるようになれば、がん治療によって苦しんでいる方の助けにもなる可能性があります。
現段階ではまだまだ未知の領域ですが、今後の研究に期待したいところです。
グレープシードオイルには活性酸素を取り除くための、たくさんの抗酸化成分が含まれています。
人間が呼吸すると吸い込んだ酸素により、必ず活性酸素が発生してしまいます。
この活性酸素はウイルスなどを攻撃して免疫力を上げる作用がありますが、活性酸素が発生し過ぎると、自分の細胞自体を攻撃して
しまい、老化や動脈硬化などにつながっていきます。
この活性酸素を取り除いたり、悪影響を減らしたりする働きがあるのが抗酸化物質です。
この抗酸化物質にはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEやポリフェノールなどが知られていますが、グレープシードオイルには
ビタミンEやポリフェノールが豊富に含まれています。
老化というのは細胞の再生力の衰えです。
特に女性であれば肌に影響しますので、積極的に摂り入れていきたい栄養になります。
試験管内の実験ですが、グレープシードオイルには、食中毒菌である黄色ブドウ球菌や大腸菌が増えるのを抑える働きがあります。
特に、細胞自体に悪影響を及ぼさずに悪い菌を特定的に抑えつける働きがあるようです。
黄色ブドウ球菌は食中毒の代表的な菌であり、過去には弁当や乳製品、肉製品、お菓子などさまざまな食べ物が原因食品になって
います。
さらに黄色ブドウ球菌は100℃の熱湯で30分加熱しても毒が消えないことがわかっていますので、普段の調理でも黄色ブドウ球菌が
原因で食中毒が発生する可能性は十分に考えられます。
まだまだ研究段階であり、研究者の間でも意見はわかれていますが、
働きがあるという報告があります。
インスリンとは、すい臓から分泌されるホルモンであり、血管の中の糖を筋肉や脂肪組織に送り込んで結果的に血糖値を下げる働き
があります。
インスリン抵抗性とは、このインスリンが効きにくくなった状態です。
インスリンを説明するときには、よくカギと鍵穴の例えをします。
細胞には鍵がかかっているため、糖が簡単には入ることができません。
そこで、インスリンという鍵を使うと細胞の鍵が開くことで糖が細胞へと吸収されることになります。
ですが、細胞の鍵穴の形が変わって、インスリンという鍵が合わず使えないことがあります。
これがインスリン抵抗性と呼ばれるものになります。
インスリンが効かないとなると、血管の中の糖があふれかえり、高血糖が続き、
特に、
今後の研究により、グレープシードオイルがインスリン抵抗性を改善する効果があると確定した場合、
影響があるでしょう。
まだまだ研究段階なので、今後に期待するとして、
ので、毎日の食生活や生活習慣を整えていくことが1番重要でしょう。
グレープシードオイルに含まれる成分には、体の末端から血液を
ためのサプリメントとして用いられています。
慢性静脈不全の原因の1つに浮腫が挙げられていますが、その浮腫の症状を抑えるという報告がありました。
ただ、厚生労働省としても、確定的な科学的根拠があるわけではないという説明も加えていますので、必ずしも慢性静脈不全を治したり
予防したりするものではないということの裏づけでもあります。
今後さらに研究が進んでいき、徐々に解明されていけば、きちんとした治療方法として確立する可能性もあるでしょう。
注意点としては、むくみがひどいからと言ってグレープシードオイルを大量に摂取するようなことは別の危険性をはらむことにつながり
ますので、安易に摂りすぎるのは禁物でしょう。
たんに浮腫みが気になる方は、筋肉運動やマッサージなどを行うことで軽減がみられますので、定期的に行うと良いでしょう。
研究者の間でも意見がわかれていますが、グレープシードオイルを摂取すると、収縮期血圧を下げることができる可能性が示唆され
ています。
できれば、年間を通して10万人もの人が亡くならずにすむといわれています。
ほとんどは
その
日本人の食事摂取基準には食塩相当量の目標量として、男性7.5g、女性6.5gに設定されていますが、これだけ
ざたされているということは明らかに目標量以上を摂取しているということでもあります。
減塩のポイントとしては、ラーメンなどのスープは残したり、食材本来のうま味で薄味に仕上げたり、加工食品や外食を控える
ことです。
さらに
注意点としては、グレープシードオイルを摂取することで、
あくまで減塩や定期的な運動を心がけて、補助的にグレープシードオイルを摂取すると良いでしょう。
とうもろこしからコーンスターチを作る際に出る「胚芽」に含まれる油脂を加工して分離させたものである。
コーン油1Lあたり100kgのとうもろこしを使うといわれている。
用途は幅広く、炒め物や揚げ物のほか、マーガリンにも加工されるなど、我々の身近に存在する油として有名である。
世界有数のとうもろこし産地であるアメリカで最も消費されている油です。
色は淡黄色で、コクのある香ばしい風味が特徴。
揚げた後の保存性にも優れているので、サラダ油、天ぷら油として使われています。
リノール酸 55%
オレイン酸 30%
その他 14%
αリノレン酸 1%
油類はカロリーが高いため、油断すると必要とする摂取カロリーを簡単にオーバーしてしまう。
近年、糖質制限ダイエットが人気で、脂質の摂取量を気にしているダイエッターの方も多い。
文部科学省「食品成分データベース」によれば、コーン油100gあたりのエネルギーは921kcalである。
これを大さじ1杯12gに換算すると、110.52kcalとなる。
ヒトが1日に必要な摂取カロリーは年齢や活動量によって異なるが、30?49歳男性の例を紹介すると、身体活動レベルが低い方
で2300kcal、普通程度の方で2700kcal、高い方で3050kcalとなっている。
コーン油大さじ1杯あたり110.52kcalとお伝えしたが、これは体重50kgの人が27分ウォーキングしてやっと消費できるエネル
ギー量だ。
大さじ1杯でこれだけのカロリーを取り込むことになる。
油の主成分は「グリセリド」と呼ばれるもので「トリグリセリド」「ジグリセリド」「モノグリセリド」などがあるが、大半を
占めるのはトリグリセリドである。
トリグリセリドが体内で消化される際、酵素の働きで分解され小腸で吸収される。
その後、再び油として合成されて全身に運ばれ、中性脂肪や体脂肪となるほか、エネルギーになるものもある。
一方ジグリセリドは小腸で吸収されたあと油として再合成されず、肝臓に運ばれたあと燃えてしまう。
コーン油100gあたりの主な栄養一覧
■エネルギー: 921kcal
■脂質: 100.0g
■カルシウム:Tr(微量)
■ビタミンE
└トコフェロールα: 17.1mg
└トコフェロールβ: 0.3mg
└トコフェロールγ: 70.3mg
└トコフェロールδ: 3.4mg
■ビタミンK:5μg
■脂肪酸
└飽和脂肪酸: 13.04g
└一価不飽和脂肪酸: 27.96g
└多価不飽和脂肪酸: 51.58g
いずれも文部科学省「食品成分データベース」によるものだ。
脂肪酸について詳しくは後述するとして、ここではビタミンEやKについて効能を解説する。
コーン油には抗酸化ビタミンのひとつビタミンEが含まれている。
ビタミンEは油に溶ける脂溶性ビタミンで、体内脂質の酸化を防ぐ抗酸化作用が強い。
細胞の老化やLDLコレステロールの酸化を防ぎ、生活習慣病や老化に関わる病気の予防に効果が期待されている。
成人男性が1日に摂取するトコフェロールαの目安量は6.5mg、成人女性は6.0gだ。
体内に溜まりにくいため過剰摂取はほとんど心配しなくてよいとされてはいるが、サプリメントで補っている場合などは、コーン油
によって過剰摂取しないように心がけよう。
同じく脂溶性ビタミンに分類される、体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素がビタミンKだ。
コーン油大さじ1杯あたり0.6μg含まれている。
ビタミンKはケガなどで出血した場合に止血を促したり、骨の形成をサポートしたりするビタミンで、骨粗しょう症の治療薬としても
使われている。
緑黄色野菜などさまざまな食材に含まれるほか、体内でも合成されるため基本的に摂取不足の心配は少ない。
過剰摂取した場合の健康被害についても、報告はなされていないようだ。
コーン油には糖質が一切含まれない。
糖質制限ダイエット中の方などには朗報かもしれないが、糖質はヒトにとって重要なエネルギー源であることは覚えておこう。
とはいえ、過剰摂取が健康に害を及ぼすリスクはあるため、糖質をコントロールしたい方にとってはコーン油のこうしたポイント
はうれしいだろう。
コーン油に限らず、油を語るうえで欠かせないのが脂質や脂肪酸の話である。
基本的なところだけを簡単に解説しよう。
脂肪酸がさまざまな物質と結びつくことで作られるのが脂質である。
したがって、脂肪酸は脂質の主要成分といえる。
しばしばダイエットの敵として扱われるが、ヒトが生きていくうえで欠かせない大切な栄養素だ。
脂肪酸は「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に大別でき、さらに不飽和脂肪酸は「多価不飽和脂肪酸」と「一価不飽和脂肪酸」に細別
される。
コーン油をはじめとする植物性油には不飽和脂肪酸が、ラードなどの動物性油には飽和脂肪酸が多く含まれる。
不飽和脂肪酸には「オメガ3(n-3)系脂肪酸」「オメガ6(n-6)系脂肪酸」「オメガ9(n-9)系脂肪酸」などがある。
コーン油を構成する主な脂肪酸は、リノール酸を始めとしたオメガ6(n-6)系脂肪酸である。
リノール酸はコレステロールを下げる作用が確認されており、生活習慣病予防などに効果が期待できる。
しかし過剰摂取すると、善玉コレステロールも減少させてしまったり、免疫力の低下を招いたりすることがある。
また空気に触れる、高温で調理するといったことで酸化しやすく、がんの原因となる過酸化脂質に変化する場合がある。
コーン油をはじめとした植物油は市販の菓子やパン・総菜・ファストフードなどに多く使われている。
過剰摂取を防ぐには、料理で使う以外に加工品などにも気を配ることが大切だ。
さらにトランス脂肪酸にも注意しよう。
コーン油などのオメガ6系脂肪酸を個体に加工する過程で生まれるトランス脂肪酸は、摂り過ぎると生活習慣病発症の危険性が
上がるといわれている。
固体化されたコーン油はマーガリンやショートニング、食用精製加工油脂を使った製品に使われている。
トランス脂肪酸の摂取量目安は1日の総エネルギー摂取量の1%以内なので覚えておこう。
オレイン酸は、オリーブオイルや、牛肉、アーモンドに多く含まれています。
オレイン酸はいろんな食品中に含まれていますが、とくに植物油(オリーブ油等)に多く含まれています。
オリーブ油には種々の特徴的なポリフェノールが含まれており、健康効果を高めています。
オレイン酸を毎日摂取すると、オレイン酸の働きにより冠動脈性心疾患のリスク低減効果が期待できるとされています。
・ オリーブオイル 74g
・ なたね油 60.1g
・ 大豆油 22.1g
・ アーモンド(乾燥) 33.6g
・ 牛ばら肉 25.3g
オレイン酸を多く含むオリーブオイルは、健康的な食事といわれる地中海食の中でも欠かせない油です。
目安量を参考に摂取しましょう!
リノール酸 2
オレイン酸 7%
その他 91%
αリノレン酸 0%
ココナッツオイルとは、ココヤシの実の胚乳から抽出される油のこと。
植物油には珍しく、飽和脂肪酸を多く含むオイルです。
ココナッツオイルは、飽和脂肪酸の中でも「中鎖脂肪酸」を多く含み、消化吸収がすみやかで分解が早いのが特徴。
母乳にも含まれており、手術後の方や未熟児のエネルギー補給に使われることもあるそうです。
約20℃以下になると固まる性質をもっていますが、酸化しづらく、熱に強いのが大きな魅力。
ココナッツの甘い香りで、バターの代わりにパンに塗ったりしてもおいしく使えますが、調理用に香りを取り去った精製タイプも
販売されています。
ココナッツの可食部は、果実の固い殻の内側にある、脂肪分の多い胚乳です。
ココナッツオイルは、この胚乳から搾油します。
生の胚乳を圧搾するとヴァージンココナッツオイル、乾燥した胚乳を原料にするとココナッツオイルとなります。
ココナッツオイルの脂肪酸の約50%を占めている「ラウリン酸」は中鎖脂肪酸の一種で、細菌、ウイルス、真菌などに対する
抗菌効果が認められています。
マウスに与えると便の中のカンジダ菌が減少するという研究結果も出ており、カンジダ菌の増殖抑制への効果が期待されています。
ココナッツオイルに含まれる「ラウリン酸」には抗酸化効果があり、免疫力を高める力があるといわれています。
老化抑制のほか、風邪予防などにも効果が期待できそうです。
ココナッツオイルには食欲を減少させる効果、脂肪の燃焼を促進させる効果があり、腹部や臓器の周囲に溜まる腹部脂肪の減少に
特に効果があるという実験結果も出ています。
もちろん油ですので摂りすぎは禁物ですが、いつものオイルをココナッツオイルに置き換えることで脂肪を減らせるかもしれません。
この「ケトン体」はアルツハイマーの方の
の改善が認められているそうです。
伝統的に保湿剤として使われてきたココナッツオイルですが、研究によっても肌の水分量を改善し、湿疹の症状を軽減できることが
証明されています。
さらに殺菌効果もあり、黄色ブドウ球菌やニキビの原因となるアクネ菌にも効果があるそうです。
べたつかず、スッとお肌になじむ使用感も人気です。
冬は固まりますが、お肌にのせるとスーッと溶けていきます。
天然のビタミンEも含み、太陽の紫外線の約20%をブロックするという実験結果もあり、まさに万能美容オイルとして使えそうです。
ココナッツオイルをクレンジングに利用されるという方も多いようです。
方法は簡単、ココナッツオイルを手に取り、軽くなじませてお湯で流し、通常の洗顔を行うだけです。
「つっぱらない、乾燥しづらい」「甘い香りに癒される」など嬉しいポイントはたくさんありますが、酸化しづらいというのも嬉しい
ところ。
酸化したオイルはお肌にもよくないので、普段あまりお化粧をされない・クレンジングもたまにしかしないという方には長期間保存
しても酸化しづらいココナッツオイルが特におすすめです。
ココナッツオイルは、インドでは昔から髪のお手入れに使われてきたそうです。
傷んだ髪を修復したり、ドライヘアのケア、しなやかで強い髪にするために効果があるのだとか。
ココナッツオイルに含まれる脂肪酸には、脂肪燃焼を促進し、素早くエネルギーになるという特徴があります。
ある研究では1日あたり15?30グラムの中鎖脂肪酸が24時間のエネルギー消費を5%増加させるという報告も。
実際に体脂肪が減ったという実験結果もあり、脂肪減少効果が期待されています。
ただし、いくらダイエットにいいといっても、ココナッツオイルも油であるということには変わりありません。
カロリーは他の油と同様、1gあたり9kcal。大さじ1杯ほどで100kcalになります。
普段の食事にプラスして摂るのではなく、「他の油と置き換える」のがおすすめです。
コーヒーにココナッツオイルを入れてブレンダーで乳化させる「ココナッツオイルコーヒー」がおいしいと話題ですが、ダイエットの
ことを考えるのであれば「バターの代わりに」パンに塗る、「植物油の代わりに」炒め物に使うなどといった方法で普段の生活に取り
入れていきましょう。
副作用というわけではありませんが、ココナッツオイルは、食べ過ぎると便がゆるくなったり、胃が熱い感じになったりすることも
あるそうです。
また、肝臓で処理されるので肝臓の機能が低下している人、肝臓に疾患がある人には適しません。気になる方はかかりつけの医師に
相談してください。
ココナッツオイルの成分の大半は飽和脂肪酸ですが、「飽和脂肪酸はコレステロールの値を上げるので血管や心疾患に悪影響がある」
という説があります。
その点についてはどうなのでしょうか?
肉類に多く含まれる飽和脂肪酸は「コレステロールを増やす」と思われていますが、近年では研究が進み、飽和脂肪酸の中にも
ステアリン酸など善玉コレステロールの働きを促進し、悪玉コレステロールを減らすものが見つかっています。
特に中鎖脂肪酸の多いココナッツオイルは、通常の飽和脂肪酸と異なり、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす
という研究結果もあるようです。
ココナッツオイルからエネルギーの60%を摂取するという地域の住民には心疾患が少ないという調査もあり、飽和脂肪酸摂取が有害な
効果と直接的に結びつくのかどうかについては疑問が残ります。
ココナッツオイルとコレステロールの関係については、実験結果が少なく、まだ結論が出せる状況ではないようです。
もちろん多くの油と同様、食べ過ぎは健康によくありませんので、「健康にいいから」と食べ過ぎないように注意しましょう。
リノール酸 44%
オレイン酸 40%
その他 16%
αリノレン酸 0%
一般的にごま油とは、白ごまを焙煎して油分を搾ったものを言います。
琥珀色をしており、香ばしい特有の香りがあります。
一般的なごま油以外にも、無色のものや濃い色のもの、香りのないものもありますが日本でも古くから油脂原料とされてきた、
日本人には馴染みの深い油です。
リノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸が多く含まれ、コレステロール値を下げ血管を強くしてくれる効果があります。
またセサミンやセレンの抗酸化作用により、活性酸素からのダメージから細胞を守る効果があります。
ごま油は他の食用油と比べ、酸化しにくいという特徴がありますので、賞味期限によりますが、未開なら約2年ほど保存ができます。
開封した場合には空気や光により酸化が進行するので、冷蔵庫に入れる必要はありませんが高温多湿を避け光の当たらない冷暗所で
保存し、酸化しないようしっかりとフタをしめましょう。
オレイン酸には、善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があります。
コレステロール値を抑えて、生活習慣病の予防に繋がります。
食生活の乱れやストレスによる悪玉コレステロールの増加や加齢によって、 血管が徐々にもろくなったり、詰まったりしてしまいます。
すると、酸素や栄養素を体の隅々まで届ける役割を充分に果たせなくなり、
ごま油の成分は血液もサラサラにしてくれるので、動脈硬化・心筋梗塞の予防などさまざまな生活習慣病の対策に良いとされます。
活性酸素による細胞へのダメージは、がんや生活習慣病の大きな原因となりますがオレイン酸には抗酸化作用があり、活性酸素の
攻撃を抑制してくれます。
そのため、若返り効果や、がんや生活習慣病を予防する働きが有ると言えます。
健康の要である血管の細胞もまた油でできているので、全身をめぐる血管の老化をストップし、若々しさをキープするためには、
油に溶ける「抗酸化物質」が必要となってきます。
腸を刺激して蠕動運動を活発にしてくれるので、排便が促されるという効果が有ります。
お通じが良くなったり、潤滑油の役割を果たして腸内での便の通りが良くなります。
また硬い便も柔らかくなり出しやすくしてくれ便秘の解消に繋がります。
抗酸化作用により活性酸素の攻撃を抑制するため、老化防止や若返り効果が期待できます。
皮膚を柔軟にする効果でシワの予防になり、保湿成分も多いため美肌効果にも繋がります。
リノール酸 35%
オレイン酸 43%
その他 20%
αリノレン酸 2%
最近注目を集めている「こめ油」。普通のサラダ油とどう違うのかご存知ですか?
まず原料ですが、サラダ油は原料の規定がないので、大豆油もコーン油も紅花油も全てサラダ油と分類されます。
一方の米油は、JAS規格では「こめ油」が正式名称で、原料は国産米と定められています。
玄米を精米したときに出る米ぬかから抽出されるため、「米油」「米ぬか油」「玄米油」などと呼ばれますが、全て同じ「こめ油」
です。
ただし「ライスオイル」と英語表示の場合は、国産以外の米を使っている場合もあります。
@細胞の健康維持を助ける “ビタミンE”→抗酸化作用により細胞の健康維持を助ける
AビタミンEの数十倍の抗酸化作用を持つ “トコトリエノール(スーパービタミンE)”→ビタミンEの数十倍の抗酸化作用がある成分
B油の食物繊維 “植物ステロール”→油の食物繊維ともいわれ、コレステロールの低下に役立つといわれる成分
Cこめ油特有の栄養成分 “γ−オリザノール”→抗酸化作用のあるお米特有の成分
こめ油は、油の食物繊維といわれる植物ステロールを他の食用油より多く含みます。
植物ステロールは、悪玉コレステロールの吸収を抑える効果があると言われています。
脂肪酸バランスが良い 血中コレステロールを低下させるためには、オメガ6系のリノール酸とオメガ9系のオレイン酸の含まれる
バランスが重要と言われています。
※リノール酸:コレステロールを低下させるが、善玉コレステロールも低下させてしまう脂肪酸
オレイン酸:悪玉コレステロールを低下させる脂肪酸
多くの他の植物油は、オレイン酸があまり含まれていないですが、こめ油は脂肪酸のバランスが理想的なため、体に悪いと言われる
悪玉コレステロールを集中的に低下させるため、コレステロールが気になる方に嬉しい油と言えます。
こめ油は天然の抗酸化成分であるビタミンE、トコトリエノール、γ−オリザノールを多く含み、不飽和脂肪酸の中でも酸化されやすい
リノレン酸の含量が少ないため、酸化に強い油です。
油が酸化すると過酸化物質が発生するため、酸化した油を摂取すると体内で活性酸素が発生し、細胞機能の低下や老化、動脈硬化、
肌荒れなど、あらゆる悪影響を及ぼすと言われています。
こめ油で揚げた揚げ物は胃もたれしにくいという声も多く、これも過酸化物質の発生量が関係していると考えられます。
油は調理の脇役として日常的に摂取するもの。
酸化しにくいこめ油を日々炒め物や揚げ物に使うことは、体を健康に導いてくれると言えるかもしれません。
こめ油は酸化に強く、油酔い物質(アクロレイン)の発生が他の油の比較して少ないのが特徴です。
揚げ物をすると部屋中に油のニオイが立ちこめて、気分が悪くなったり食欲がなくなったりする「油酔い」と言われる状態になります。
これは加熱による油酔い物質(アクロレイン)の発生が原因。
こめ油はこのアクロレインの発生が他の食用油に比べて少なく、青臭いにおい(プロパナール)の発生量も少ないので、快適に調理が
でき、部屋にイヤなニオイが充満したりすることがありません。
他の食用油に比べてべたつきが少なく、サラサラしているこめ油。
揚げ物をしている際に出る、鍋にこびりつくカスが少ないのも特徴です。
だから、調理後の揚げ鍋や食べた後の食器洗いにも差が出ます。
「油がまとわりついていないから、洗い物がラクで助かる」「コンロのお掃除が楽になった」というお声を多くの方からいただいて
います。
こめ油は油切れがよいので、天ぷらやフライがカラッと揚がります。
揚げ物の素材の水分によって泡立ちが発生し、泡が激しいと揚げムラができたり油っぽくなりがちですが、こめ油は脂肪酸のバランス
が良く、食用油の中でも泡立ちが少ないことが確認されています。そのため、食べたときのサクッと感も違います。
こめ油は、クセや独特なニオイがなく、優しい風味が特徴です。 そのため、そのままかけても炒めても揚げても、素材の味を
ひきたてます。
多くの料亭やレストランでも選ばれています。
こめ油は時間が経っても酸化しにくく、イヤなニオイが発生しづらいため、美味しさが長続きします。
こめ油には、アンチエイジング、美肌効果のある成分がたっぷり含まれています。
こめ油には細胞の健康維持を助けるビタミンEが他の食用油よりも多く含まれます。
ビタミンEの数十倍の抗酸化作用を持つトコトリエノールが多く含まれ、シミやシワを防ぎ、アンチエイジングにつながります。
植物ステロールには、保湿効果があることが知られています。
こめ油特有の天然生理活性成分であるγ−オリザノールは、抗酸化作用に優れ、メラニンの生成を抑え、紫外線の吸収も抑える効果
を持ちます。
また、ホルモンバランスを整え、血の巡りを良くしてストレスからくる様々な病気を防ぐ効果があると言われています。
リノール酸 54%
オレイン酸 24%
その他 16%
αリノレン酸 7%
大豆油は名前の通り、大豆原産のナチュラルオイルです。
一般に「だいずゆ」と読まれます。
オリーブオイルやゴマ油と同じ植物油です。
日本ではそれほど流通している印象はないかもしれませんが、世界で作られている植物油の中ではパーム油に次いで生産量が2位。
日本でも植物油中の消費順位は3位。決してマイナーなオイルではありません。
生産量のわりにあまり見かけないのは、いろいろな商品に含まれているからです。
よく使われるサラダ油、マヨネーズ、ドレッシング、化粧品などにも使用されていて、私たちは知らないうちに大豆油を摂取して
いるのです。
機会があればそれらの成分表を見てみてください。
大豆油がどれほど使われているかわかるでしょう。
大豆油は薄い麦色。
味にはクセがなく、それで多くの食品に使われています。
なので、大豆油について知ることが、健康にとっていかに大事かおわかりでしょう。
大豆油にはいい面もあり、悪い面もあります。知らないうちに食べているものだからこそ、注意をしないとならないのです。
大豆油のカロリーは100gあたり920kcal。
大さじ一杯で111kcalの換算です。
タンパク質、炭水化物は0で、ダイエットに利用する人もいます。
腹持ちはそれほど期待できません。
大豆油の栄養素で目立つのが脂質の多さ。
このせいで、摂りすぎると危険ともいわれており、摂取の仕方も考えないといけません。
大豆油の栄養素はほとんど脂質です。
100g中に飽和脂肪14.4g、多価不飽和脂肪57.9g、一価不飽和脂肪23.3gと、他の栄養素に比べて圧倒的に多くなっています。
大豆油大さじ一杯のカロリーを消費する目安は、ジョギングで25分、ウォーキングで42分です。
ビタミンK、ビタミンEが豊富なのも大豆油の特徴です。
ビタミンKは骨のカルシウムの量を保つ栄養素で、骨折、骨粗しょう症の予防に繋がります。
ビタミンEの効果は血行の促進。
血管が詰まって起こる
大豆油でアレルギー症状を起こすことは、ほとんどないといえます。
大豆タンパク質が、大豆油を精製する際にわずかしか残されないため、アレルゲンとして湿疹などを誘発するだけの量がなくなって
いるのです。
しかし、大豆油でアレルギー症状を引き起こす人がいないわけではありません。
大豆アレルギーの人は注意が必要になります。
大豆油でアレルギー症状が起こる理由ははっきりしていません。
精製に使う乳化剤に大豆抗原が混ざっている可能性も指摘されますが、現時点では「大豆油でアレルギーが起こることは低い」という
のが定説です。
危険とまではいえないということです。
安く、悪質な大豆油を利用したものが、アレルギーを引き起こしやすい傾向があるようです。
大豆油に限らず、すべての植物原産オイルに多く含まれているのがオレイン酸です。
脂肪酸の一種ですが、善玉コレステロールを減らさずに、悪玉コレステロールだけを減らす効果があります。
貧血の他、脂肪の酸化を抑えることで癌、
リノール酸も大豆油に含まれている栄養素のひとつ。
肉食系、乳製品や加工食品の好きな人には特に効果的のものです。
リノール酸は体内で作り出すことができない必須脂肪酸ですから、適量をしっかり摂ってください。
女性に嬉しい効果、アンチエイジングも大豆油は期待できます。
これは細胞膜を作る大豆レシチンが含まれているためで、肌の張りをよくし、シミ・シワもできにくくしてくれるのです。
これもリノール酸と同じ必須脂肪酸で、
オリーブオイルなどはそのまま飲んだりすることもありますが、大豆油の場合は普段使用している油に代えて摂取することになります。
大豆油は風味が強く、サラダ油の代わりに唐揚げなどの揚げ物に使うとコクのある味わいになるでしょう。
また、野菜炒めなども大豆油で炒めると脂っこさが少なく、さっぱりとした出来になります。
悪玉コレステロールを減らすリノール酸はメリットの部分でした。
でも、リノール酸は摂りすぎると、善玉コレステロールまで減らすことがわかっています。
なので、量のコントロールが重要なのですが、大豆油はいろいろな食品に含まれていて、摂取量が把握しにくいところがあります。
これは油分の含むものは食べ過ぎないという習慣を身につけることで、大量摂取を防ぐようにするしかありません。
大豆油は脂肪酸が多い。
これも大豆油が健康に悪いという理由に挙げられます。
脂肪酸はご存知のように、肥満やメタボの原因とされています。
これもやはり、摂り過ぎないことが肝心。
脂肪酸自体はエネルギーになるなど必要なものですから、すべて有害と思うのは誤解なのです。
リノール酸 20%
オレイン酸 64%
その他 8%
αリノレン酸 8%
「菜種」とは、アブラナ(菜の花)の種子のことで、アブラナの別名でもあります。
菜種油は、このアブラナの種子を使って作られます。
古来より油を採るための植物として、また野菜として栽培されてきました。
日本では葉物の野菜として食べられ、江戸時代には行燈用や食用の油を採るために菜種が広く栽培されるようになりました。
日本で最も古い油脂原料とも言われる、日本人には馴染みの深い油です。
菜種油には、植物油の主成分である脂肪酸のひとつ、オレイン酸が多く含まれています。
オレイン酸には、善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があると
いわれています。
活性酸素による細胞へのダメージは、がんや生活習慣病の大きな原因となります。
なたねに多く含まれるオレイン酸には抗酸化作用があり、活性酸素の攻撃を抑制してくれます。
そのため、若返り効果や、がんや生活習慣病を予防する働きが有ると言えます。
活性酸素はストレスによっても増えますが、抗酸化作用で守ってくれます。
オレイン酸には、善玉コレステロールは減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があります。
コレステロール値を抑えて、生活習慣病の予防に繋がります。
食生活の乱れやストレスによる悪玉コレステロールの増加や加齢によって、血管が徐々にもろくなったり、詰まったりしてしまいます。
すると、酸素や栄養素を体の隅々まで届ける役割を充分に果たせなくなり、
悪玉コレステロールの発生には、活性酸素も深く関わっています。
菜種油の成分は血液をサラサラにしてくれるので、動脈硬化・心筋梗塞の予防などさまざまな生活習慣病の対策に良いとされます。
健康の要である血管の細胞もまた油でできているので、全身をめぐる血管の老化をストップし、若々しさをキープするためには、
油に溶ける「抗酸化物質」が必要となってきます。
腸を刺激して蠕動運動を活発にしてくれるので、排便が促されるという効果が有ります。
お通じが良くなったり、潤滑油の役割を果たして腸内での便の通りが良くなります。
また硬い便も柔らかくなり出しやすくしてくれ便秘の解消に繋がります。
抗酸化作用により活性酸素の攻撃を抑制するため、老化防止や若返り効果が期待できます。
皮膚を柔軟にする効果でシワの予防になり、保湿成分も多いため美肌効果にも繋がります。
菜種油はオメガ9脂肪酸を豊富に含みます。
オメガ9脂肪酸はコレステロールを下げる働きが高く、オレイン酸を多く含む植物油に多いのが特徴です。
これは人が体内で合成できない必須脂肪酸で、食物から摂ることが重要です。
また、ビタミンK類など、健康維持に役立つ成分も多く含まれます。
アレルギー性疾患を改善し、
の予防に効果があると言われています。
骨にカルシウムを沈着させ、丈夫な骨を作る働きがあります。
骨折や骨粗しょう症の予防にも効果があります。
抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。
日本人の摂取するビタミンEの約30%は植物油から摂取していると言われます。
菜種油とは、主にセイヨウアブラナの種を搾って採れる油のことです。
東アジア圏では昔から菜種油が日常に使われており、日本国内の菜種自給率も100%でした。
とても一般的な油だったのです。
菜種油には「エルシン酸」「グルコシノレート」という成分が含まれます。
これらは過剰摂取すると体に悪影響を及ぼす危険性があるとされ、日常の食生活で油を多く摂取するアメリカでは、食用が禁止されて
いました。
そこで1970年代に、カナダの農業研究者によって品質改良が行われエルシン酸とグルコシノレートをほとんど含まない新品種の菜種
として 「キャノーラ種」が作られました。
キャノーラ油とは、このキャノーラ種から搾油された菜種油のことです。
エルシン酸やグルコシノレートは抑えられましたが、遺伝子組み換えをされた菜種を使用していることになります。
現在では研究開発が進み、日本国内でもエルシン酸を含まない品種が多く開発されています。
国内で栽培される菜種には、遺伝子組換え技術は使用されていませんので、原材料が国産の菜種油は安全だと言えるでしょう。
「アサカノナタネ」「キザキノナタネ」「ななしきぶ」などの品種が開発され、特にキザキノナタネを原材料にした油は風味が豊かで、
最上の菜種油と言われています。
かわしま屋で一番人気の「平出油屋の菜種油」の原材料は、この国産キザキノナタネを100%使用しています。
米油や菜種油などは健康に良いとされる油ですが、実は製造過程において、油を抽出する方法が二種類あります。
圧搾法専用の機械で潰して油を抽出する、昔ながらの製法。
化学溶剤での抽出法ヘキサン等の化学溶剤を使用して抽出する製法
本来、昔ながらの圧搾法は、採油するのに手間がかかるもので、しかも菜種に含まれる油を全て採ることができませんでした。
大手油脂メーカー等では、輸入された菜種の油をできるだけ無駄なく効率よく採油するために、「ヘキサン」という石油系の溶剤を
使用して菜種の99%もの油を抽出します。
製造過程において完全に取り除かれるため安全であるとされていますが、ヘキサンとはガソリンにも含まれている成分です。
人の皮膚や呼吸器などに刺激を与えたり、生殖機能や胎児にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
さらに、鼻を突くツンとした刺激臭がありますので、食用にするには脱臭をしなければなりません。
その脱臭作業のためには油を200℃以上の高温に加熱する必要があるのですが、その際、人体に有害な「トランス脂肪酸」が発生して
しまうのです。
トランス脂肪酸とは植物油に水素を加えた時に発生する副産物の油の成分で、市販のマーガリンやパン・ケーキ等にも使われる
ショートニングに多く含まれています。
がんや動脈硬化の原因のもなりうる、人体に悪影響を与える物質だということが既に認められており、日本では規制されていませんが、
摂取量を規制している国もあります。
スーパーなどで一般的に安価で売られているものは、コストを抑えて大量生産するために後者の化学溶剤を使った製法の油が
ほとんどです。
もちろん商品になる際は化学溶剤は除かれ安全性のチェックもされているはずですが、油本来の健康効果をそのまま摂れるのは、
圧搾法で手間をかけて作られた製品です。
圧搾法の米油は溶剤で抽出した米油よりも天然成分のビタミンや抗酸化物質が多く残り、健康効果はより高くなります。
●国内で栽培された品種の菜種を使っている=遺伝子組み換えされていない原材料を使っている
●昔ながらの搾り製法を採用している=搾油において石油系化学溶剤を使用していない
国産の菜種を原料とし、国内での圧搾製法で作られた菜種油、というものが安心してお使いいただける菜種ということになります。
昔ながらの製法を守って、圧搾し、手間をかけてでも安全な油を作られているメーカーさんのものであれば、薬品処理をされていない
ので安全です。
日々の食生活に欠かせない油ですから、健康のために安全なものを選んで使いたいものです。
リノール酸 10%
オレイン酸 39%
その他 51%
αリノレン酸 0%
パーム油は、『アブラヤシ』の実から採れる油です。
ヤシと言えばココナッツを連想しがちで紛らわしいのですが、同じヤシの木でもココヤシとは種類が違います。
アブラヤシは『ヤシの実洗剤』の原料でもあり、食用だけでなく洗剤や化粧品にも使用されています。
日本で使用されているパーム油のほとんどは、マレーシアとインドネシアから来ています。
近年、健康問題の観点から油が注目を浴びています。
アメリカでは
日本でも話題を呼びました。
一方で、トランス脂肪酸フリーとされるココナッツオイルが人気を集めています。
いずれにしても、トランス脂肪酸が悪者になったことをキッカケとして、油を知って選ぶ時代に入ったと言えるのではないでしょうか。
トランス脂肪酸に限らず、何の油が含まれるか分からない食品というのは、怖いものです。
そしてそんな食品に限って、いかにも体に悪そうなものが多いのもまた事実です。
例えば、ポテトチップス、ファストフード、カップラーメンはそんな食品の代表ではないでしょうか?
実は、この3つの食品には共通の油が使われています。それは何だか分かりますか?
正解はパーム油です!!
パーム油は、ポテトチップスやカップラーメン、フライドポテトを揚げるのによく使われています。
しかしパッケージには『植物油脂』としか表示されていないのです。
ここでは、私たちの身近な食品に隠れて入っているパーム油の秘密をお伝えしていきます。
食用の植物油としては日本では菜種油、パーム油、大豆油が最も多く消費されており、2013年の消費量ではパーム油は堂々の
2位です。
名前は馴染みが薄くても、実は多くの身近なお菓子や食品に入っているのです。
スーパーやコンビニに行けば、多くのパーム油を使った食品が並んでいます。
日本人は一年間に平均4kgものパーム油を食べているとされています。
しかし、日本人が大量摂取のパーム油は超危険!
パン、菓子、カップ麺・・・発がんや
パーム油がここまで沢山使われているのには、ワケがあります。
それは、『固めても溶かしても使える万能な油』だからです。
固めて固体にして、マーガリン、チョコレート、アイスクリームなどに入れると、口どけなめらかな食感になります。
溶かして液体にした場合は、ポテトチップス、カップラーメン、フライドポテトの揚げ油として使われます。
揚げ油にするメリットは、酸化しにくく、サクッと仕上がるという特徴にあります。
このような理由から、食品メーカーにとって、パーム油はとても使いやすい油なのです。
パーム油を生産するアブラヤシ農園は、熱帯の森林を切り開いて作られます。
世界中で大変な勢いでパーム油を消費している結果、森林が驚異的なスピードで消え続けています。
インドネシアとマレーシアでは、過去20年の間にアブラヤシ農園を作るために約360万ヘクタールもの森林が伐採されました。
これは、九州の全面積に匹敵する広大な森林です。
マレーシアのサラワク州という地域にいたっては、原生林の面積が残り5%を下回ってしまいました。
森林が消えてしまえば、そこに住む動物たちも住みかをなくしてしまいます。
ボルネオ島のオランウータンの生息数は、過去100年間で90%減少してしまいました。
スマトラ島でも同様にゾウ、オランウータン、トラなどの動物が住みかをなくしてしまいました。
森林から追い出されているのは、動物たちだけではありません。
農園を作るために切り拓かれる森林では、先住民など多くの人々が森林を利用して暮らしています。
しかし、農園を広げるためにそうした人々が強制的に住む場所を追われるという事件が後を断ちません。
インドネシアでは土地紛争が663件発生しています。(2010年時点での現地NGO情報)
しかも、強制立ち退きの賠償金が人々に支払われることは無く、もと暮らしていた土地に新しくできたアブラヤシ農園で過酷な
労働をして暮らしを立てなければならなくなるケースが増えています。
強制労働や児童労働という深刻な人権問題も起きています。
さらに、森林を切り拓いてしまうと乾燥して、火事が起こりやすくなります。
マレーシアやインドネシアには泥炭湿地(でいたんしっち)という、倒れた木などが水中に埋まったままの湿地が多く、そこが
乾いて火がつくと大火災になり、国中の空が煙で真っ白になってしまうほどです。
それは「煙害」といわれ、深刻な健康被害が出ています。
また、森林火災によって膨大な量の二酸化炭素が排出されるため、深刻化している地球規模の気候変動のさらに大きなリスクとしても
懸念されています。
しかしお店に並んだ時には、それは植物油脂と表示され、私たちの目に見えない存在になってしまいます。
どこにパーム油が含まれているのか、私たちには知るすべが無いのが現状なのです。
クセがないひまわり油は、なたね油や大豆油とならんで世界的に広く使われている油です。
マヨネーズやマーガリンの原料としても利用されています。
在来種から作る油はリノール酸の多いハイリノールタイプですが、現在は品種改良によって、オレイン酸を多く含むハイオレック
タイプが主流に。
またビタミンEも多く含まれています。
クセがなく軽やかで、どんな食材とも相性がよく、普段使いの炒め油としてはもちろん、生のままドレッシングにしたり、お菓子づくり
に使ったりと幅広く活用できます。
ハイオレイック
リノール酸 7%
オレイン酸 84%
その他 9%
αリノレン酸 0%
ハイリノール
リノール酸 60%
オレイン酸 29%
その他 11%
αリノレン酸 0%
ヒマワリ油は、ヒマワリの種子からとれる油です。
含有している脂肪酸の約70%がリノール酸だといわれており、このリノール酸にはコレステロール値を下げる効果があるとされて
います。
さらに抗酸化のビタミンとも呼ばれているビタミンEが豊富に含まれていることから料理や化粧品などに利用されています。
ひまわり油に多く含まれているオレイン酸は、コレステロールや中性脂肪の原因となる過酸化脂質に変化しにくい特徴を持っています。
日本家政学会誌に掲載された論文「高オレイン酸ひまわり油の血中脂質に及ぼす影響」では、ハイオレイック種ひまわり油を摂取した
モルモットに血中総コレステロールの低下がみられたと記されています。
他にも、論文「高度不飽和脂肪酸とオレイン酸の健康栄養機能」でも、オレイン酸を摂取することで悪玉コレステロールのみが
低下したことが海外のヒト実験で明らかになったと記載されています。
悪玉コレステロールを抑えることで、
・中性脂肪の蓄積が抑えられる
・心疾患のリスクが軽減できる
・
といったメリットがあります。
ひまわり油に豊富に含まれているビタミンEは、強い抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用とは、日常生活の中で体に蓄積されてしまう活性酸素の働きを抑えること。
東京大学工学部反応化学科が発表している「ビタミンEの抗酸化作用に関する反応論的研究」という論文には、ビタミンEだけが
赤血球やリポタンパク質の脂質層中で進行する酸化を止められると示唆しており、ビタミンEならではの抗酸化作用を評価して
います。
抗酸化作用の持つビタミンEを取り入れることで活性酸素の働きを抑制し、
・動脈硬化の予防
・老化や免疫力低下の予防
などがにつながります。
近年耳にする機会が増えたトランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の一種です。
植物油を精製する際、温度変化による油の凝固や劣化を防ぐ目的や臭いや不純物を取り除く目的で、一度油を高温で熱することが
あります。
このときに、不飽和脂肪酸のシス型炭素がトランス脂肪酸に変化しトランス脂肪酸が発生する可能性があります。
農林水産省が公表している「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」では、トランス脂肪酸を過剰摂取をすることで冠動脈性心疾患
リスクが増加することを指摘。
世界保健機関(WHO)でも摂取の低減を促しており、現在日本ではトランス脂肪酸の摂取量を1日の総エネルギー摂取量の
1%未満とする目標値を設定しています。
農機機構の見解や農林水産省の「食品中のトランス脂肪酸の低減」によると、加熱温度や時間を管理することでトランス脂肪酸の
発生を抑えられるという意見も。
しかし、植物油ごとの生成量や厳密な温度を数値化し確実にリスクを避けることは現段階では難しいとされています。
「ひまわり油は危険」と言われる理由を紐解いていくと、未だ「リノール酸が豊富に含まれている」ことを指摘しているケースが見受け
られます。
先ほど説明したようにひまわり油は現在ハイオレイック種が主流ですが、それ以前はハイリノール種が主流だったため、リノール酸の
過剰摂取につながる可能性がありました。
しかし、現在はハイオレイック種が主流となっているので、ハイオレイック種を選択すれば危険性を回避することが可能です。
農林水産省が発表している「食用植物油脂品質表示基準」では、ハイオレイック種を原材料をしている場合、原料油脂の
名称部分に記載することが可能だと記載されており、購入時に選びやすくなっています。
ひまわり油などの植物油は、農林水産省が規定している「JAS規格」に従い種類分けや品質管理をしています。
JAS規格では「精製ひまわり油」と「ひまわりサラダ油」の2つに分類しており、それぞれの基準をクリアした油だけがこの名称を
使えます。
「サラダ油」は「高度精製油」を指すJAS規格独自の名称で、通常の精製方法より不純物や色、臭いを取り除いているところが
特徴です。
2016年に農林水産省が告示した「食用植物油脂の日本農林規格」では「精製ひまわり油」と「ひまわりサラダ油」では、下記のような
違いがあります。
先ほどから説明しているように、ひまわり油の原材料である種子は脂肪酸組成の違いにより「ハイリノール種」「ハイオレイック種」
「ミドルオレイック種」に分かれています。
かつてひまわり油の脂肪酸組成は登熟期の温度で左右されると言われ、低温環境では高リノール酸、高温環境では高オレイン酸の種子が
採れることが通説だったため、産地選びが重要でした。
1980年代に入るとひまわり種子の品種改良が進み、気候に左右されるとがないオレイン酸を多く含む「ハイオレイック種」が
栽培できるように。
ハイオレイック種が登場するまではハイリノール種が主流でしたが、名古屋市立大学看護学部の論文「植物油(リノー ル酸)の摂り
過ぎに対する警告」にも記載されているように、リノール酸にはアレルギー悪化や血管性疾患の促進など健康リスクがあることが
分かってきています。
そこで現在市場に出回っているひまわり油は健康面も配慮し、ハイオレイック種が主流となっています。
ハイオレイック種の基準は農林水産省の「食用植物油脂の日本農林規格」で、オレイン酸を75%以上含むよう定められていると
ころが特徴です。
ちなみに、ハイリノールとハイオレイック種の中間に当たるものを「ミッドオレイック種」と呼んでいますが、ミッドオレイック種の
基準は今のところ設けられていません。
ハイオレイック種の見分け方は、原料油脂の名称部分をチェックすること。
任意表示なので必ずしも記載されているとは限りませんが、食用植物油脂の表示事項をチェックし種子の種類を知ることで、より
健康に配慮して使えるようになります。
JAS規格とは、農林水産省が制定する成分や性能等の品質を保証する規格です。
植物油においても厳格な基準が設けられており原材料の品質や製造方法はもちろんのこと栄養価や風味まで細かくチェックされます。
第三者機関における厳しい審査を通過しないと上記のJASマークが与えられないため、JASマーク表示があることで味の安定性や
しっかりとした製造管理が行われていると考えていいでしょう。
リノール酸 14%
オレイン酸 78%
その他 8%
αリノレン酸 0%
名前のごとく紅花の種子から作られている種子油の一つです。
今、この紅花油(サフラワー油)が人体に危険な油!と言われているのをご存知ですか?
一体なにが危険なのか、紅花油(サフラワー油)の成分を見ながら見ていきましょう。
ベニバナの種子から作られる紅花油。
サフラワー油とも呼ばれています。
植物油が危険な油!だと騒がれている中で、紅花油(サフラワー油)も同じ危険性がある不安な油だと言われています。
まずは紅花油(サフラワー油)の成分をみて順々に紅花油がどのくらい危険な油なのか確認していきましょう。
キク科ベニバナ属のベニバナの種子から作られている紅花油。
カロリーは100g中921kcal、大さじ1杯(12g)111kcalです。
現在、紅花油は2種類のタイプがあります。
紅花油の脂肪酸の成分のリノール酸が80%という高リノール酸タイプのハイリノール、もう一つは脂肪酸の成分の70〜80%が
オレイン酸の高オレイン酸タイプのハイオレイックです。
これら2種類は日本農林規格(JAS規格)の食用植物油脂の品質に関する表示法で、
●ベニバナのハイリノレイック種の種子から採取した油は「ハイリノール」
●ハイオレイック種から採取した油は「ハイオレイック」
●併用した油は原材料が占める割合の多い順から「ハイリノール・ハイオレイック」
というように、名称の横に括弧付けで表記することができます。
しかしこれは任意で原則ではありません。
そのほか脂質以外に紅花油にはビタミンE、Kが含まれているのが成分の特徴です。
リノール酸の効用には、アレルギーの改善やアンチエイジング、コレステロールの減少、血圧や血糖値の降下作用、肌の保湿など、
健康にいい効果が期待されています。
体に必要な必須脂肪酸の一つであるリノール酸ですが、過剰摂取になると、悪玉コレステロールを増加させてしまうとか、中性脂肪
を増やし血液がドロドロになり動脈硬化や心筋梗塞の原因になるなど体に悪影響がでるといわれます。
以前はリノール酸の良い効果に期待がかけられリノール酸を豊富に含んだ紅花油が人気を呼びましたが、その後リノール酸の過剰
摂取が健康を害すると問題になりました。
もともとリノール酸は食品中にも豊富に含まれているので、リノール酸を80%ほど含有する紅花油は、それらの食品と一緒に使用
すると、どうしてもリノール酸の過剰摂取に繋がってしまう!
すなわち体に悪影響をきたすということで紅花油に対して危険の声が上がるようになりました。
その後、紅花油は品種改良されリノール酸を減らし、その代わりに活性酸素を押さえ抗酸化力の強いオレイン酸を豊富に含有した
タイプ「ハイオレイックタイプ」が生まれたのでした。
オレイン酸 約80%
リノール酸 約15%
αリノレン酸 約 7.5%
その他
オレイン酸を約80%含む紅花油の効果は、腸内環境と整え便秘の改善に効果が期待されています。
胃酸の分泌に優しく胃酸過多や胃潰瘍を防ぐと言われます。
そのほか血液をサラサラにし動脈硬化の防止にも期待がよせられています。
またオレイン酸からの効用だけではなく、紅花油の成分のビタミンEは冷え性やシミやシワなどの肌のアンチエイジングに効果的
だと言われます。
紅花油の危険性については、リノール酸の含有量の多さから過剰摂取が心配されて体に危険な油と心配されていました。
しかし紅花油の品質改良で商品名の横に括弧付けで「ハイオレイック」(任意での記載ですが)と記載されているものは
リノール酸の含有量が抑えられて、代わりに体にいい効果が期待されるオレイン酸の含有量の多い油と推移しています。
リノール酸の摂取量を控えたいのであれば、こちらの紅花油を購入すれば問題ないわけですが、まだもう一つ、紅花油に
危険を感じざる得ない問題があるのです。
それは紅花油の製造方法にありました。
紅花油の危険はリノール酸のほかにベニバナの種子から油を搾油する方法に危険が心配されます。
紅花油の製造法は原料のベニバナの種子に薬剤を使用して油を搾油する溶剤抽出法と、ベニバナの種子に圧力をかけて
搾油する圧搾法があります。
これらは種子のほとんどの油を抽出できるのですが、溶剤や熱によって、体に悪影響を及ぼすトランス脂肪酸を発生させる
と同時に、栄養素を破壊したり油が酸化してしまう危険があるのです。
トランス脂肪酸の発生を抑えて栄養素を破壊させないためには、溶剤を使わず、圧搾する時に発生する摩擦熱を60℃以下
にしてゆっくり圧搾して搾油する低温圧搾製法(コールドプレス)を利用することが推奨されています。
この方法で作られた油は危険性が少ないと言われます。
トランス脂肪酸の危険性は血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの増加につながり、動脈硬化や狭心症の原因となったり、
現在残念ながらトランス脂肪酸のメリットはあまり見つかっていません。
オレイン酸を豊富に含むように改良されている紅花油。
体内にから吸収する成分にも期待が高まりますが、直接肌に塗ることでも効果が期待できる油なんです。
オレイン酸は肌にもともと含まれている成分です。
ですからオレイン酸を含む紅花油を直接肌に塗ることで肌を保湿し乾燥を防ぐ効果が期待できます。
ベタつきのない油なので使用後もべたべたとした使用感はありません。
お風呂上りのボディーケアにも最適と言われます。
普段使っているスキンケアの化粧品に混ぜて乾燥肌の対策に利用してみてください。
紅花油が危険な油だといわれる理由は豊富に含まれているリノール酸の過剰摂取と製造過程で発生するトランス脂肪酸にある
ようです。
リノール酸の過剰摂取が問題になっている中、紅花油は品質改良を行いリノール酸の代わりにオレイン酸を多く含んだ
ハイオレイックタイプの紅花油が登場しました。
リノール酸もバランスよく食生活に摂取できるのであれば決して悪い油ではありませんが、使う食品との兼ね合いでリノール酸が
過剰摂取になってしまうようなら、紅花油を購入する時に商品名に横に記載されている「ハイオレイック」という表示を気にかけ
て購入するとよいですね。
どんな方法で製造されているのかも調べてからご購入されることもおすすめします。
リノール酸 31%
オレイン酸 47%
その他 22%
αリノレン酸 0%
ピーナッツオイルはその名の通り、ピーナッツ(落花生)を搾油して得られる食用油です。
落花生は南米原産ですが、今や世界中で栽培されているとても身近な食べ物です。
落花生には油分が40〜50%も含まれており、落花生を圧搾することでピーナッツオイルをつくることができます。
このピーナッツオイルには落花生特有の香りがあり、中華料理や中華菓子には欠かせない油といえます。
ピーナッツオイルは手に入りやすく、比較的安価であるため、普段の調理に使いやすい油の1つです。
日本ではサラダ油の原料としても使われており、高温に強いという特徴があるので、揚げ物や炒め物に活用できます。
また、マーガリンやピーナッツバターなどの加工食品にも使われています。
ピーナッツオイルに含まれる脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸が全体の80%程度を占めており、理想的なバランスの食用油で
あると言えます。
内訳としては、オレイン酸が一番多く、次いでリノール酸が挙げられます。
パルミチン酸やステアリン酸も含まれています。
ピーナッツオイルが落花生由来ということもあり、ビタミンEが豊富に含まれているのも特徴です。
ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素の発生を抑え、美容や老化防止に役立つと考えられています。
ピーナッツオイルは発煙温度が約230℃と高く、熱に非常に強いという特徴があります。
加熱しても栄養が壊れにくいため、炒め物や揚げ物などの加熱調理に最適です。
もちろん、ドレッシングや和え物に使うなど、生食用としてもおすすめです。
ピーナッツオイルはナッツ特有の香ばしい香りが特徴であるため、料理に使うことで香りとコクを与えることができます。
加熱しすぎるとせっかくの香りが飛んでしまうので、香りを楽しみたい場合は料理の仕上げとして回しかけると効果的です。
また、ピーナッツオイル単体で使用するのではなく、コーン油やこめ油、綿実油などとブレンドして調理に使ったりする
こともできます。
香りを楽しみたい場合は、同じナッツ油であるクルミ油やヘーゼルナッツ油とブレンドするのもおすすめです。