ニンニク(蒜、大蒜、葫、忍辱、学名:Allium sativum)はヒガンバナ科ネギ属の多年草。
香りが強く、強壮・スタミナ増進作用があると信じられているため、球根(鱗茎)を香辛料などとして食用にするほか、茎も「ニン
ニクの芽」(トウ)と呼ばれて野菜として調理される。
かつてクロンキスト体系による分類ではユリ科に属していた。
日本ではニンニクやノビル(野蒜)など鱗茎を食用とする臭いの強い(ネギ属の)植物を総称して蒜(ひる)と呼び、特にノビルと
区別する場合にはオオヒル(大蒜)とも称した。
漢方薬の生薬名は大蒜(たいさん)。
語源は、困難を耐え忍ぶという意味の仏教用語の「忍辱」とされる。
5月頃に白い小さな花を咲かせるが、栽培時には鱗茎を太らせるために花芽は摘み取る。
摘み取った茎は柔らかい物であれば野菜として利用される。
一般的に見かけるニンニクは分球ニンニクがほとんどであるが、一片種と呼ばれる中国のプチニンニクなどの品種もある。
ジャンボニンニクあるいは無臭ニンニクと呼ばれるものはニンニクとは別種であり、リーキ(ポロネギ)の1変種である。
肉の臭みを消し、料理に食欲をそそる香味を付与する。
香味野菜の代名詞的存在であり、中国料理、韓国料理、イタリア料理、フランス料理など様々な料理に用いられる。
古代日本では上記の通り禁葷食となったほか、肉や油を摂る習慣のなかった当時は食材としては刺激が強すぎるため、薬や強壮剤
として用いることが主だったとされる。
江戸時代に入り徐々に食材として用いられるようになり、料理書『料理物語』にはたぬき汁や鹿汁の添え物として、『江戸料理集』
には鳥肉汁の薬味やタニシの和え物として使われた記述がある。
近代に入り栄養面の研究が進むも、食後の口臭や体臭が忌避され続けたため食材としては長らく活用されなかったが、第二次世界
大戦後の食の西洋化・多様化により需要が高まった。
和食と各国の食文化が融合した現代の日本料理では、他の食材を併せて調理されるほか、味噌漬けや醤油漬け等にされる。
また、日本式餃子の具としても多く使用され、他にも香辛料として焼肉のタレ、鰹のタタキの薬味に使用する事も多い。
さらにラーメンの具やトッピングとしてもポピュラーであるほか皮付きのまま丸ごと揚げたり焼いたりして提供されることもある。
高知県の一部地域では葉ニンニクも使われている。
中華料理・イタリア料理などでは、調理油でまず最初にニンニクのみじん切りを炒め、油に香りを移す調理法が多用される。
油が冷たいうちにニンニクを入れ、弱火で炒めるのがコツである。
火を強くするとすぐに黒く焦げて、苦く、又焦げ臭くなる。
中華料理では、球根のみならず葉(葉ニンニク)や茎(いわゆる「ニンニクの芽」)も香味野菜として利用される。
皮をむいたニンニクの球根を乾燥させ、粉末状にした「ガーリックパウダー」もある。
乾燥させることで生よりも臭気を抑えられることもあり、ガーリックトーストをはじめとする各種料理に用いられている。
ガーリックパウダーは吸湿性が高く、開封後は乾燥状態を保持できる環境で保管する必要がある。
逆に、わざと少量の水分を加えて、摺り下ろしニンニク代わりに使う例もある。
サプリメントや健康食品にも加工される。
ニンニクを高温多湿な環境で1ヶ月ほど熟成させると一部の成分が変化し黒く変色した「黒ニンニク」になる。
青森県で2004年に商品化され、2010年代にはフランスなどヨーロッパで生産されたり、日本から輸入されたりしている。
エムケー精工により家庭用の黒ニンニク加工機も開発されている。
ビタミンB1の効果を高めるアリシンを豊富に含む。
実験室レベルでは各種の薬理作用等が報告されており栄養ドリンクや健康食品にも使われているが、ヒトでの有効性について信頼でき
るデータは十分でない。
ビタミンB6の含有量が全食品の中で非常に多い部類に入る。
ビタミンB1を豊富に含む豚肉はニンニクと一緒に食べるとビタミンB1が吸収されやすくなると言われている。
ニンニク、ビタミンB1、関連製剤について次のような歴史が存在する。
1952年(昭和27年)3月8日に京都大学で衛生学を研究する藤原元典は、武田薬品工業研究部と提携して、ニンニクとビタミンB1が
反応するとニンニクの成分アリシンがB1(チアミン)に作用して「アリチアミン」ができると報告した。
そのアリチアミンは、体内でB1に戻り、さらに腸管からの吸収が極めて良く、血中B1濃度の上昇が顕著で長時間続く、という従来の
ビタミンB1製剤にはない特性があることを報告した。
また、武田薬品工業は、アリチアミンの製剤化に力を入れ(製品開発のきっかけは、旧陸軍から脚気の治療薬開発を依頼されたこと)、
1954年(昭和29年)3月、アリチアミンの誘導体であるプロスルチアミンの内服薬「アリナミン錠」が発売され、従来のビタミン
B1剤に見られない優れた効果を示した。
なお、「にんにく注射」や「にんにく点滴」と呼ばれる治療(保険適用外)を行う医療機関があるが、これらには名前に反してニンニク
は用いられず、成分は実施者により異なるがビタミンB1 を主成分とする注射液である。
その成分が摂取したときにニンニクから得られるビタミンに類似することから、あるいは含まれる成分のために投与後数分間ほどニン
ニクの悪臭に似た臭いを患者が感じることから名づけられた。
上記のようにアリシンはビタミンB1の吸収・保持を高め、加えてニンニクの無臭のスコルジニンには、強力な酸化還元作用がある。
民間伝承では体組織を若返らせ、新陳代謝を盛んにし、疲労回復に役立ち、強壮・強精作用を有するとされる。
その反面、強壮・強精作用と臭いがインド起源の仏教界で「煩悩をかきたて修行の妨げになる」として「葷酒(くんしゅ)山門に入る
を許さず」のように忌み嫌われた。
初期調査では、ニンニクの摂取が、いくつかの癌、特に消化器官系の癌のリスクを減少させる可能性が示唆されている。
結腸癌、直腸癌の予防の観点でリスク低下がほぼ確実とされている。
かつて、デザイナーフーズ計画で最も癌予防効果が高い食材であると位置づけられていた。
生のニンニクの強烈な香りと辛味は、刺激が強過ぎて胃壁などを痛める場合がある。
ニンニクの過剰な摂取は胃腸障害を含めた副作用を起こしうる。
調理などでニンニクアレルギーとなるケースがある。
キャベツ(古くはキャベジ、英語:Cabbage、Brassica oleracea var. capitata)、アブラナ科アブラナ属の多年草。
野菜として広く利用され、栽培上は一年生植物として扱われる。
キャベツという名前は英語名キャベジ(Cabbage: 頭上の野菜の意)が転訛して名付けられており、英名の語源は古いフランス
語のカボシュ(caboche: 頭でっかちの意)からきており、さらにはラテン語のカプト(caput: 頭の意)に由来する。
別名の甘藍(カンラン)は漢名の甘藍(g?nlan)から、玉菜(タマナは結球する性質に由来する。
フランス名は chou cabus、イタリア名は cavolo、中国名は巻心菜(けんしんさい)という。
野菜としてのキャベツは、生産される季節により玉が固くしまって中が白い「冬キャベツ」と、巻がゆるくて緑色が濃い「春キャ
ベツ」というように呼び分けも行われている。
西ヨーロッパの海岸の崖の上が原産といわれ、ヨーロッパでは古代ギリシア人の時代に薬用され、紀元前4世紀には保健食から野菜
として栽培された。
日本ではじめて野菜として栽培されたのは、明治4年の北海道開拓使だといわれている。
現在は世界各地で栽培されている。
冷涼な気候に適応した野菜で、気温5度まで下がっても生長し続け、15 - 20度でよく生育する。
小さい苗ならば、-12度まで気温が下がっても、一晩から二晩くらいまでならば耐えられる。
一年草、または二年草(越年草)。
春に十字型の淡黄色の花を咲かせる。
キャベツは結球(丸く玉になる性質)のイメージが強いが、結球する品種と、しないものがある。
また、同じ原種に由来するケール、カリフラワー、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ブロッコリーなどと同様に長い品種改良の
過程を経ているため、多くの品種がある。
ビタミンC、ビタミンUを豊富に含む。
生の場合、可食部100グラム (g) あたりのエネルギー量は23 kcal (96 kJ)で、水分含有量は92.7 gを占める。
栄養素は比率で炭水化物が5.2 gと最も多く、次いで蛋白質1.3 g、灰分0.5 g、脂質0.2 gと続く。
キャベツは淡色野菜の中では、カロテンやビタミンCを多く含む野菜で、ビタミンC含有量は季節変動の影響をあまり受けず、夏場の
ホウレンソウよりも多い。
ただし、キャベツのビタミンCは加熱すると半減してしまう欠点がある。
また、調理の過程で千切りにして水にさらした場合では、ビタミンCの減少率は約20%程度である。
キャベツ特有成分として、胃腸粘膜の新陳代謝を活発にするビタミン様成分とされるビタミンU(キャベジン)が知られている。
ビタミンUは熱に弱く、加熱調理をすると減少する。
部位によってビタミンの含有量に差があり、外側の緑色が濃い部分はカロテンを多く含み、中心の芯の方にはビタミンCを多く含ん
でいる。
キャベツの原種は、ブラッシカ・オレラセア(Brassica oleracea、和名:ヤセイカンラン)という野草で、これから
都合の良い性質を残して結球するキャベツが作られた。
この原種は、ブロッコリー、カリフラワー、ケール、芽キャベツなどと同じ起源植物とされ、もともとヨーロッパ西部や南部の海岸
地域原産の植物から生まれたものである。
世界最古の野菜のひとつといわれるキャベツは、古代よりイベリア人が利用していた原種がケルト人に伝わり、ヨーロッパ中に広
まったとされる。
紀元前6世紀にヨーロッパに侵入したケルト人が野生キャベツの栽培をはじめ当時は結球しないケールのような姿の野菜であった。
また野菜より薬草として用いられ、古代ギリシャや古代ローマでは胃腸の調子を整える健康食として食されていた。
アテネのエウデモスが書いた『牧場論』に最初のキャベツの記述が見られる。
初期の栽培品種にはブロッコリーのような茎があったが、ローマ時代に改良が進み、茎はなくなり大型化していった。
遺伝学や言語学の研究から、ブラッシカ・オレラセアを原種とするキャベツは、はじめギリシアとローマの庭師によって栽培が可能
になり、その後古代ローマ軍とともにヨーロッパ全土に広がり、イギリスに渡ったといわれる。
結球したキャベツに言及した最初の記録は、博物学者の大プリニウスのものとされ、西暦77年の『プリニウスの博物誌』のなかで、
キャベツを使った87種の薬をあげている。
その後、9世紀頃に野菜としての栽培が広まった。
現在日本で普及しているものは、12世紀から13世紀のイタリアで品種改良されたものが起源とみられる。
13世紀のイギリスでは、現在のような球結性のキャベツの記録が残されている。
13世紀から18世紀にかけて中世ヨーロッパでは、小作人など貧しい農民たちのあいだで自ら食べる分の食料として非課税対象であった
キャベツを含む野菜が重宝され、穀物畑のすき間の空き地や農民の自家菜園で栽培された。
18世紀のイギリスでは、冬場の穀物飼料の不足から耐寒性があるキャベツは家畜の餌に適していたため、冬期の飼料作物として広がり、
本格的に栽培されるようになっていた。
15世紀末にクリストファー・コロンブスによって新大陸が発見されてからは、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパからの入植者たち
の手によってキャベツ栽培が始められ、新世界全域に定着した。
18世紀にアメリカ合衆国へ渡ると、より肉厚で柔らかく改良が進んだ。
アメリカの先住民にとっても、交易をきっかけにキャベツ栽培が行われるようになった。
19世紀のヨーロッパの貧農民にとってキャベツは生活の糧として最後の頼みの綱といえる野菜であり続け、アメリカの多くの貧しい
労働者階級の家庭でもジャガイモと並んで毎日食卓に上がる安価でありふれた野菜であった。
19世紀末には、輸送手段が発達したことにより、遠隔地間のキャベツの売買が可能になった。
たとえばアメリカでは、夏は北部で生産したキャベツを南部に供給し、冬を越すころには南部産のキャベツが北部に送られた。
江戸時代前期にオランダ人によって長崎に伝来したが、主に観賞用に一部で栽培されたとみられている。
貝原益軒が1709年(宝永6年)に出版した『大和本草』にはオランダナ(紅夷菘)として「葉は大きくて艶がなく白っぽい。花は
ダイコンに似る。
3年で花が咲き、カブの仲間である」と紹介されている。
しかし食用として広まることはなく、むしろ観賞用としてハボタンを生むこととなった。
結球性のキャベツは幕末の1850年代に伝わり、明治にかけて横浜周辺の根岸、子安、生麦などで居留地の外国人向けとして栽培され
たが、一般の日本人が口にすることはなかった。
明治になると殖産興業の一環として栽培が奨励された
1870年(明治2年)農学者の津田仙が築地外国人居留地の居住者むけに種を取り寄せた。
1872年(明治4年)、北海道開拓使により札幌で試験栽培が行われ、北海道開拓使が発行した『西洋蔬菜栽培法』に「キャ
ベイジ」の名で記載された。
1874年(明治7年)内務省勧業寮が後の三田育種場で、欧米から取り寄せた種子で栽培試験を行ったのが、本格的な
生産の始まりとされる。
この後、増えた種子を日本各地42府県に配布と試作を依頼した。
多くの地で栽培に成功し1893年(明治26年)には外国人避暑客のために、長野県北佐久郡軽井沢町でも栽培が始まった。
また、1945年(昭和20年)頃まで、一般的に「かんらん(甘藍)」と呼ばれていた。
大正時代に品種改良が進められ、寒冷地に適することから、栽培は北海道のほか、東北地方や長野県で拡大した。
需要は洋食をとる人が限られた太平洋戦争前にはそれほど普及しなかった。
戦後、食料増産と食の洋風化が相まって生産量は急激に増加し、1980年代にはダイコンと並ぶ生産量となった。
薬用とする部位は茎葉で、甘藍(かんらん)と称する
胃や十二指腸などの潰瘍予防に、食事の副食にキャベツを積極的に取り入れるよいとされる。
食物繊維も豊富なことから、便通をよくする働きから便秘がちの人にも役立つ。
古代ギリシアの時代から健康食として薬用に利用されており、様々な機能調整をしてくれる薬菜であり、体質にあまり関係なく
万人に合い使用できる。
8世紀はじめの唐代に中国で書かれた『本草拾遺(ほんそうしゅうい)』には、「骨髄、筋骨に力をつけ、五臓六腑の機能を整え、
関節、耳、目の機能を調製し、胃のつかえを取る」とある。
葉はパルミチン酸、リノール酸、オレイン酸などの脂肪、ビタミンUなどを含んでいる。
ビタミンUは抗潰瘍性で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの粘膜のただれを再生する作用があることから、製薬メーカーから製剤
も市販されている。
キャベツの外側の葉にはビタミンKが多く含まれ、止血作用があり、骨粗鬆症の予防や肝機能を助ける働きがあるといわれている。
蔬菜類には結石の原因となるシュウ酸を含むものが多いといわれるが、キャベツには含まれない。
フランスの薬草療養家モーリス・メッセゲによれば、1975年に発表した薬草療法を紹介した著書で、リウマチ、痛風、腰痛、座骨
神経痛などの痛みで悩んでいる人に、キャベツの葉をとってすべすべになるまでアイロンがけして、身体の痛い患部に葉を巻き
付けて包帯かガーゼで軽く止め、1日数回新しいものと交換するようにすると、痛みを和らげるのに役立つとしている。
民間療法でも、腰痛や筋肉痛に大きめの葉を火であぶって2 - 3枚重ねて貼るとしている。
カンゾウ属(甘草属 Glycyrrhiza)は、地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカなどに自生するマメ科
の多年草で、18種が知られている。
薬用植物であり、根(一部の種類は根茎を含む)を乾燥させたものを生薬として用いる。
生薬の甘草はそのまま、またはエキスや粉末を甘味料として用いる。
甘味成分としては、グリチルリチン、ブドウ糖、ショ糖などが含まれる。醤油の甘味料として使われる。
独特の薬臭い香気があるため、甘味料としては使い方に注意する必要があるが、欧米ではリコリス菓子やルートビアと呼ばれるソフト
ドリンク、リキュールの原料として盛んに利用されている。
グリチルリチンの甘味は砂糖の50倍もあり低カロリーなため、欧米では甘草は健康的な食品添加物と認識されているが、偽アルドステ
ロン症などの副作用を生じる事がある。
甘草の栽培は日本では300年以上前から行なわれており、江戸時代には山梨県甲州市の甘草屋敷や江戸の小石川御薬園で栽培されて
いた。
現在は輸入品の方が安いため、ほぼ100%を中国・旧ソ連・アフガニスタンなどからの輸入に頼っているが、グリチルリチンの含有量が
一定でなく、乱獲による絶滅が懸念されているため、2008年度から佐賀県玄海町と九州大学の協力により再び国産栽培が試みられる
ことになった。
2010年10月28日、ゼネコンの鹿島建設は千葉大学、独立行政法人医薬基盤研究所との共同開発で水耕栽培による大量生産システムの
開発に成功したと発表した。
肥料の入った水で栽培すると根が太くなりにくいのが課題だったが、この栽培法では1年から1年半程度にまで短縮を実現した(甘草は
薬草として生育するまでに自然環境下では4年程度かかる)。
2010年12月5日、三菱樹脂が日本国内で初めて本格的な商業生産に着手する事を発表。
数年後には国内需要の全量を賄う規模まで拡大し、中国への輸出も検討するとしている。
2011年の東日本大震災の津波により被災した宮城県岩沼市の農地での甘草栽培が試みられており、同市の海水が浸水した農地で育てた
甘草は浸水していない土地で栽培したものよりも葉・地下茎共に成長が良くなることが報道された(これは、甘草が厳しい自然環境下
ほどよく育つためという)。
漢方薬に広範囲にわたって用いられる生薬であり、日本国内で発売されている漢方薬の約7割に用いられている。
漢方薬は一般的に複数の生薬をあらかじめ組み合わせた方剤をさすが、甘草湯(かんぞうとう)という甘草のみを用いた漢方では珍しい
単味の処方のものがある。
日本薬局法においては、ウラルカンゾウ(別名東北甘草、学名G. uralensis)またはスペインカンゾウ(別名西北甘草、リコリス、
学名G. glabra)の甘草が基原植物とされており、グリチルリチン(グリチルリチン酸)2.5%以上を含むと規定されている。
生薬として、漢方では緩和作用、止渇作用があるとされている。
各種の生薬を緩和・調和する目的で多数の漢方方剤に配合されている。
このため、漢方ではもっとも基本的な薬草の一つと考えられており、「国老」とも称された。
安中散、四君子湯、十全大補湯、人参湯など多数の漢方方剤に使われる。
また、甘草だけで甘草湯という処方もあり(漢方で生薬を単独で使うのはまれ)、喉の痛みや、咳を鎮める効果があるとされる。
グリチルリチンは肝機能障害、アレルギーに有効であるとされ、内服薬あるいは輸液に製剤化されている。
グリチルリチンを加水分解して得たグリチルレチンは、その消炎作用から目薬としても用いられている。
グリチルリチンやその他の甘草から得られる物質は消炎作用や美白の効果を持ち、医薬のみならず、化粧品や医薬部外品の原料と
しても重要である。
カンゾウはドイツのヴュルツブルク大学やWWFなどの審査によって「2012年の薬用植物」に選ばれた。
ヴュルツブルク大学の薬用植物学史の専門家Johannes Mayer教授は、「カンゾウは咳や喉の痛みを瞬時に和らげることができる特別な
植物である。
はるか昔古代ギリシャや古代エジプトから医者は咳や声がれ(嗄声、させい)やぜんそくの治療にカンゾウを用いてきた」と述べた。
かつて、デザイナーフーズ計画のピラミッドで1群に属しており、キャベツと共に、最上位に属するニンニクに次いで高い癌予防効果の
ある食材であると位置づけられていた。
主成分のグリチルリチンには低カリウム血症や血圧上昇、浮腫(偽性アルドステロン症)などの副作用が知られており、一時に多量に
用いてはならない。
大豆(学名 Glycine max,英:Soy beans)は、マメ科の一年草。
完熟種子は主に搾油の原料となり、脱脂後の絞り粕(大豆粕)は飼料として利用されている。
食用にもなり特に東アジアでは様々な利用形態が発達している。
未成熟の種子を枝豆と呼ぶ。
まずは良質なタンパク源であることです。
タンパク質が不足すると、体内にすでにあるタンパク質が分解されて使われるため、体力が落ちてしまいます。
また、血管が弱くなったり、子どもの場合は体の成長に影響を与えたりする可能性も考えられるでしょう。
毎日適度なタンパク質を摂取することは、健康を維持するうえでとても大切なことなのです。
タンパク質とあわせて注目したいのが、大豆の機能性成分です。
細胞の構成に欠かせない「大豆レシチン」や、抗酸化作用を持つ「大豆サポニン」、善玉菌のエサとなる「オリゴ糖」、女性にうれしい
働きが期待される「大豆イソフラボン」など、大豆には健康を支える成分が豊富に含まれています。
なかでも関心を集めているのが、大豆イソフラボンの健康作用です。
40歳を過ぎた女性では、女性ホルモンのエストロゲンが大きく減少してさまざまな不調が現れますが、大豆イソフラボンがそうした女性
の健康をサポートする可能性があると考えられています。
農作物として世界中で広く栽培されている。
日本には縄文時代に存在したと思われる大豆の出土例があり、『古事記』にも大豆の記録が記載されている。
ダイズ種子には苦み成分であるサポニン (Saponin) (ダイズサポニン)が多く含まれており、人類の主食にまではなっていないが、
植物の中では唯一肉に匹敵するだけのタンパク質を含有する特徴から、近年の世界的な健康志向の中で「ミラクルフード」として脚光
を浴びている。
日本・ドイツでは「畑の(牛)肉」、アメリカ合衆国では「大地の黄金」とも呼ばれている。
また、日本料理やその調味料の原材料として中心的役割を果たしている(後述)。
菜食主義や殺生を禁じた宗教においては植物性のタンパク源として利用され、精進料理においても重用された事で多くの加工食品が
生み出された。
加工食品の技術が上がるにつれて、肉を模した代替食品としても注目されている。
大豆種子はタンパク質・脂質および炭水化物を豊富に含んでおり、主にその脂質とタンパク質を食用および飼料用に利用するために
大規模に生産され利用されている。
ダイズ種子貯蔵タンパク質のアミノ酸残基組成において、含硫アミノ酸であるメチオニンとシステイン残基が少なく、それらは制限
アミノ酸となっていると言われたことがある。
そのため、タンパク質の有効利用効率を示すアミノ酸スコアやプロテインスコアを下げていると言われていた。
しかし、これらは成長期のラットに基づく数値であり、その後、ヒトに基づく数値に置き換えられ、具体的には、大豆のアミノ酸スコア
が1973年には86点だったものが、1985年には100点と変更された。大豆は、牛乳や卵と同等の良質なタンパク質であるとの評価を
得ている。
発酵性大豆食品の摂取量が多いほど総死亡リスクが低いとの指摘がある。
多くのマメ科植物の種子と同様に、ダイズ種子中には、有毒なタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビター(プロテアーゼ阻害剤)
(トリプシン・インヒビター、セリンプロテアーゼ・インヒビター(セルピン))やアミラーゼ・インヒビター(Α-グルコシダーゼ阻害剤)や
レクチンが含まれて消化を阻害するため、生食はできない。
トリプシン・インヒビターを含むものを摂食すると、消化不良を起こし下痢を起こす。
そのため、加熱してプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターを変性・失活させて消化吸収効率を上げている。
なお、加熱してもプロテアーゼ・インヒビターの失活は十分ではないので、納豆菌を繁殖させて、納豆菌の分泌するプロテアーゼに
よってダイズ種子中のタンパク質とともに、タンパク質性のトリプシン・インヒビターを分解させると、分解されたタンパク質と相まっ
て、消化酵素であるトリプシンが正常に機能して、タンパク質の消化吸収効率が増大する。
トリプシンインヒビター活性の高い生大豆を、飼料としてラットに摂取させると成長阻害や膵臓肥大などの有害作用が引き起こされる
ことが報告されている。
この膵臓肥大は、腸内で阻害されるトリプシンを補うための膵臓の機能亢進の結果として生じると考えられる。
生大豆粉はラットの膵臓癌と相関することが知られているが、加熱調理済みの大豆粉の発ガン性は認められていない。
大豆がヒトの膵臓癌を促進する可能性があるかどうかの研究はまだ十分でないため不明である。
ラットに与えられている大豆の量は、人間が通常摂食する量に比べてはるかに大きい。
2020年に公表された多目的コホート研究で、ヒトの非発酵性大豆食品摂取量と膵がん罹患リスクが関連していることが指摘されたが、
発酵性大豆食品摂取量とは関連していないことが指摘されている。
大豆乳の加熱処理について、100℃10分間の加熱処理した大豆乳には加熱未処理試料のトリプシン・インヒビター活性の約34%が
残存し、また100℃20分間では約30%、120℃10分間では約10%、120℃20分間でも約5%のトリプシン・インヒビター活性が
残存した。
黒大豆を95℃で加熱した場合のトリプシン・インヒビターの活性変化について、1%のNaCl(食塩)溶液中、16%のショ糖溶液中
では、いずれも60分の加熱でトリプシン・インヒビターの70%の活性が残存していたが、0.1%の重曹溶液中の45分の加熱で
トリプシン・インヒビターの活性は完全に失われた。
ダイズから得られる大豆油は、パーム油に次ぐ代表的な食用油であり、大豆需要の87%を占めている。
主要な生産国は、中国、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンで、上位5カ国で8割を占める。
日本では菜種油が好まれるため、大豆油の生産量は40万トン前後と菜種油の半分以下に留まる。
近年では環境配慮型の素材とされる大豆インキの原料としての需要も拡大している。
残渣の大豆粕は醤油の原料や家畜の飼料、大豆ミールとして粗タンパク質源に利用されていたが、最近は『ヘルシー』を売りにした小麦
粉代替食品としても拡販が進んでいる。
大豆レシチンは、大豆油の副産物で、絞ったばかりの大豆粗油をろ過し、お湯を混ぜ、成分を水側に移し遠心分離機で2層になった油を
分離後、速やかに水分を乾燥させたものである。
利用用途としては、化粧品や食品の乳化剤に利用される。
ダイズ種子(大豆)はタンパク質や脂肪、鉄分、カルシウムなど、ミネラルを多く含む。畑の肉と称されるほどタンパク質が豊富で、
調理法によっては肉のような食感が得られるため、戒律によって食肉の扱いに慎重なイスラム教徒などに人気の食材となっている。
日本では色々な形に加工され、利用されている。
まず、大豆を暗所で発芽させるとモヤシ、未熟大豆を枝ごと収穫し茹でると枝豆、さらに育てて完熟したら大豆となる。
大豆を搾ると大豆油、油を絞った粕は大豆粕として食用・醤油製造や飼料へ、煎って粉にするときな粉、蒸した大豆を麹菌と耐塩性
酵母で発酵させると?油・味噌、また蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆となる。
熟した大豆を加水・浸漬・破砕・加熱したものを搾ると液体は豆乳、その残りはおから、豆乳を温めてラムスデン現象によって液面に
形成される膜を湯葉、にがりを入れて塩析でタンパク質を固めると豆腐、豆腐を揚げると「油揚げ」「厚揚げ」、焼くと「焼き豆腐」、
凍らせて「凍み(高野)豆腐」となる。大豆にはサポニン等水溶性の低分子化合物やタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミ
ラーゼ・インヒビターやレクチンなどの有毒成分が含まれており、これらの加工には有毒成分の除去や解毒の意味もある。
蒸した黒豆(黒大豆)を発酵させてから乾燥させたものは、香?(こうし、別名:豆?(ずし))という生薬であり、陶弘景校定による
『名医別録』には「?」として収載されている。香?には発汗作用、健胃作用があるとされ、香?を含有する漢方薬には梔子?湯、瓜蔕散
などがある。
本来、黒豆の発酵・乾燥品を用いるが、現在では納豆を乾燥させたものを代用する。
ダイズは大豆オリゴ糖を含み整腸作用がある。
大豆オリゴ糖を関与成分とした特定保健用食品が許可されている。
大豆をよく食べる女性グループで
疫学調査では、大豆の摂取は肥満および閉経後女性で
との関連なしとされた。
かつて、デザイナーフーズ計画のピラミッドの1群に属し、ショウガと共に、癌予防効果のある食材の第3位として位置づけられていた。
2006年3月27日、アメリカ合衆国の健康専門月刊誌『ヘルス』による世界の5大健康食品が発表され、スペインのオリーブ油、
日本の大豆、ギリシャのヨーグルト、インドのダール(豆料理)、大韓民国のキムチの5品目が選出された。
順天堂大学の研究によれば、納豆の摂食頻度と月経状態・月経随伴症状は有意の関係がみられ、摂食頻度の増加は症状を軽減させて
いる可能性があるとしている。
雄の
に血糖値上昇抑制作用は認められたが大豆サポニンAグループにはその作用は認められなかった。
全年齢では鶏卵38.7%、牛乳20.9%、小麦12.1%が3大アレルゲン(ピーナッツと魚卵を足し5大アレルゲン)であり、大豆は1.5%
の11位である。
アナフィラキシーショックを起こす可能性があるため、アトピーや喘息などアレルギー素因のある者は注意が必要である。
大豆イソフラボンとは、大豆に含まれるゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインなどのイソフラボンの総称で、弱い女性ホルモン作用
を示すことから骨粗鬆症や更年期障害の軽減が期待できる。
・ お酒で
・
・
そしてそのことが「脂肪肝」を引き起こし、さらなる
・ このように気付かないうちに負担を掛けている
・ スルフォラファンはブロッコリーの新芽の“ブロッコリースプラウト”にとても多く含まれています。
・ 成熟したブロッコリーよりも新芽状態のブロッコリースプラウトの方がはるかに多いことが判明しました。
・ 食品中ではスルフォラファングルコシノレートとして存在しており、体内で分解されることでスルフォラファンに変わります。
・ スルフォラファンが
させました。
・ このことから、ブロッコリースプラウトが肝機能を高めてくれる野菜であることが改めて実証されました。
・ 花粉症を抑制する効果があることも判明しました。
昔から漢方薬や薬用ハーブとして重宝されてきました。
ショウガは清涼感のある香りが臭覚を刺激して食欲をそそり、さらに独特の辛味が唾液の分泌を促し、消化吸収を助けて食欲を増進
させます。
またショウガ湯に利用されるように、体をポカポカと温めることで、冷え対策にも役立てられています。
ショウガの原産地は熱帯アジアで、中国では古くから漢方処方として利用されてきました。
生のものを生姜 (ショウキョウ)、乾燥したものを乾姜 (カンキョウ) と呼びます。
漢方では、「ショウガは百邪を防御する」と古書に記されており、新陳代謝を促し、体を温め、冷え症、健胃、嘔吐、せき、
むかつきなどに効果があるとされてきました。
私たちの体を温めてくれるショウガのパワーの秘密は、辛味成分「ジンゲロール」と「ショウガオール」にあります。
「ジンゲロール」は生のショウガに多く含まれている成分で、これを加熱すると「ショウガオール」に変化します。
◎ジンゲロールは生のショウガに多く含まれており、強い殺菌力があります。
例えば、カツオの叩きには薬味としてショウガをよく使います。
これは生臭さを消すだけではなく、ジンゲロールの強い殺菌力により食中毒の予防効果が期待できるためです。
かぜやインフルエンザの感染症についても、ジンゲロールは体内に入ってきた細菌やウイルスを退治します。
さらにジンゲロールには解熱作用や鎮痛作用、抗炎症作用など、感染症のさまざまな症状に効果があるとされています。
ショウガオールは冷えによって滞りがちになった血液の流れをよくして、体のすみずみまで血液を行き渡らせます。
さらに血行を促すことによる鎮痛作用も注目されております。
かぜを引いた時に起こる節々の痛みや、冷えからくる関節炎などにも効果があるようです。
ショウガ湯
すりおろしたショウガ一片と、刻んだ長ネギを少々、湯のみ茶碗に入れて熱湯を注ぎます。
熱いうちに飲むとより効果的です。
梅干ショウガ
湯のみに梅干1個とショウガ (梅干の1/3量) をすりおろして入れ、熱い番茶を注ぎ、はしで梅干をつぶし、
種を取り出して飲みます。
レンコン・ショウガ湯
レンコン・ショウガの絞り汁をカップに入れ、熱湯を注ぎます。好みでハチミツを加え、熱いうちに飲みます。
ショウガ紅茶
作りたての温かい紅茶の中に、おろしショウガをスプーン1/3杯加えます。お好みで砂糖を加えてください。
体を温める,免疫力を高める,発汗・去痰,咳を抑える,解毒,解熱,鎮痛,血液サラサラ, 強心,消化・吸収能力向上,酸化防止,
抗潰瘍,吐き気を抑える,抗菌, コレステロール低下など
夏は食欲不振になりがちですが、ショウガのさわやかな香りが食欲をそそり、胃液の分泌を促します。
生のショウガに多く含まれるジンゲロールは胃腸の働きをよくし下痢を抑え
ショウガは発汗を促し、新陳代謝を促進して体を芯から温める作用があるため、特にかぜの諸症状に効果的。
冷え症はタンパク質やビタミンが不足することにより、新陳代謝が衰えたり血液の循環がスムーズに行われない場合に起こります。
東洋医学では、特に冷え症に対し、ショウガがよく用いられています。
生のショウガを蒸して乾燥させた乾姜は、冷えからくる頭痛、下痢、月経異常に有効とされております。
また、腰から下半身にかけての痛み (神経痛、関節炎など) を取り除くといわれます。
ショウガは体を温めることによって、血管の収縮を抑制したり血栓の生成を防いだりします。
これらの相乗効果で血液をサラサラにして血管を健康に保ちます。
新陳代謝を促し体の機能そのものを高めるため疲労回復や病気に対する治癒力を手助けする働きがあることも報告されています。
握り寿司にはガリ (甘酢ショウガ) が付き物です。
これは口直しや、食欲増進のためばかりではなく、生魚の毒を消し、食中毒を防止するためです。
ジンゲロールなどには、優れた殺菌力があり、また吐き気を抑え、食欲を増進させます。
ものがあります。
そこでショウガをうまく活用することで、血流を改善し、代謝をよくして体脂肪の燃焼を体の内側からサポートしてくれます。
ほうれん草は日本にはありませんでした。
ほうれん草の原産地はトルコ東部からイラン北部というのが通説です。
イスラム教徒の巡礼を通じて世界中に伝わったそうです。
今では当たり前のように食べられているほうれん草ですが、元々は日本にはなかったというのは不思議ですね。
ほうれん草が日本に伝わったのは江戸時代だと言われています。
日本に伝わったころは高級な野菜だったそうです。
他の野菜に比べると歴史はあまり長くはありません。
かつてポパイというほうれん草を食べて強くなるアメリカのアニメがありました。
また、ほうれん草の花言葉は「健康」です。
このようにほうれん草には健康に良いイメージがあります。
ほうれん草は健康に良い成分の栄養価(100グラムの内の含有量)がとても高い野菜のひとつです。
ほうれん草にはどのような健康効果があるのか。ほうれん草に含まれる成分と効能を見ていきましょう。
ほうれん草の栄養価で特に豊富なのがβカロテンです。
βカロテンはほうれん草100gの内に1日に必要な量の約40%を含んでいます。
βカロテンの効能には、がんの予防や視力の低下を防ぐなどがあります。
動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも効果的です。
また発育を促す効能もあり、成長期の子どもにおすすめです。
鉄分もβカロテンと同様に100gで1日に必要な量の約40%を摂取できます。
鉄分は赤血球をつくる材料になります。
赤血球がつくられることにより貧血が予防されます。
レバーなどにも多く含まれます。
またレバーとほうれん草は食べ合わせは良いです。
貧血でお悩みの方はほうれん草とレバーを一緒に食べると改善が期待できます。
様々な料理に幅広く活用できる食材「玉ねぎ」。値段も手頃で日持ちするため、家計にとっても強い味方です。
そんな玉ねぎには、私たちの身体にとって嬉しい効果を期待できる栄養素が豊富に含まれています。
玉ねぎに含まれている代表的な栄養素や働きとともに、効率の良い玉ねぎの食べ方やおいしい玉ねぎの選び方、上手な保存方法に
ついてご紹介します。
玉ねぎに含まれている栄養素には代表的なものがいくつかありそのおかげで私たちの身体にとって嬉しい効果が期待できるのです。
それらの栄養素について、具体的な働きや効果をみていきましょう。
硫化アリルは玉ねぎのツンとしたニオイや辛味のもととなっている成分で、玉ねぎの他にもネギやニンニク、ニラなどのユリ科の
野菜に多く含まれています。
玉ねぎを切ったときに目が痛くなったり涙が出たりするのも、硫化アリルの刺激によるものです。
硫化アリルにも様々な種類がありますが、アリル基と硫黄元素を含んでいる化合物です。
硫化アリルには血液の凝固を抑制する働きがあるため、動脈硬化予防や血栓予防に効果が期待できます。
さらに、血中コレステロール値の正常化やインスリン分泌の促進、免疫機能の向上、抗ガン作用などに役立つといわれています。
アリシンは硫化アリルの一種で、玉ねぎの辛味成分です。
とはいっても、実は玉ねぎにもともと多く含まれている成分ではありません。
生の玉ねぎには「アリイン」という硫化アリルが含まれています。
玉ねぎを切ったりすりおろしたりして細胞が破壊されると、同じく玉ねぎに含まれている「アリイナーゼ」という酵素が働きます。
アリシンには殺菌作用と抗酸化作用があり、風邪の予防や食中毒の予防、抗ガン作用が期待できます。
さらに、アリシンには血流を改善する効果があるため、血液をサラサラにして血栓ができるのを予防してくれます。
また、アリシンはビタミンB1と結合する性質を持っており、それによってビタミンB1の吸収が促進されます。
ビタミンB1はエネルギー代謝に関与しているため、アリシンと一緒に摂取することで疲労回復にも役立ちます。
ケルセチンはポリフェノールの一種であるフラボノイドに分類される成分で、玉ねぎの皮に多く含まれている黄色の色素成分です。
ポリフェノールには抗酸化作用があることが知られていますが、ケルセチンはその中でも特に強い抗酸化作用を持っており、動脈硬化や
玉ねぎは吸収されやすいケルセチンを豊富に含んでいることから、非常に効率のいい野菜であると言えるでしょう。
カリウムは私たちの身体にとって必要不可欠なミネラルのひとつで、主に体内の水分調節の役割を担っています。
塩分の摂り過ぎなどによって溜まった余分な水分を排出する作用があり、血圧を下げる効果やむくみを予防・改善する効果が期待
できます。
カリウムはこの他にも、
通常の食事をしていればカリウムが不足する可能性
カリウムは野菜や果物、海藻類といった植物性の食品に多く含まれています。
水に溶ける性質があるため、食材を生のまま、あるいは茹で汁ごと食べると効率よく摂取することができます。
カリウムの1日あたりの摂取基準は18歳以上の男性で2,500mg、女性で2,000mgが目安量とされています。
また、高血圧の一次予防のための目標量は、18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上となっています。
私たちが生きていくためには、原動力となるエネルギーが必要です。
ヒトをはじめ、動物は食べ物を摂取することによってエネルギーを作り出します。
食べ物に含まれているエネルギーや身体の元となる3つの栄養素が「三大栄養素」と呼ばれているものです。
「三大栄養素」とは、たんぱく質、脂質、炭水化物の3つを指します。
まずは、これらエネルギーと三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物とは具体的にどのようなものなのか、玉ねぎにはそれ
ぞれどのくらい含まれているのかをみていきましょう。
玉ねぎには一体どのくらいのエネルギー量が含まれているかというと、生の玉ねぎ100g(可食部)あたりで37kcalです。
玉ねぎ1個分に換算すると、中くらいのサイズの玉ねぎ1個(177gで換算)で約65kcalです。
食べ物に含まれているエネルギーは「熱量」ともいわれ、「kcal(キロカロリー)」という単位で表されます。
私たちは食べ物に含まれている三大栄養素からエネルギーをつくり出しますが、三大栄養素に含まれているエネルギー量はそれぞれ
決まっています。
たんぱく質1gには4kcal、脂質1gには9kcal、炭水化物(糖質)1gには4kcalが含まれています。
食べ物のエネルギー量は、三大栄養素がそれぞれどのくらい含まれているかによって算出されるというわけです。
玉ねぎに含まれているたんぱく質は、生の玉ねぎ100g(可食部)あたり1gです。
中くらいの玉ねぎ1個に換算すると、1.77gになります。
たんぱく質とは私たちの身体を構成する主成分となる栄養素で、20種類のアミノ酸の組み合わせから構成されています。
このアミノ酸の種類や量、構造の違いによって様々なたんぱく質をつくり出し、筋肉や皮膚、内臓、血液、酵素、免疫物質などとして
私たちの身体を構成しているのです。
私たちが食べ物を摂取すると、たんぱく質は胃液などに含まれる消化酵素によってアミノ酸に分解され、小腸で吸収されます。
吸収されたアミノ酸は、身体の中で必要なたんぱく質へと再び作り変えられるのです。
18歳以上の男性では60g、女性では50gが推奨量です。
玉ねぎに含まれている脂質は、生の玉ねぎ100g(可食部)あたり0.1gです。
中くらいの玉ねぎ1個に換算すると0.81gになります。
脂質は1gあたり9kcalのエネルギーが含まれており、最もエネルギー効率の良い栄養素です。
脂質は私たちの体内でエネルギー源となるほか、皮下脂肪としてエネルギーを貯蔵して寒さから身を守ったり、ホルモンの原料となっ
たり、細胞膜や核膜の構成成分となっています。
脂質の1日あたりの摂取基準は、1日に必要なエネルギーの20〜30%に当たる量が目標量とされています。
サラダ油やオリーブオイル、ごま油だけではなく、食品に含まれている脂質にも注意してください。
玉ねぎに含まれているたんぱく質は、生の玉ねぎ100g(可食部)あたり8.8gです。
中くらいの玉ねぎ1個に換算すると、15.58gになります。
炭水化物には大きく分けて「糖質」と「食物繊維」の2種類があります。
「糖質」は1gあたり4kcalのエネルギー源となります。
一方、「食物繊維」は消化・吸収されないためエネルギー源とはなりませんが、腸内環境を整えたり血糖値や血中脂質の上昇を抑
える働きがあります。
炭水化物の1日あたりの摂取基準は、1日に必要なエネルギーの50〜65%に当たる量が目標量とされています。
にんじんはセリ科の野菜です。
長根の東洋にんじんと短根の西洋にんじんがあり、栽培や流通の便利な西洋にんじんは品種改良が進み多くの品種が栽培されて
います。
カロテンの量は一般的には東洋にんじんより西洋にんじんの方が多く含まれます。
品種によって様々な色素を含んでおり、鮮やかな色を持つ緑黄色野菜として人気です。
かつては子どもの嫌う野菜の代表でもありましたが、品種改良によりにおいが薄く、味も甘いものに改良されています。
古代ギリシャでは薬用として根が枝分かれした刺激の強いにんじんが栽培されていたようです。
10世紀頃に現在のような円錐形のにんじんが現在のトルコ西部辺りで誕生したとされ12〜15世紀頃にヨ-ロッパに広まりました。
オレンジ色のにんじんは17〜18世紀頃にオランダでつくり出されたといわれています。
東洋にんじんは12〜13世紀頃に中国に伝わり、その後改良されて日本に伝わりました。
現在主流の西洋にんじんは江戸時代後期になってから日本に伝わり、明治時代以降に日本中に普及しました。
にんじんの原産地は中央アジアのアフガニスタンで、現在のアフガニスタンに横たわる山脈「ヒンドゥークシュ(ヒンズークシ)」
山麓で栽培されたことが始まりと考えられています。
現在、最も生産量が多い国は中国で、アメリカ、ロシアと続きます。
日本では様々な地域で生産されていますが、北海道と千葉県が全国生産量の約50%を占めています。
にんじんは原産地であるアフガニスタンから伝わったルートによって東洋にんじんと西洋にんじんの2種類に分けられます。
アフガニスタンから中国を経て東方に伝わった東洋にんじんは、赤色の金時にんじんを筆頭に、甘みが強くにんじん特有のくさみが
少ない品種です。
煮ても形が崩れないことから日本食に彩りとして使用することが多くあります。
京にんじんとも呼ばれ、軟らかく甘みがありにんじん特有のにおいが少ない品種です。
長さは30cm前後です。金時にんじんの赤い色はリコピンと呼ばれる色素です。
長さが70cm以上もあるにんじんです。
栽培が難しくトウ立ち[※1]しやすいことから1960年以降になると急激に減少し、現在ではほとんど栽培されていません。
琉球にんじんと呼ばれている黄色いにんじんです。
沖縄産のため暑さに強く、十分な甘みがあります。細長い形をしており、長さは30〜40cm程です。
アフガニスタンからオランダを経てイギリスへ伝わった西洋にんじんは、甘みがあるオレンジ色のにんじんでカロテンを豊富に含ん
でいます。
かつてはにんじん臭が強かったのですが、食べやすく品種改良されています。
現在日本で販売されているにんじんのほとんどが五寸にんじんです。
オレンジ色が強く、β-カロテンを豊富に含んでいます。長さは名前の通り五寸(約15.2cm)程です。
「向陽2号」「ひとみ五寸」などの品種があります。
ポリフェノ-ルの一種であるアントシアニンが豊富に含まれる紫色の皮を持つにんじんです。
中心の色はオレンジ色や黄色など品種によって異なります。
長さが10cm、直径が1〜1.5cm程の小さいにんじんです。
甘みが強く、果肉が柔らかいことが特徴です。
にんじんは皮に近いところに多くの栄養素が含まれています。
皮が薄く剥かずに食べることができるミニキャロットは、無駄なく栄養素が摂れる品種です。
にんじんという名前は、枝分かれをしている薬用にんじんの根の形が人間の形に似ていることから付けられており、本来にんじんとは
薬用にんじん(朝鮮人参や高麗人参、田七人参)のことを指しています。
薬草にんじんはウコギ科の植物であり、にんじんとは異なる植物ですが、東洋にんじんは日本で古くから知られていた薬用にんじんと
根の形が似ており、葉の形がセリに似ていることから「せりにんじん」と呼ばれていました。
また、薬用にんじんとは違い食用とされることから「菜にんじん」とも呼ばれていたそうです。
菜にんじんは保存に適しており美味しいことから全国に広まり、17世紀頃には菜にんじんをにんじんと呼ぶようになったといわれて
います。
全体が色鮮やかでツヤとハリがあり、上部までオレンジ色をしたものが美味しいにんじんです。
葉の切り口の軸が細い方が果肉が柔らかい傾向にあります。
にんじんの旬は春と秋冬の2回あります。
春のにんじんはみずみずしい風味と柔らかい歯ごたえがあり、秋冬のにんじんは実がしまっていて、加熱により甘みが増します。
夏場と冬場で適した保存方法が異なります。
夏場は泥を落とした後よく水気を拭いて新聞紙で包み、乾燥を防ぐためラップやポリ袋で密封し、冷蔵庫で保存します。
冬場はラップやポリ袋で乾燥を防ぎ、常温で保存します。
1本を食べきれない時は、先の方から使うようにします。
葉がついている場合は栄養素が葉にとられてしまうため、すぐに切り落とします。
にんじんの葉は保存しにくいので、切ったその日に調理する必要があります。
「カロテン」という名前は、にんじんの英名「キャロット」が語源であるといわれる程、にんじんにはカロテンの一種である
β-カロテンが豊富に含まれています。
β-カロテンは油と一緒に調理すると体内で効率よく吸収できるため、油などでソテーにしたりオイル系のドレッシングをかけ
て食べることがおすすめです。
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、摂りすぎる心配がなく安心です。
野菜の中では炭水化物が多く、ショ糖を多く含んでいるため特有の甘みを持ちます。
ビタミン類やミネラル類をバランス良く含んでいます。
調理のレパートリーが広く、一度にたくさん食べることができるため緑黄色野菜の中でもトップレベルの栄養価だといわれています。
また、にんじんの葉も食べることができます。
にんじんの葉は、カリウム、鉄、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンK、カロテンなどを豊富に含む、
栄養価の高い緑黄色野菜です。
にんじんには、ビタミンCを酸化させる酵素であるアスコルビナーゼが含まれています。
加熱調理する場合は酵素が不活性化するため問題はないのですが、生の状態でビタミンCに富む野菜と一緒に食べる場合は、酢また
は柑橘系(レモンなど)のしぼり汁を加えるとアスコルビナーゼの働きを抑制してくれます。
すりおろすことによりアスコルビナーゼの働きが活発になるため、ジュースに加える際は注意する必要があります。
にんじんには豊富なβ-カロテンとカリウム、ルテイン、食物繊維が含まれているため、以下のような健康に対する効果が期待で
きます。
日常生活で体内に発生する活性酸素は、血中の脂質を酸化させ動脈硬化の原因となります。
β-カロテンには体内の活性酸素を除去する働きがあり、血中の脂質の酸化を防ぎ血管を若々しく保ってくれるため、動脈硬化の改善
や予防に効果を発揮するといわれています。
特に金時にんじんには、赤色の色素であるリコピンも含まれているため、より強い抗酸化作用[※3]が期待できます。
β-カロテンから変換されたビタミンAは、目が網膜で光を感じる時に必要なロドプシンの生成に必要とされる成分で、夜盲症や眼精
疲労の予防に効果があります。
また、にんじんにはルテインが含まれています。
ルテインは目の水晶体や黄斑部に多く存在し、強い抗酸化力を持つカロテノイド色素で、紫外線などのダメージから目を守ります。
紫にんじんには、目の健康を保ってくれるポリフェノ-ールの一種であるアントシアニンも含まれます。
β-カロテンから変換されたビタミンAは皮膚やのどなどの粘膜を正常に保つ働きがあり、免疫力を高めてくれるため、口内炎や風邪の
予防に効果的です。
にんじんにはβ-カロテンが豊富に含まれます。
β-カロテンから変換されたビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫に保ってくれる働きがあるため肌のカサつきや肌荒れを改善してくれる
働きがあります。
また、β-カロテンは紫外線によって発生した活性酸素を無効化する働きがあり、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の発生を
抑制する効果があります。
食塩の過剰な摂取などによりナトリウムが血中に多く存在すると、体内で水分の移動が正常に行われなくなり
しまいます。
にんじんに含まれるカリウムには、余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、血圧を下げ
期待できます。
にんじんにはペクチンと呼ばれる食物繊維が豊富に含まれています。
ペクチンには、腸の調子を整え便秘を解消する働きがあります。
※活性酸素とは、普通の酸素に比べ、著しく反応性が増すことで強い酸化力を持った酸素のことです。
体内で過剰に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化などの原因になるとされます。
抗酸化作用とは、たんぱく質や脂質、DNAなどが酸素によって酸化されるのを防ぐ作用です。
セロリは100gあたり1.5gの食物繊維を含みます。
食物繊維には腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整える水溶性食物繊維や、水分を吸収して排便を促す不溶性食物繊維
があります。
このうち、セロリには不溶性食物繊維が多く含まれています。
セロリは100gあたり7mgのビタミンCを含みます。
ビタミンCは、体の酸化を抑える抗酸化作用や、シミやそばかすの原因になるメラニンの生成を抑えるはたらきがあり、
コラーゲンの生成に必要な成分です。
体内で作り出すことができないビタミンなので、食事から摂りましょう。
セロリは100gあたり0.08mgのビタミンB6を含みます。
ビタミンB6は、摂取したたんぱく質からエネルギーを作り出したり、筋肉や血液を作るときに使われたりする、水溶性の
ビタミンです。
ビタミンB6が不足すると、肌荒れや口内炎の原因になります。
ビタミンB6は一部腸内で作られますが、食事からも積極的に摂取したいビタミンです。
セロリは100gあたり410mgのカリウムを含みます。
カリウムは細胞内の水分調整をおこなうミネラルです。
ナトリウム(塩分)を摂りすぎると血圧が上がったり、むくんだりするおそれが。
カリウムはナトリウム(塩分)を尿へ排出するはたらきがあるので、むくみ対策につながります。
セロリに含まれるキャベジンは別名「ビタミンU」と呼ばれています。
キャベツやパセリ、セロリなどに多く含まれるビタミンの仲間です。
主なはたらきは胃の粘膜保護やアレルギー症状を和らげること。
食べ物を消化するときに分泌される胃酸は、通常胃壁を傷つけませんが、ストレス状態にあると傷つきやすくなります。
キャベジンはこの傷ついた胃壁を修復するはたらきがあります。
セロリに含まれるビタミンCは熱に弱く、加熱により壊れてしまうので、さっと火を通すか、生のままサラダで食べるのが
良いです。
また、セロリに豊富な水溶性のビタミンB6やカリウムは、水に溶けやすい性質があるので、煮汁ごといただけるスープがおすすめです。
セロリの旬は、栽培に適した気候である春または秋といえます。
ただし、夏秋は長野、冬春は静岡といったように日本各地で栽培されているため、年間を通して購入することができます。
セロリは鮮度が落ちやすい野菜です。
葉の部分は、鮮度が落ちてくると黄みをおびやすいので、葉の緑色が鮮やかなものを選びましょう。
茎はみずみずしさや張りのあるものほど、鮮度が良い証です。
セロリの葉には、ピラジンやビタミンB1といった栄養が豊富に含まれています。
ピラジンはセロリの葉に含まれる香り成分で、血流を良くするはたらきがあると言われています。
ビタミンB1はブドウ糖からエネルギーを作り出すので、よく運動する人は積極的に摂りたい栄養素です。
セロリには硬くて大きな筋があります。
加熱してもやわらかくならないので、取り除きましょう。
生食するときは、切ったあとに冷水につけておくとみずみずしさが増し、歯ごたえも良くなります。
ただし、水にさらすと香りや栄養素が流出してしまうので、短時間で済ませましょう。
セロリは葉から水分が失われやすいため、葉と茎は切り離して別々の保存袋に入れましょう。
それぞれを冷蔵庫にたてて保存します。
セロリに含まれるカリウムやビタミンB6は水に溶けやすい性質を持つため、煮る・ゆでるといった調理をするときは煮汁ごと
食べられるスープがおすすめです。
また、ビタミンCは加熱に弱いためサラダとして生のまま食べるのが良いでしょう。
独特な香り成分を持つセロリには、皮膚の健康維持や血行を良くするはたらきがあります。
妊娠中に気になるむくみに役立つカリウムや、胃の粘膜を守るビタミンUなども含まれています。
また、葉にも栄養成分が豊富に含まれているので、セロリを使うときは茎だけではなく葉も使うのがおすすめ。
日本国内ではまだなじみが薄い野菜「パースニップ」。
ニンジンが白くなったような見た目から「白ニンジン」とも呼ばれます(正式な白人参という野菜は別に存在します)。
その栄養価は抗がん作用の高い食材「デザイナーフーズ」の第一群に選定されているほど。
パースニップには健康に役立つ工ネルギーと、食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群(B1、B2)
微量のミネラル(カルシウム、リン、マグネシウムなど)、が含まれています。
初霜の降りたあとが旬で、風味も甘みも栄養価も最高と言われています。
海外での著名な植物学者の多くが「パースニップは牛にも豚にも、そして人間にもぴったりの栄養価の高い食品だ」と、
その健康効果を高く評価しています。
ビタミンB1は疲労回復に、B2は皮膚や粘膜の健康維持に、ビタミンC・Eは抗酸化作用、動脈硬化予防、皮膚や血管の老化予防、
免疫力を高めるなどの働きがあります。
ミネラルは疲労回復や利尿作用、
食物繊維は便秘の改善、葉酸は貧血予防などに効果が期待できます。
独特の甘みと少々の苦味を持つパースニップ。
煮崩れしないため、さいの目に切ってシチューやボルシチなどの煮物の具として活用されることが一般的ですが、マッシュや
ローストしても美味しく食べることができます。
ニンジンを使用する調理において、ニンジンと同じ調理法で広く利用できます。
バナナに匹敵するほどの糖分を含むため、食べ過ぎにはご注意を。生食には適しません。
欧米諸国では様々な調理に活用されており、ドイツでは、40日間の断食を行う四旬節に、塩漬けの魚といっしょにパースニップ
を食べます。
オランダではスープの材料として使われています。
現在では行われていませんが、アイルランドではお湯とホップの中で茹でてビールを作っていました。
また、イギリスの田舎では、パースニップのジャムやワインまで作られていました。
亜麻リグナンとは、亜麻の種子に含まれるポリフェノールの一種です。
亜麻とは、中央アジア原産のアマ科アマ属の一年草で、春から夏の間に小さな青紫色から白色の花を咲かせます。
亜麻種子から抽出された油は亜麻仁油として有名です。
ポリフェノールとは、植物の苦味、渋味、色素の成分となっている化合物の総称で、自然界に5000種類以上存在しているといわれて
いる成分です。
ポリフェノールの強力な抗酸化力を持っています。
また、リグナンとは植物の種子や皮、茎に多く含まれるポリフェノールの一種で、亜麻のほか、ゴマなどにも含まれています。
ゴマに含まれるリグナンの一種にセサミンがあり、亜麻に含まれるリグナンの一種にセコイソラリシレジノールジグルコサイド
(SDG)があります。
リグナンは生理物質で、体内では女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害など女性特有の症状
に効果的です。
亜麻リグナンには、更年期障害を予防・改善する効果があります。
更年期障害とは、めまいやほてりなどの症状が起こる症候群で、その症状がひどくなると私生活にも問題が生じます。
この原因は閉経前後の女性ホルモンの分泌量の低下によりホルモンバランスが崩れてしまうことにあります。
女性ホルモンは、感情をコントロールしたり、コラーゲンや骨の生成を助けたりと様々な働きを持ちます。
この女性ホルモンの分泌量は閉経によって減少してしまうため、更年期障害の症状は閉経後に起こるのが一般的です。
亜麻リグナンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするため、更年期障害の予防や改善に効果的です。
亜麻リグナンには、骨粗しょう症を予防する効果があります。
骨粗しょう症とは、骨の中がスカスカになってしまう病気で、少しの衝撃で骨折してしまうため、現在高齢者の寝たきりの原因と
なっている病気です。
骨は骨芽細胞と破骨細胞によって新陳代謝が行われています。
骨芽細胞とは骨を作る細胞で、破骨細胞とは骨を破壊する細胞のことです。
これらの細胞のバランスが保たれていることにより、骨は強度を保ち新陳代謝を繰り返し行うことができます。
骨芽細胞と破骨細胞のバランスを保つために女性ホルモンは働きます。
女性ホルモンが減少してしまうと、このバランスが保てなくなり、破骨細胞の働きが促進してしまい、骨の中のカルシウムが体外へ
溶けだして骨がスカスカになってしまうのです。
研究では、更年期障害を起こしているマウスにおいて、亜麻リグナンを与えることで骨粗しょう症が予防されたと報告されて
います。
亜麻リグナンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きを持つため、骨粗しょう症を予防する効果があるといえます。
亜麻リグナンには、コレステロール値を下げる効果があります。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、血管内で血管壁を柔軟に保ったり、悪玉(LDL)コレステロールの分解と排泄を促したり、
善玉(HDL)コレステロールの合成を促したりと様々な働きを持ちます。
エストロゲンのこのような働きによって、血管は健康に保たれています。
女性は閉経後にエストロゲンの分泌が低下することにより、悪玉(LDL)コレステロール値が高くなる傾向にあります。
更年期障害を起こしているマウスに亜麻種子を与えることで、悪玉(LDL)コレステロール値を下げて、善玉(HDL)コレステロール値を
改善したとの報告があります。
そのため、エストロゲンと似た働きをする亜麻リグナンを摂取することによって、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
また、コレステロール値が体内で高まると動脈硬化[※3]などの生活習慣病や、動脈硬化が原因の心疾患や
高まります。
亜麻リグナンはコレステロール値を下げる効果があることから、ひいては生活習慣病予防にも効果的であるといえます。
亜麻リグナンとして知られる、セコイソラリシレジノールジグルコサイド(SDG)が豊富な食事を摂ることで内臓脂肪量の減少や、
血液中の中性脂肪の低下がみられたとの研究報告があります。
切ったあしたば(明日葉)から出てくる粘り成分にはカルコンと呼ばれるフラボノイドが含まれており、これには強い抗酸化作用
やがんを抑える作用があるといわれています。
更に、同じく含まれているクマリンと共に抗菌作用も強い成分です。
クマリンには抗菌作用のほか、アルツハイマーの予防にも効果があるとされています。
あしたば(明日葉)にはほうれん草やあのケール以上にβカロテンが非常に多く含まれています。
βカロテンは抗発ガン作用や動脈硬化の予防で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、
視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。
βカロテンとは、植物や動物に存在する色素のひとつで、体内でレチノール=ビタミンAに変換されるため、プロビタミンAとも
呼ばれています。
体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAとして、目の神経伝達物質となります。
活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病から守ります。
皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあり、あわせて免疫力を高める働きもあります。
がんの予防にも効果があるといわれています。
ドライアイや暗いところでの視力低下につながります。
免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、口内炎を起こしたりします。
髪の脱毛などにもつながると言われています。
しそは、私たちにとってとても身近な食材です。
葉を天ぷらにしたり、豆腐やそばなどの薬味にしたりと、使い道はさまざま。
薬味にするときは、できるだけ細かく刻んだほうが香りが良くなりますが、実はこうすると身体にいい効果や効能も引き出され
やすいのです。
しそに健康効果や効能なんてあるの……? と思う人もいるかもしれませんが、しそはなんと、漢方でも重宝されているくらい
たくさんの効果や効能を秘めた薬草。
そのすごさを知って、ぜひ、もっとしそを有効活用しませんか。
シソ科シソ属の一年草。
原産はヒマラヤやビルマ、中国などで、日本には中国から伝わったと言われていますが、日本でも縄文時代の遺跡からしそが
見つかっており、はっきりとはわかっていません。
葉が縮れ、色は表、裏ともに赤いしそ。
色は表、裏ともに赤いが、葉に縮れはない。
葉に縮れはなく、色は表、裏ともに青(緑)。
表、裏ともに青(緑)く、葉に縮れがある。
葉に縮れはなく、色は表が青(緑)、裏が赤。
葉の表が青(緑)、裏が赤。葉は縮れている場合がある、
これらのうち、食用にされるのは赤紫蘇と青じそです。
中でも青じそは天ぷらや薬味、刺身のツマなど、そのまま食べられることがほとんど。
対して赤紫蘇は梅干や紅しょうがなどの色付けに使われる場合が多いです。
ただし、完熟する前の実をつけた”穂じそ”と呼ばれるもの、開花直前の”花穂じそ”と呼ばれるものは刺身のツマに
もちいられることもあります。
エゴマももともとはしその一種に分類されていたようです。
ですが現代では、しその変種として扱われています。
大葉とは、青じその葉の部分のことです。
しそは、鮮度が落ちてくると葉の裏に黒い斑点が出てきます。
ですから、しそを選ぶときは色鮮やかで黒ずんでいないものを選びましょう。
もちろん、葉がピンと張っていて、みずみずしいかどうかも選ぶポイントです。
しそは、とても栄養豊富な食材です。
特に、β-カロテン・カルシウム・ビタミンB1は、数々の野菜と比べてもひけをとりません。
しかも、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されますから、そのほかに含まれるビタミンB1、B2、B6、ビタミンC、
ビタミンE、ビタミンK、ナイアシンとあわせて、ビタミン群の多さが見て取れると思います。
そのほか、ミネラル分も豊富で、代表的なカルシウムに加えて鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛など。
また、香り成分などにはペリルアルデヒド、ロズマリン酸、ルテオリン、さらにα-リノレン酸なども含まれています。
しその栄養成分に多く含まれているβ?カロテンは、体内でビタミンAに変わりビタミンAの栄養として作用します。
ビタミンAは脂溶性のビタミンなので油と相性がよく、油と一緒に摂取すると上手に体内に取り入れることができます。
ビタミンAという栄養成分は肉類や卵、ウナギなど多く含有されている栄養成分で、皮膚の粘膜を正常に保ったり、眼病の予防など
健康に良い効果が期待される成分ですが、水に溶けず油に溶けやすい脂溶性のビタミンなので、ビタミンAを過剰摂取してしまうと
体内に蓄積して中毒をおこしたり、頭痛、倦怠感、吐き気、睡眠障害、食欲不振また妊娠中の女性は胎児に奇形の影響を伴う心配が
あるなど健康によくない症状がでてしまうことがあります。
それに対してしそに多く含まれている栄養成分のβ?カロテンは体内でビタミンAに変換されビタミンAの栄養として作用する
のですが、しそに多く含まれている栄養成分のβ?カロテンは体に必要な量だけがビタミンAに変換されるのです。
そのためしそに含まれているβ?カロテンをたくさん摂取したからと言ってビタミンAの過剰摂取の心配はありません。
しそはたくさん摂取しても健康によい効果を安心して期待できる食材なのです。
しその栄養にはポリフェノールもたくさん含まれています。
ポリフェノールとは光合成によって植物にできる成分で、種類は5000種類以上あり、種類によって色素、苦み、香りの成分に
なります。
赤しそに含まれるポリフェノールのロズマリン酸はレモンバームなどのシソ科の植物に含有されています。
赤しその栄養であるロズマリン酸の色素の特徴を利用して梅干を赤く漬けるときに赤しそを活用します。
また、薬味としてしそを利用するときはペリルアルデヒド(しそアルデヒド)という種類のポリフェノールが特有の香りを出し、
しその栄養の成分として活躍してくれているのです。
また、しその栄養成分であるルテオリンもポリフェノールの一種です。
この種類はセロリ、ピーマン、タイム、カモミール、ローズマリーなどの多くの食用の植物に含まれるポリフェノールの色素の
一種です。
抗酸化物質を活性化して吐き気や胃酸過多を防止してくれます。
ポリフェノール自体、強力な抗酸化作用がある栄養成分と注目されているので、しそに含まれるポリフェノールのロズマリン酸も
ペリルアルデヒドも抗酸化作用がとても強いと言われます。
たとえば昔から刺身に青しそが添えられるのは、しそのポリフェノールの香臭効果で生魚の臭みを防臭するほか、強力な抗酸化作用
があることで食中毒の防止に効果的だからだそうです。
栄養成分が豊富なしそですから、その効果や効能ももちろん様々。
うれしい効果がたくさんありますよ。
しそに含まれるペリルアルデヒドは、胃酸の分泌を促します。
これにより食欲が増しますし、抗菌作用も発揮されて毒素をやっつけ、食中毒などを予防します。
しそには、皮膚や粘膜を丈夫にする効果があります。
これにより免疫力が高まるため、ウィルスの進入を防いで風邪の予防等につながります。
また、身体の回復力もあがるため、すでに体調を崩している場合はその改善に効果を発揮するでしょう。
それに加えて、目の健康を保つ効能もあるため、眼精疲労はもちろん、夜盲症などの改善にも効果が期待できます。
しそには、歯や骨を丈夫にする効果はもちろん、骨を構成する栄養素も含まれています。
これにより、骨密度を高める効果が期待できます。
しそには血液をサラサラにする効果があります。
これにより新陳代謝があがり、免疫力が高まったり、健康を保ったりできるでしょう。
もちろん、余分な脂肪をおとしたり、体内の毒素を排出するデトックス効果も期待できます。
また、血行が良くなるので、貧血や
しそには、エネルギーの元となる栄養が豊富に含まれています。
これにより、疲労回復につながるのです。
また、その中には精神を安らげたり、落ち着かせたりする成分も含まれているので、心身ともに癒される効果が期待できます。
そのため、しそはストレスの解消や、不眠の改善にも役立つのです。
オレンジは、甘みが強く果汁が多いためジュースなどに利用される柑橘類のフルーツです。
甘みと爽やかな香りで非常に人気が高く、主要品種のバレンシアとネーブルは輸入品が1年を通して出回っています。
オレンジは果皮が硬く包丁を使わないとカットが難しい果物ですが、最近ではミカンのように手でむけたり、種がなかったり
する品種なども増えて人気を集めています。
鮮度の良いおいしいオレンジは、皮にハリがあり、しっかりと皮が厚いのが特徴です。
面に凹みがなく、形が整っているものを選びましょう。
ヘタもよく観察して、カビなどないかチェックしてください。
オレンジには粘膜を保護し、肌の調子を整え、免疫力を上げるビタミンCが多く含まれています。
100グラム中の含有量は、ネーブルが60ミリグラム、バレンシアが40ミリグラム。
ネーブルなら1個食べるだけで、大人が1日に必要なビタミンCを摂取することができます。
オレンジを含む輸入フルーツの多くは、収穫後に防カビ剤のOPPやイマザリルなどが果皮に塗布されます。
これはWHO(世界保健機関)や、食品の安全性と品質について国際的な基準を定めるコーデックス委員会が認められている処置です。
果皮から中の可食部まで薬剤が浸透することはないとされていますが、家庭でジャムなどを作る際、果皮をそのまま使用することは
避けた方がいいと言われています。
急斜面が多くレモン栽培に最適な地で、「レモン島」と呼ばれているレモンの一大産地である広島県大崎上島の島民は5日に1個
レモンを摂取しており、全国平均と比べるとなんと15倍!レモン果汁をうまく使うほか、皮ごとまるごとたべているそう。
そんなレモン島の平均寿命は平均80歳と全国平均よりも7歳も高いのです。
男性は、全国平均が72.14歳に対し、レモン島民は76.4歳と4歳高く、女性は、全国平均74.79歳に対しレモン島民は
83.7歳と約9歳も高いという結果でした。
女性では、同年齢平均の骨密度よりも、島民の方の方が高い傾向が見られました。
さらに、レモンを多く摂取している島民は、骨密度が高いこともわかりました。
「骨密度が高い理由のひとつとして、レモンに含まれるクエン酸が持つキレート作用が関係していると思います。
キレート作用とは、カルシウムをはじめ、ミネラルを腸から吸収しやすい形に変えることです。
そのため、血中カルシウム濃度が維持され、骨密度を維持することにつながります。
通常カルシウムは、人体には吸収されにくく、食物から摂取した場合約70%は体外に排出されてしまいます。
特に高齢になると腸から吸収されるカルシウム量は低下傾向にあり、体は骨に蓄えられているカルシウムを使って補おうとします。
その結果、骨粗しょう症になりやすくなるのです。
島民の皆さんは、普段から多くのレモンを摂ることで、自然とカルシウムが体内に吸収されやすくなっているので、平均よりも
骨密度が高くなった理由の一つにレモンの摂取が考えられます。
レモンを定期的に摂取している方の方が、
レモンが血圧を下げる理由は皮に含まれるレモンポリフェノールと、果汁に含まれるレモンフラボノイドが関係しています。
また、酸味には、塩味を引き立てる効果があるため、少ない塩分でもしっかりと味を感じることができ、減塩につなげることが
できます。
レモン島の皆さんは、普段からレモンを料理に取り入れる中で自然と少ない塩分でおいしいと感じる味覚ができているのでは
ないでしょうか。
レモンのさわやかな酸味や香りは、和洋中どんな料理にも合わせやすく、レモンは1年中簡単に手に入れることができます。
レモンを代表する栄養素ビタミンCについて、ビタミンCはカゼ予防に有効であるという研究結果がでています。
疲れている状況でのカゼ予防として、ビタミンCが有効である可能性があるといえるでしょう。
グレープフルーツの中でも果実が赤いピンク、ルビー、スタールビーにはカロテン410μgのなかにリコピンが多く含まれ
ています。
これは抗酸化性が強く、動脈硬化予防や抗癌の効果がある。
ビタミンCがクエン酸と共に含まれているため、吸収されやすく、かぜや美肌、がん予防に効果があると言われています。
グレープフルーツやスウィーティーの果皮には、テルペン系炭化水素などの精油成分含まれており、発砲スチロールなどを
溶かしてしまう事があります。
これは精油成分が溶剤としての作用がある為で、洗剤などにも利用されています。
ただ、普通に食べる分には体に影響は無いとの事です。
グレープフルーツやスウィーティーにはフラノクマリンという成分が含まれており、これには薬の血中濃度を上げる作用が
あるそうです。
そのため、薬によっては効き過ぎや副作用が通常よりも強く現れてしまうような事が起こる場合があるそうです。
リコピン、β-カロテン(ビタミンA)、ビタミンC・E、カリウムなど豊富な栄養が含まれています。
近年注目されているリコピンは、健康を守る効果も期待される優れた成分です。
このリコピンの抗酸化力はビタミンEの100倍もあるという報告もあり、健康によい影響が期待されます。
リコピンは熱に強く油に溶けやすい性質があり、トマトの実より皮や種子に多く含まれています。
β-カロテンやビタミンC・Eは抗酸化作用が高いことで知られています。
特に、リコピンと同様に抗酸化作用が高く、熱に強いβ-カロテンは、体内でビタミンAに変わるため、肌にもよいとされています。
トマトには、塩に含まれるナトリウムの排泄を手助けしてくれるカリウムを比較的多く含んでいます。
これに目をつけたトマトの加工食品で有名なカゴメ株式会社と女子栄養大学の共同研究によると、味噌や醤油などを減らして
トマトケチャップやトマトソースなどをプラスした「トマト減塩食」を2週間摂ると、尿中のナトリウム・カリウムの比率が
大幅に改善されることがわかっています。
トマトの旬は7〜8月です。赤く熟したみずみずしいトマトはいかにも夏の野菜のイメージですが、旬の時期以外にも温室栽培
されているため、1年中店頭に並んでいます。
主な産地である熊本・愛知では冬から春・夏にかけて、北海道や茨城では夏から秋にかけて栽培が盛んになります。
地域によって気候が異なるため、露地栽培のトマトは産地を見て判断するとよいでしょう。
ただし、トマトは「旬」と「食べごろ」が異なるので、旬だから味もおいしいとは限りません。
そもそも南米が原産のトマトは、高温多湿に弱い野菜です。
そのため、7〜8月のトマトは、一般的に価格は低めですが味は劣る傾向にあります。
トマトが「食べごろ」になるのは、湿度が低く日光をたっぷり浴びることができる春と秋です。
この時期のトマトは、糖度も栄養価も高いとされています。
サラダなどの生食でトマト本来の味を楽しむなら「食べごろ」を意識して選びましょう。
桃太郎種のトマトなど、通常のトマトは前述のとおり、リコピン、β-カロテン、ビタミンC・ビタミンE、カリウムなどを含んで
います。
β-カロテンは通常のトマト100g(大きめのトマトであれば半玉程度)に540μg含まれているのに対して、プチトマト
(中ぐらいのサイズで7個程度)は960μgも含まれています。
そのほかの栄養素でも、葉酸は約1.5倍、ビタミンCは約2倍含まれています。
実は同じ量を食べるのであればミニトマトの方が栄養を多く含まれていると言えるでしょう。
トマトを生で使う場合は、特に栄養素が含まれている皮の周辺や種まで食べることができ、栄養素を逃がすことはありません。
単にサラダで食べることに飽きたら、魚介類と一緒にマリネにしたり、アボカドと一緒にあえたりすることもできるので、
活用できるレシピはたくさんあります。
トマトを茹でて使う場合は湯むきすることが多いでしょう。
湯むきしたトマトは、トマトソースや鍋、おでんの具などでも人気の野菜です。
剥いた皮に含まれる栄養がもったいないと思う方は、細かく刻んでチャーハンに混ぜたり、オリーブオイルと醤油と混ぜて
ドレッシングにしたりすると栄養を逃がしません。
トマトは栄養豊富な上に、料理でも色々な使い方ができる優秀な食材です。
活躍の場が多岐にわたるため、料理によっては糖質過多になってしまうこともあります。
トマトを味わいながらよりヘルシーにトマトを味わうためにはからだシフトの「糖質コントロール ミネストローネ」が
おすすめです。
なすは意外にも、ダイエットに適した栄養成分が豊富な野菜だということをご存知でしょうか?
その効果効能はダイエットのみならず、生活習慣病予防や美容効果も期待できると言われるほど優秀な働きをしてくれます。
なすは、大体6〜9月が旬の夏野菜ですが年間を通してスーパーに並んでいるため、あらゆるレシピで大活躍の食材です。
様々な調理方法で相性が良く、炒め物や揚げ物、漬物、煮物など、和洋中問わず美味しく食べられるのが特徴です。
しかし、その栄養成分の約90%が水分であることから、栄養がないと思っている方も多いかもしれません。
でも実はダイエットや美容、生活習慣病予防にまで効果的のようです。
鮮やかな紫色が特徴的ななすの皮には、ポリフェノールの一種である「ナスニン」と呼ばれる栄養成分が含まれます。
これは、ブロッコリーやホウレン草などの野菜よりも強力な抗酸化作用をもつことから、シミやシワ、たるみ、ソバカスなどの
肌トラブルを防いでアンチエイジングケアに活躍してくれます。
さらにナスニンは、コレステロール値を低下させる働きがあることが研究で明らかとなっています。
このため、
なすには、カリウムが豊富に含まれています。
カリウムは、体内の余分な塩分や水分などの老廃物の排出を促して、体内の体液バランスを整える働きがあります。
カリウムが不足すると、水分をため込んでしまうので、顔や脚などがむくむ原因になるので注意しましょう。
なすは、ダイエット中に大敵なむくみ対策にも大活躍する野菜と言えます。
その他、ミネラルやビタミン、食物繊維などが含まれているのはもちろん、水分量が多いことから100g当たりのカロリー
はおよそ22kcalと低カロリー!
これなら、たくさん食べてもヘルシーです。
また、なすに含まれる食物繊維がお腹の中で膨れて満足感を得やすくしてくれるので無駄な食べ過ぎを防いでくれます。
普段の食事で上手に取り入れれば、よりダイエット効果を高めることができるかもしれません。
ピーマンには水溶性食物繊維が100gあたり0.6g、不溶性食物繊維は1.7g含まれています。
水溶性食物繊維は糖質の吸収を抑え、血糖値の上昇をおだやかにしたり、コレステロールの吸収を抑制して、体外への排泄を
促したりします。
また不溶性食物繊維には腸を刺激し、便を出やすくするはたらきがあります。
水溶性、不溶性ともに善玉菌を増やす作用があり、ピーマンには水溶性、不溶性どちらも含まれているので、腸内環境を整える
のに役立ちます。
ピーマンにはカリウムが、100gあたり190mg含まれています。
カリウムは細胞の浸透圧を維持したり、酸、アルカリのバランスを保ったりするほか、
調節するはたらきがあります。
またナトリウムの尿中への排泄を促すので、塩分(ナトリウム)の取り過ぎによるむくみ対策に役立ちます。
ピーマンにはβ-カロテンが100gあたり400μg含まれています。
β-カロテンは抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去するはたらきがあります。
また網膜の光に対する反応に関与したり、粘膜を正常に保つはたらきによりウイルスの侵入を抑えたりします。
さらに肌の新陳代謝を促して、調子を整えるはたらきがあります。
ピーマンにはビタミンCが100gあたり76mg含まれています。
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を抑えるはたらきがあります。
またコラーゲン生成に不可欠で、皮膚や粘膜の健康を守ります。
さらにストレスへの抵抗力を高めるはたらきもあり、暑さや寒さ、疲労、心痛などの精神的・肉体的どちらのストレスにも
作用します。
たばこを吸う人は、より多くのビタミンCを必要としているといわれています。
ピーマンにはビタミンEが100gあたり0.8mg含まれています。
ビタミンEには抗酸化作用があり、血中コレステロールや脂肪の酸化を抑えます。
また、毛細血管を広げて血流をよくし、血液の流れが悪いと起こりやすい腰痛や冷え性の対策に役立ちます。
紫外線から肌を守る作用があり、肌の調子を整えることが期待できます。
ピーマンには、ヘスペリジン(ビタミンP)という栄養素が含まれています。
ポリフェノールの一種でビタミンPとも呼ばれ、抗酸化作用を持つほか末梢血管を強くするはたらきがあります。
また、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪を低下させ、善玉(HDL)コレステロールを増やす作用も。
さらに、コラーゲン生成に必要なビタミンCの吸収を促進する作用があることも認められており、注目の栄養素です。
ピーマンのタネやワタも、食べられることをご存じでしょうか?
タネにはカリウムが含まれていて、塩分の摂り過ぎによるむくみ対策に役立ちます。
ワタには、ピラジンやカプサイシンが含まれています。
ピラジンは血が固まるのを抑える成分で、血流対策になります。
カプサイシンにはコレステロール値の上昇を抑えたり、血行を促進したりするはたらきがあります。
ヘタのまわりには汚れや細菌が付きやすいので、しっかり洗いましょう。
実の中に虫がいたり、タネが黒くなっている場合があるのでご注意ください。
白いことが特徴なカリフラワー、白さを保つ為に収穫前に葉をまとめて花蕾を蓋い日光を遮る栽培方法です。
カリフラワーは別名花キャベツで、花蕾の部分を食用にします。
1980年代になって緑黄色野菜の人気が高まって同じアブラナ科(花びらが4枚あり、十字架のような花が咲く植物)
ブロッコリーの陰に隠れてしまった感がありますが淡色野菜カリフラワーが含有している栄養素やダイエット食材で話題に
なっています。
緑黄色野菜とは色の濃い野菜などβ-カロテンを豊富に含む野菜の総称です。
ベータカロチンとは野菜に含まれる赤や橙色など色素の一つです。
体内でビタミンAに作り変えられ、強い抗酸化力があり、がん細胞に抵抗する効果が期待され、免疫力の強さに影響する大切な
成分となります。
人参、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、大根の葉などが緑黄色野菜です。
淡色野菜とは「薄い色をした野菜」で緑黄色野菜以外の野菜全般です、
カロチンの含有量は少ないですが、緑黄色野菜より劣っているのではありません。
免疫効果が高い物や食物繊維の多い物、糖質が低く、ビタミンなどの栄養素が多い物などがあります。
カリフラワー、キャベツ、だいこん、玉ねぎ、セロリ、レタスなどが淡色野菜です。
花蕾がかたく締まり、こんもりと盛り上がっているものが新鮮です。
全体的にずっしりとした重みがあり、色は変色がなく純白なものを選びます。
周りの葉の切り口も変色していない新しい物を選んで下さい。
淡色野菜は見た目は色合いが薄い野菜ですが、水分や食物繊維の量が緑黄色野菜よりも多いという特性があります。
基本的に緑黄色野菜よりも栄養価は低い傾向にありますが、緑黄色野菜よりも量を食べやすく、糖質が低く、食物繊維を多く
摂取できるという効能があります。
アブラナ科の野菜は栄養価がとても高く、ビタミンC、ビタミンK、タンパク質、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、
マグネシウム、リン、繊維、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、カリウム、マンガンなど多くの種類の栄養素をバランスよく含んで
いて、カリフラワーを定期的に食べることで体の機能を正常に維持するための栄養素を簡単に摂ることが出来、糖質が低いのも
魅力的です。
カリフラワーはビタミンCとカリウムが豊富で、食物繊維も比較的多く含みます。
ビタミンCは花蕾(つぼみ)に多く含まれています。
ビタミンCの含有量は食材の中でもトップクラス!キャベツの約2倍、果物と比較してもイチゴやみかんよりも多いのが特徴で
ビタミンCが豊富なイメージのあるレモンとほぼ同じ量が含まれています。
カリフラワーには健康に嬉しい効果がたくさんあります。
アンチエイジング、生活習慣病、コレステロール、むくみ、便秘、ストレス、貧血、妊産婦、肌、風邪、デトックス、癌これらの
予防、改善、栄養補給にカリフラワーの栄養素の効能があります。
糖質が低いのでダイエットにも効果があります。
「ビタミンC」は疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効能があります。
美容定番の栄養素でコラーゲンの生成、シミやニキビの改善、紫外線から肌を守るなど美白と抗酸化作用でアンチエイジングの
効能がが期待できます。
「カリウム」も豊富に含まれていて
また、運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。
カリフラワーに多く含有されている水に溶けない不溶性食物繊維は腸を刺激して排便を促し、便秘を予防する効能があります。
また食物繊維を含むことで噛む回数が増え、食べ過ぎ防止、顎を強化する効能にも期待できます。
葉酸は細胞の分化に欠かせない栄養。胎児の先天異常の発症リスクを下げる効能があり、妊娠中、授乳中の女性に積極的に摂って
ほしい栄養です。
カリフラワーにはビタミン、ミネラルの栄養素も含有しています。
主な「ビタミンB群」ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるの手助け、ビタミンB2は糖質と脂肪の代謝を高めエネルギーに
変えるのを促します。
ビタミンB6はタンパク質の代謝を高めます。
ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンでエネルギー代謝に必要な栄養素です。
新陳代謝を高める働きがあり、ダイエット効果が期待できます。
芽キャベツはあまりスーパーで見かけないという方も多いかもしれませんがころんとして小さい形がかわいらしい野菜です。
緑黄色野菜に分類され、キャベツの赤ちゃんではなく葉の付け根の部分にできる『わき芽』が結球したものです。
アブラナ科キャベツの変種の1つでベルギーのブリュッセルが原産なので英語名は「Brussles sprouts」という名前がついています。
別名を
・コモチカンラン
・ブラッセルズスプラウト(英語名の読み方ですね)
・ヒメキャベツ
とも言います。
キャベツの茎の分岐点に連なった形で出来るのですが、栄養価が高いのが特徴です。
旬の時期は一般的なキャベツの場合
・冬キャベツ・・・1〜3月
・春キャベツ・・・3〜4月
・夏キャベツ・・・7〜8月
となっていますが、芽キャベツの場合は12〜3月ごろに出回ります。
1個当たり役9〜10g程度、4kacl なので計算もしやすいのも特徴です。
10個食べればだいたい100g程度というわけです。
ではどのような栄養素が豊富なのかというと、実はビタミンCが一般的なキャベツの約4倍もの量含まれています。
これは芯の部分が普通のキャベツに比べて割合が大きいことが挙げられます。
大きいものは芯を捨ててしまうこともありますが、芽キャベツの場合は丸ごと食べられるためしっかりと栄養を吸収することが
できるんです。
その他にも
・カロテン
・たんぱく質
・食物繊維
・ビタミンB群
・ビタミンK
・ビタミンE
・カリウム
などを多く含んでいます。
そのため
・美肌効果
・便秘解消などの腸内環境改善
・ストレス解消に
・美髪効果
・アレルギーの症状を和らげる
・小児喘息の発作を防ぐ
・うつや不眠症などの精神状態をよくする
・
などの効果が期待できます。
それぞれどのような栄養素によって効能が期待できるかご紹介します。
ビタミンCは160 mg含まれており、実はレモンと比べても芽キャベツの方が多く含まれています。
(レモン100gあたりのビタミンC含有量は100rです)
ビタミンCには強い高酸化力があるため、ストレスが多い時にも積極的に摂取したい栄養です。
また老化の原因となる活性酸素を減らす働きもあるためがん予防にも役立ちます。
野菜なので意外に思われるかもしれませんが、たんぱく質も100gあたり5.7g含まれています。
同時にたんぱく質の代謝を助けるビタミンB6も豊富なので摂取したたんぱく質を有効活用できる野菜でもあります。
肉や魚、豆、卵などのたんぱく質が苦手な方や、これらの食材ばかりではなく野菜も組み合わせて摂取したいという方におすすめの
食材といえるのではないでしょうか。
ビタミンEには胃腸の細胞壁の酸化を防止する働きがあります。
食物繊維は100gあたり、水溶性食物繊維 1.4 g、不溶性食物繊維 4.1 gと不溶性のものが多く含まれています。
水溶性食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きが期待でき、不溶性には排便を促進する働きがあります。
この両方がバランスよく含まれていると、より腸内環境の改善効果が期待できるとされています。
ビタミンB6は100gあたり0.3 mg含まれています。
これは一般的なものに比べて3倍の量が含まれている計算になります。
ビタミンB6にはどのような効果があるのかというと、主にたんぱく質の代謝に役立つ栄養素です。
たんぱく質を有効に使えるようになることで、皮膚の再生が促進されるため美肌効果が期待できるだけではなく、髪の毛の
健康にも役立ち美髪にも期待ができます。
また脂質の代謝にもかかわっているので、脂肪肝の予防にも役立つとされています。
さらに神経伝達物質の生成ともかかわりがあるため、うつや不眠症などの精神状態をよくする効果も望めます。
子供にも積極的に食べさせたい野菜で、小児喘息の発作を防ぐ、アレルギー症状を軽くするなどの働きがこのビタミンB6には
期待されています。
カリウムは塩分の排出に役立つ栄養素で、
一般的なキャベツには100gあたり200rのカリウムが含まれていますが、芽キャベツには100gあたり610rも含まれています。
約3倍もの量が含まれているというわけです。
そのため塩分が多い食事に取り入れるのもおすすめです。
「果物の王様」と呼ばれるメロンは、糖質やカリウムを豊富に含んでいます。
≪糖質はすばやくエネルギー源となり、またカリウムにはむくみや
かつては高級フルーツの代名詞でしたが、近年は多くの品種が出回るようになりました。
種のまわりのわたの部分にも有効成分が含まれています。
メロンは、ウリ科キュウリ属のつる性の一年草で、旬の時期は5月〜7月です。
メロンの原産地はアフリカで、中近東で栽培化されて東西に伝わっていきました。
東へ伝わったものを東洋系メロン、西へ伝わったものを西洋系メロンと呼びます。
日本に古くからあるマクワウリやシロウリなどの東洋系メロンは、2000年以上前に朝鮮半島や中国から日本に伝わったと
考えられ、縄文〜弥生時代の遺跡から種子がみつかっています。
さらに明治時代になると欧米から網目のあるネットメロンなどの西洋系メロンの品種が多く導入されました。
「マクワ」の名前は当時の美濃国真桑村が特産地として知られたことによるものです。
昭和30年代までは庶民の夏の果物として広く栽培されていましたが、現在では産地といえるほどの栽培地はありません。
果形は丸型から円筒型、俵型、偏円型など様々で重さも300gから1kgにわたります。
甘さや香りは控えめですが、さわやかな風味があります。
マクワウリと南ヨーロッパの品種であるキャンタロープの交配種です。
マクワウリにはない高級感から、たちまち消費者に受け入れられ栽培が全国に広がりました。
それまで高嶺の花であったメロンを一般大衆のものとしたさきがけの品種といえます。
ネットと呼ばれる果皮の網目がない品種です。
果肉は白肉か緑肉のものが主流で、果皮と果肉が白色で糖度が高く肉質も良いホームランスターや、黄色い皮のキンショー
などがあります。
温室メロンの一種であるアールス・フェボリットは、「果物の王様」という地位を確立しています。
やや香気に乏しいものの、麝香(ムスク musk)に似ているとされるその芳香からマスクメロンとよばれています。
現在、一年を通して同じ外観・品種のメロンを栽培することができるようになったのは、温室メロンは長期にわたり改良されてきた
ためともいえます。
入念な温度管理と水分管理のもと、1株あたり1果実のみが収穫されます。
栽培が難しく、高価であるので、主に贈答用や業務用に利用されています。
生産地は静岡県と愛知県です。
ネット(網目)が密に入る高級感のある外観で、食味や日持ちに優れたアンデスや、表面に縦筋ができ、高糖度で肉質の優れた
アムスや、現在ハウスメロンの中心です。
またネット型ハウスメロンは品種改良が進み、栽培が簡単で、生産の主流となっています。
代表品種は北海道の夕張メロンです。
赤肉系メロンには、緑黄色野菜のほうれん草に匹敵する多量のβ-カロテンが含まれています。
メロンはビタミンCが豊富なのでたんぱく質の豊富なヨーグルトと組み合わせることでバランス良く栄養をとることができます。
またヨーグルトの酸味でメロンをおいしく食べることもできます。
イタリア料理の前菜でよく目にする組み合わせです。
これはハムのナトリウムを排出し、減塩効果を高めるカリウムの効果を生かすためにも好ましい食べ合わせといえます。
またメロンには、たんぱく質分解酵素を含んでいるので肉の消化をよくする働きもあります。
体内でビタミンAに変わるβ-カロテンや食物繊維などの有効成分の多くは、メロンの種に近いワタの部分に存在します。
またワタの周辺には、血液をサラサラにするアデノシンという成分が含まれており、
ています。
できるだけワタの部分は、捨ててしまわずに食べるべきです。
さらにメロンには、ほてりを冷まして炎症を鎮める効果や、胃腸の働きを活発にして食欲を増進させる効果も期待できます。
これらは、同じエネルギー源でも脂質やたんぱく質と比べて、体内ですばやくエネルギーに変わります。
そのため夏バテの回復には効果的です。
またメロンにはクエン酸も含まれています。
クエン酸は、糖の代謝を活発にし、乳酸を燃焼させてエネルギーにかえる働きがあります。
これらのことからメロンは疲労回復効果の高い食べ物であるといえます。
メロンには、すいかの約3倍のカリウムが含まれています。
カリウムには、余分なナトリウムを排出し、体内の水分バランスを整える働きがあり、
さらに夏場は汗をかくことでカリウムが失われやすいので、初夏が旬のメロンはよい供給源になります。
また血圧を下げる効果があるとされるGABA(ギャバ)も多く含まれています。
メロンには、β-カロテンが含まれています。
β-カロテンは、必要なだけ体内でビタミンAに変換され、残りは体内で抗酸化作用を発揮します。
ビタミンAは粘膜を保護し、ウイルスの侵入を防ぐ効果があります。
またβ-カロテンは発がん物質がDNAを傷つけるのを防いだり、傷ついたDNAを修復する力を高めたり、活性酵素の働きを弱めて
酸化を防ぐなどの効果があります。
またメロンには抗酸化酵素SODも含まれており、β-カロテンと同様に、酸化ストレスを予防し、免疫力維持に役立ちます。
さらにメロンに含まれる食物繊維には、発がん物質を体外に排出する効果があります。これらの効果により免疫力を高め、
がんやかぜの予防に期待ができます。
バジルには心身及び中枢神経の強壮作用があり、体のさまざまな機能を高めてくれる働きがあるといわれています。
また鎮静作用も秘めており、腹痛や吐き気、胃痙攣といった症状を鎮めてくれます。
イライラをしずめて神経を落ち着かせたり、偏頭痛にも効果があるといわれています。
1.便秘の解消に効果を発揮し、お通じを良くします。
2.かゆみを抑える効能があるといわれ、皮膚のかゆみが出やすい人によいです。
3.体を温める効果があるため、手足の冷えやすい冷え性の人におすすめです。
4.バジルのハーブティーは、不眠症にも有効です。
バジルはインド、インドシナ半島、モルッカ諸島原産のハーブです。
インドでは、聖なる力を秘める神聖な植物として崇められてきました。
その後ヨーロッパにも広まりバジルは料理用のスパイス、薬草用、また観賞用としても重宝されるようになりました。
日本にも江戸時代に伝来しています。
目のゴミを洗い流すためにその種子を利用したことから、日本ではメボウキと呼ばれていました。
バジルという名は、ギリシャ語の「王様」という言葉(バシレウス)に由来するといわれています。
一方、このハーブが空想上の生物バジリスクの毒を消すとされたことに由来する…という説もあります。
バジルには、一般的によく使用されるスイートバジルのほか、ブッシュバジルやシナモンバジル、ライムバジル、ホーリーバジル
など数多くの品種があります。
その数150種以上といわれ、観賞用としても人気です。
日当たりがよく、少し湿り気のある肥えた土地を好み、10〜40pほどの高さに生長します。
葉の収穫は春から秋頃まで。
白い穂状の花を咲かせますが、花が咲き終わると枯れてしまいます。
そこで、葉を長いあいだ収穫したい場合には花芽を摘んでおきます。
食欲を刺激するような、スパイシーな香りを放つ葉や種子は、世界各地の料理に活用されています。
特にトマトとの相性がよく、ピザやパスタを始めとしたイタリア料理には欠かせません。
タイやベトナムなど、東南アジア料理にもよく利用されます。
じゃがいもは海外では主食となるため、主な成分はでんぷんです。
その他にもビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB6も豊富に含んでいるため、フランスでは「大地のりんご」とも呼ばれています。
ジャガイモの栄養成分の中でも特徴的なのが、ビタミンCです。
含有量はりんごの約5倍という驚異的な数値にも拘わらず、でんぷんに包まれているため、保存や加熱によっても成分が壊れにくいです。
エネルギー | 76kcal |
水分 | 79.8g |
たんぱく質 | 1.6g |
炭水化物 | 17.6g |
カリウム | 410mg |
マグネシウム | 20mg |
リン | 40mg |
鉄 | 0.4mg |
亜鉛 | 0.2mg |
マンガン | 0.11mg |
ビタミンB1 | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
ビタミンC | 35mg |
食物繊維総量 | 1.3g |
食品成分表(可食部 100gあたり)
プリン体と聞くと体に悪いもののようなイメージがあるかもしれませんが、実はプリン体は体の生命活動に必要な栄養の一つです。
細胞の代謝や増殖などに使われ、多く摂取し過ぎた場合には尿酸として体の外へ排出されます。
じゃがいもには、100gあたり約6.5mgのプリン体が含まれています。
かぼちゃのプリン体含有量が約56.5mg、さつまいもが約17mgなので、いも類の中では少ない方です。
では、プリン体以外の詳しい成分を見てみましょう。
じゃがいもは炭水化物を多く含みます。
100gあたり17.6g含まれており、でんぷんと呼ばれるものです。
じゃがいもを切った包丁についた水分が白かった、じゃがいもを水に漬けておいたら水が白く濁った、という経験はありませんか?
これは溶け出したじゃがいものでんぷんです。
ブドウ糖という砂糖の仲間が集まってできたものがでんぷんですが、人の活動源として大切な栄養とされています。
食物繊維は人の消化酵素では消化できない成分で水に溶けない不水溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維の2つの種類があります。
じゃがいもは、この2種類の食物繊維をほぼ同量含んでおり、お通じ改善に繋がる大きな栄養素です。
じゃがいものタンパク質は100gあたり1.6gで、植物性タンパク質と呼ばれています。
タンパク質は肉や血をつくるのに欠かせない栄養素なので、積極的に取り入れたい栄養です。
シンプルな見た目のじゃがいもですが、意外にもビタミンCを多く含んでいます。
そして、じゃがいものビタミンCはでんぷんに包まれ守られているため加熱しても壊れにくいのです。
100gあたり35mg含まれていますが、茹でたり炒めたりと加熱をしても流れ出てしまうことが無いのは良いですよね。
じゃがいもならではの特性です。
じゃがいもに含まれる鉄分は、その還元率の良さがポイントです。
鉄分と言えばレバーなど主に肉類に含まれていますが、その還元率は約10%ほどと言われています。
これに対しじゃがいもにはビタミンCも含まれているため、鉄分が吸収されて還元しやすいのです。
じゃがいもにも含まれており、コレステロールの吸収を抑制する作用や血糖値の急な上昇を防ぐ作用があるほか、善玉菌を増やして
腸内環境を整える働きもあり優秀です。
葉酸は、100gあたり21μg(マイクログラム)含まれています。
1マイクログラムは100万分の1gなので、あまり多いとは言えません。
ビタミンB12と共に赤血球を助ける成分ですが、ほうれん草や春菊、グリーンアスパラガスに豊富に含まれています。
gi値とは、グリセミック・インデックスの略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のことです。
じゃがいもは90、ニンジンは80、しいたけは28、ほうれん草は15と、野菜の中でも高低があります。
ほくほくとした野菜の方が多く含まれているようです。
では、じゃがいもにはどのような効果効能があるのか詳しく見ていきましょう。
いも類には食物繊維が多く含まれますので、じゃがいもにも便利解消が期待されます。
食物繊維は腸の中で膨らみ、便と一緒になって外に出ようとします。
便秘薬にも食物繊維配合のものがありますので、便秘で悩んでいる方は積極的に普段の食事に取り入れてみてください。
じゃがいもにはビタミンCが多く含まれているとお話しましたが、他にも美容成分の一つ、ケイ素が含まれています。
ケイ素は、コラーゲンとヒアルロン酸を肌の上でつなぐ役割や、筋肉の疲労回復を助ける役割を持っています。
肌だけではなく髪や爪も強くしてくれますし、なんと言っても気軽に手に入るので、美容を気にかけている方におすすめしたい
野菜です。
便秘が解消されると自然とお肌の調子も良くなりますので、美肌への効果が期待されます。
コラーゲンとビタミンCが一緒になったサプリがありますが、ビタミンCはコラーゲンの体内生成を促進し、ハリを保って弾力のある
お肌にする効果があります。
食物繊維とビタミンCを豊富に含んでいるので、肌の調子が気になる際には是非取り入れたい野菜ですね。
実はじゃがいもは、体のむくみを改善する役割を持っています。
これはじゃがいもに含まれるカリウムという成分が、ナトリウムや余分な水分を排出する働きがあるからです。
塩分であるナトリウムを摂取し過ぎてしまうと、どうしても体の中に水分が溜まりやすくなってしまいます。
これがむくみの原因となるのですが、カリウムの力で排出することができるのです。
じゃがいもに含まれるビタミンCには、白血球の力を強化して免疫力を高める作用があります。
美肌や美容にも効くビタミンCですが、活性酸素を抑制する抗酸化作用があり、基礎的な抵抗力アップに繋がります。
抗酸化作用はアンチエイジングにも効きますので、体の免疫を高めつつ美容効果も望むことができます。
風邪を引きそうな時や、季節の変わり目などに取り入れるのも良いかもしれません。
きゅうりは、ギネス世界記録に「Lest calorific fruit」として登録されています。
これを直訳すると「最も熱量が低い(ローカロリーな)果実」という意味になります。
本来はカロリーの低さに着目されていますが、いつの間にか「世界で1番栄養が少ない野菜」と誤解され、その情報が広まって
しまいました。
確かにきゅうりは、可食部100g当たり14kcalとカロリーは低いですが、カロリーが低いからといって栄養素が少ないとは限りません。
栄養がないと思われているきゅうりですが、色鮮やかな緑色の表皮には抗酸化力に優れたβ-カロテンや、体内の余分な水分の排出を
助け、むくみの解消に有効なカリウムなどが含まれています。
そのため、美容や健康のためには積極的に食べたい野菜の一つでもあります。
また、体を冷やす作用もあるので特に日本の暑い夏におすすめの野菜です。
きゅうりの中で最も注目したい栄養素がカリウムです。
特に皮の部分に多く、中サイズのきゅうり1本(約100gあたり)200mg含まれているため、皮は剥かずに一緒に食べることが
おすすめです。
カリウムは、主に細胞の正常な活動をサポートしてくれる役割があります。
ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持し水分保持を行うため、むくみや
他にも細胞内の酵素反応を調整する働きで、エネルギー代謝をスムーズにする効果もあります。
カリウムは摂りすぎた場合でも、尿中に排泄されるため普段の食事で過剰摂取することはありません。
しかし、腎機能が低下していて尿の排泄が困難な方は、高カリウム血症を起こす場合もあるので注意が必要です。
カルシウムは、日本人に不足しがちなミネラルの一つで、中サイズのきゅうり1本(約100gあたり)26mg含まれています。
カルシウムは体重の1〜2%を占めていて、体内に最も多く含まれるミネラルです。
99%は骨や歯に、残り1%は血液や筋肉に含まれていて血液凝固や筋肉収縮、神経の興奮の抑制などを行っています。
そのため、カルシウムが慢性的に不足すると、骨量が減少し、骨折や骨粗しょう症を引き起こす可能性が高くなります。
特に閉経後の女性は、ホルモンの関係で骨量が減少しやすくなるので意識して摂りたい栄養素の一つです。
特にきゅうりの皮に多く含まれるβ-カロテンは、1本(約100gあたり)330μg含まれていて、β-カロテンは体内でビタミンAに
変換されます。
ビタミンAは目が光を感じるために必要なロドプシンという網膜の色素の主成分で、目の健康維持に役立ってくれます。
また、β-カロテンは粘膜を正常に保つ働きがあるため、感染症を予防し免疫力を上げてくれます。
さらに、抗酸化作用もあり、有害な活性酸素を除去し老化予防にも一役かっている栄養素です。
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、摂りすぎる心配はほとんどありません。
時々、きゅうりが苦いと感じることはありませんか?
これらは腐り傷んでいるというわけではありません。
植物には自分の身を守るために微量に毒を含むものが多く存在し、きゅうりなどのウリ科の野菜に含まれているものが、ククルビタシン
というステロイドの一種です。
暑い時期や寒い時期など、比較的栽培が難しい時期に気温や水分量の関係で、頭の部分が苦いものがありますが、これがククルビタシン
という苦味成分で、焼く、茹でるなどしても残ってしまうため、その部分は切り落として調理することをおすすめします。