◆ 一笠一杖 いちりゅういちじょう |
笠ひとつ、杖ひとつ。束縛するものがない身軽な身になって旅をすることのたとえ。 |
◆ 意中之人 いちゅうのひと |
思いを寄せる相手。心に思い定めた人のこと。特に、恋しく思っている異性、恋人についていう。 |
任務の適任者の候補などにつかうことがある。 |
◆ 一五一十 いちごいちじゅう |
事の始めから終わりまで。最初から最後まで全部もれなく、すべて。 |
一から十までということで、すべての意。「一伍一什」とも書く。 |
◆ 一体分身 いったいぶんしん |
一つの物事をもとにして、そこから分かれ出たいくつかの物事。一つのものからいくつかに分かれること。また仏教で、諸仏菩薩(しょぶつぼさつ)が衆生を救うために、さまざまに化身して出現すること。 |
後者は「いったいふんじん」とも読む。仏教の言葉で、世の人々を救うために、仏が様々な姿になった現れたということから。 |
◆ 異域之鬼 いいきのき |
他国で死ぬこと。またその遺体が本国に戻らない死者の魂をいう。 |
「異域」は、外国のこと。「鬼」は、死者の霊魂。故郷から離れて、外国に留まり続けている死者の魂という意味から。 |
◆ 唯唯諾諾 いいだくだく |
事事の善悪・是非をかまわず、他の意見に盲従すること。人の言いなりになるようす。 |
「唯唯」は、他人の意見に逆らわずに従うこと、「諾諾」は、自分の意見を持たずにうなずくことを意味する言葉。唯々諾々。 |
◆ 医鬱排悶 イウツハイモン |
気がふさがるのをいやし、気晴らしすること。 |
「医鬱」は、うっぷんを晴らすこと。「排悶」は、気晴らしをすること。似た意味の言葉を重ねて強調したもの。 |
◆ 易往易行 イオウイギョウ |
たやすく往生でき楽に修行できる。 |
南無阿弥陀仏と唱えるだけで極楽往生できると説く、他力念仏の浄土系の教えをいう。 |
◆ 位階褫奪 イカイチダツ |
官職を取り上げること。 |
「褫奪」は、剥奪すること。 |
◆ 移花接木 イカセツボク |
ひそかに人や物を取り替え、表面をつくろうこと。巧みにすり替える。 |
花の枝を接ぎ木するという意から。 |
◆ 衣冠盛事 イカンセイジ |
名門の家に生まれて功績をあげ、その家の盛んな名声を引き継ぐこと。また、その者。 |
「衣冠」は衣服とかんむりの意から、立派な家柄・名門をいう。「盛事」は立派な事業、また、盛大な事柄。 |
◆ 遺憾千万 イカンセンバン |
が[遺憾千万]の意味です
|
残念で仕方ないこと。非常に心残りであること。くちおしくてならない。 |
「遺憾」は、恨みを残したり、残念に思うことの意で、「千万」は、それがひどい状態。 |
◆ 衣冠束帯 イカンソクタイ |
公家の正装。朝廷に出仕するとき、着用する服装。公卿(くぎょう)の正装。 |
「束帯」は天皇以下文武百官が朝廷の公事に着用する正服。「衣冠」は、束帯を簡略化した服装のこと。衣冠と束帯の区別があまりされなくなった江戸時代後半からの語。 |
◆ 意気軒昂 イキケンコウ |
意気込みが盛んな様子。元気や勢力の盛んなさま。 |
「軒」「昂」ともに、高く上がる意味で、意気込みや心持ちが高揚してくることをいう。 |
◆ 意気昂然 イキコウゼン |
意気込みが盛んなようす。 |
「昂然」は、自信に満ちて、意気の盛んなさま。 |
◆ 意気自如 イキジジョ |
不屈の心。元気が元のままで少しもくじけないさま。 |
「意気」は気力や気概、「自如」は動じない様子。「自若」とおなじ。 |
◆ 意気消沈 イキショウチン |
元気をなくし、沈みこむこと。 |
「消沈」はもと「銷沈」と書いた。⇒「意気銷沈」 |
◆ 意気衝天 イキショウテン |
非常に元気なこと。意気込みが天をつくほど盛んなこと。大いに意気のあがる状態。 |
「意気」は気力や気概、「衝天」は天を衝くほど高いという意味。「意気天を衝く」と訓読みする。 |
◆ 意気阻喪 イキソソウ |
元気を失う様子。意気込みがくじける様を言う。 |
「意気」は気力や気概。「阻喪」は勢いを失い元気や勢いがなくなること。「意気阻喪」とも書く。 |
◆ 意気投合 イキトウゴウ |
お互いに気持ちが通じ合い、一体感を感ずる。互いの気持ち、考えなどがぴったりと一致して親しくなること。 |
「投」「合」は、ともに音や人の気持ちなどがぴったり合うという意。 |
◆ 以杞包瓜 イキホウカ |
高位の者がへりくだって賢者を求めること。 |
杞(高木の葉=高位の者)をもって瓜(うり=賢者)を包むこと。 |
◆ 意気揚々 イキヨウヨウ |
気持ちが高揚し、いかにも誇らしげに振る舞う様子。威勢がよく得意そうなさま。 |
「揚揚」は誇らしげなさまの意。 |
◆ 委曲求全 イキョクキュウゼン |
委曲を尽くして全体の調和をはかること。また全体がうまくいくように細かいことは譲歩するたとえ。 |
「委曲」は詳しく細かにすみずみまで行き届いていること、対象となるものに任せ従う意。 |
◆ 以魚駆蠅 イギョクヨウ |
物事の処理・解決に間違ったやり方・手段を用いるたとえ。 |
魚で蠅を追うとかえってますます蠅が寄ってくることから。 |
◆ 衣錦還郷 イキンカンキョウ |
ぜいたくな衣服を着て故郷へ帰る。立身出世して生まれ故郷へ帰ること。 |
「錦を衣(き)て郷に還(かえ)る」と訓読する。「錦」は金や銀などの糸で織り込んだ美しい絹織物のこと。 |
◆ 郁郁青青 イクイクセイセイ |
青々と生い茂り、よい香りを漂わせているさま。水際に生えたよろい草やふじばかまの様子をいった語。 |
「郁郁」は、香りのよいさま。「青青」は、生い茂るさま。 |
◆ 異口同音 イクドウオン |
多くの人が、同じ言葉を口にすること。また、多くの人が一致して同じ意見をいうこと。 |
「異口」は、異なった口の意で、多くの人々の言葉ののこと。「口」を「句」と書き誤りやすいので注意。 |
◆ 夷険一節 イケンイッセツ |
自分の運命が平穏であろうと、また険しく厳しいものであろうと、節操を変えずその職責を全うすること。 |
「夷険」は、土地の平らな所と険しい所。 |
◆ 衣香襟影 イコウキンエイ |
よい香がしみこんだ着物を着込んだ姿。化粧して着飾った女性の形容。 |
「衣香」は、衣服にたきしめる香。 |
◆ 異国情緒 イコクジョウチョ |
よその国の雰囲気や、気分。エキゾチシズム。 |
「情緒」は、事に触れて起こるさまざまの微妙な感情や雰囲気。また、その周囲をとりまく雰囲気や気分。「いこくじょうしょ」とも読む。 |
◆ 為虎添翼 イコテンヨク |
強いものに、さらに勢いをつけること。虎に翼を添えるともう、かなう者はいない。 |
◆ 意在言外 イザイゲンガイ |
はっきり言わずに言外ににおわせる。 |
文章でいうと行間に真意を含ませる表現法。 |
◆ 移山倒海 イザントウカイ |
大規模な工事のたとえ。 |
自然を征服しようとするくらい意気込みの盛んなさまという意味から。 |
◆ 意識過剰 イシキカジョウ |
自分に対する周囲の目を、必要以上に気にすること。 |
◆ 意識朦朧 イシキモウロウ |
意識が不確実なこと。周りの状況がわからないくらい意識がかすんでぼんやりとしているさま。 |
「朦朧」は、おぼろげなさま。 |
◆ 意志堅固 イシケンゴ |
物事をやり抜こうをする心が、しっかりとしていること。また困難な状況に置かれても我慢強いこと。 |
「意志」は物事をやり抜こうとする心。「堅固」はかたいこと、心がしっかりしていること。 |
◆ 意思疎通 イシソツウ |
お互いの考えがよく通じること。 |
「疎通」は、とどこおりなく通じること。 |
◆ 以耳代目 イジダイモク |
実際には見ていないのに聞いただけで見たことにする。他人の報告をそのまま信用すること。 |
◆ 意志薄弱 イシハクジャク |
意志が弱く、忍耐、決行などをなしえぬこと、がまん強さに欠けること。 |
「薄弱」とは、弱くて、しっかりしていないこと。 |
◆ 意思表示 イシヒョウジ |
自分の考えや思いを、外部に表明すること。 |
◆ 石部金吉 イシベキンキチ |
非常に物堅く、融通のきかない人。 |
まるで石や金でできているようだというところからきている。生真面目で男女の機微にうとい人をからかうときに使われる。より意味を強調した「石部金吉金兜」という言葉もある。 |
◆ 意趣遺恨 イシュイコン |
何かの手段で晴らさずにはいられないような、忘れ難い恨み。 |
「意趣」は、心の状態。意向。ここでは、日本独特の用法で、恨み。「遺恨」は、忘れられない恨み。 |
◆ 遺臭万載 イシュウバンザイ |
悪名や、よくない評判を後世まで残すこと。 |
「遺」は残すこと。「臭」は悪臭ということから、悪い噂や評判のたとえ。「万載」は万年という意味。 |
◆ 萎縮震慄 イシュクシンリツ |
生気を失い、恐怖で身をすくめていること。 |
「震慄」は恐怖で震えること。「痿縮震慄」とも書く。 |
◆ 意趣卓逸 イシュタクイツ |
考え方がすぐれていること。 |
「意趣」は、意向。「卓逸」は、抜きんでていること。 |
◆ 衣装道楽 イショウドウラク |
きれいな衣装を好んで着たり、たくさんもつことを好んだりすること。また、その人。着(き)道楽。 |
◆ 以升量石 イショウリョウコク |
小人の狭い心では大人物・賢人の大きな心を量り知ることは無理だ、ということ。 |
◆ 医食同源 イショクドウゲン |
医薬や食事ももとは同じ、天然のものに頼るのがいい。 |
東洋医学の発想から生まれた予防医学的なたとえで、日常の食生活の中にも医療の根源があるということ。 |
◆ 一栄一辱 イチエイイチジョク |
人は社会の状況などによって、栄えることもあれば、恥辱にまみれることもあること。また、人の世のはかなさをいう。 |
栄えているときは戒めとして、衰えているときは慰めの語として用いる。「辱」ははずかしめを受けること。「一」はあるときは、の意。 |
◆ 衣食礼節 イショクレイセツ |
生活が豊かになれば、道徳心が高まって礼儀を知るようになる。衣食足りて礼節を知る。 |
「衣食」は衣服と食物のことから、生活に必要な品のこと。「礼節」は礼儀と節度のこと。「衣食足りて礼節を知る」という形で使われることが多い言葉。 |
◆ 以心伝心 イシンデンシン |
言葉や文字を使わなくても、お互いの意志が通じること。 |
仏教語の一つ。仏教用語で、言葉や文字で表現することが難しい仏法の真髄を師から弟子の心に伝えることから。もともと禅宗で用いていた。「心を以て心に伝ふ」と訓読みする。 |
◆ 異体同心 イタイドウシン |
身体は異なっていても、心がお互いに一致していること。 |
「異体」は異なる体のこと。「同心」は心が同じであること。夫婦や友人同士などの心が、互いに一致して固く結ばれていることのたとえ。 |
◆ 意先筆後 イセンヒツゴ |
書を作るに当たっては、まずその作品についての意図・構想を明確にさせてから書くべきだ。 |
技法より作者の主体的なモチーフ、意図を重視した言葉。 |
◆ 衣帯不解 イタイフカイ |
あることに非常に専念すること。衣服を着替えることもせず、不眠不休で仕事に熱中すること。 |
「衣帯」は着物と帯。「衣帯(いたい)解(と)かず」と訓読する。また、「不解衣帯(ふかいいたい)」ともいう。 |
◆ 異端邪宗 イタンジャシュウ |
正統でない異なる教え。 |
「異端」とは、その世界や時代で正統とする信仰や思想などから、はずれていること。「邪宗」とは、不正な(人心を惑わす)宗旨・宗教。邪教。邪宗門。特に江戸時代、キリシタン宗のこと。 |
◆ 異端邪説イタンジャセツ |
正統でないよこしまな教え、思想、学説。聖人が行なうべきでない正しくない教え。 |
「異端」は多くの人には認められず、少数の人によって信じられている主張や学説、宗教などのこと。「邪説」は道理に外れた主張や学説のこと。 |
◆ 一意攻苦 イチイコウク |
心を打ち込んで、苦しみながら考えること。 |
「一意」は、一つの物事に集中すること。「攻苦」は苦難、苦境とたたかうという意味。転じて、苦心して勉強すること。 |
◆ 一意専心 イチイセンシン |
他に心を向けず、ひたすらひとつのことに心を集中すること。わき見をせずその事のみに心を用いること。 |
「一意」とは、そのことだけに心を注ぐの意。「意を一にし心を専らにす」と訓読する。「一意摶心」とも書く。 |
◆ 一意奮闘 イチイフントウ |
心を一つのことに集中し、奮い立って戦うこと。また、力いっぱい努力すること。 |
「一意」は、一つの事に心を集中すること。 |
◆ 一衣帯水イチイタイスイ |
一本の帯のような狭い川や海のこと。また、そのような水を隔てて近く接していること。または、互いの関係が非常に深いこと。 |
【故事】陳の君主の悪政によって庶民が飢えと寒さで窮地に陥ったときに、隣国の隋の文帝が「たった一本の帯のような川(揚子江)に隔てられているからといって、民を見捨てることができるか」といって、陳の国を討伐したという故事から。 |
◆ 一栄一落 イチエイイチラク |
春になると花が咲き、秋には葉が落ちるところから。「一」は”ある時は”という意味。「栄」は繁栄すること。「落」は衰退すること。 |
◆ 一円一帯 イチエンイッタイ |
そのあたり一面。 |
◆ 一月三舟 イチガツサンシュウ |
仏道は一つであるのに、衆生の受け止め方で、種々の意味に解釈されるたとえ。 |
止まっている舟から見る月は動かず、南へ行く舟から見る月は南に動き、北へ行く舟から見る月は北へ動くように見えるということ。「いちげつさんしゅう」とも読む。 |
◆ 一往一来 イチオウイチライ |
行ったり来たりすること。行き来すること。 |
「往」は行くこと。「来」は来ること。 ※「一…一…」は「あるときは…あるときは…」の意。 |
◆ 一牛鳴地 イチギュウメイチ |
一頭の牛の鳴き声が聞こえるほどの近い距離。または、のどかな田舎、田園風景のこと。 |
「牛鳴」とは牛の鳴く声のことで、牛の鳴き声が聞こえるほど近い距離という意から。「一牛鳴」とも略す言葉。「いちごみょうち」とも読む。 |
◆ 一芸一能 イチゲイイチノウ |
一つの技芸・才能。 |
「芸」と「能」は技術や才能という意味。 |
◆ 一言一行 イチゲンイッコウ |
ひとつひとつの言葉や行い。何の気なしに言うことばや、何の気なしにする行為。 |
「いちごんいっこう」とも読む。 |
◆ 一言居士 イチゲンコジ |
何にでも一言いわないと気のすまない人のこと。例え他人に言い尽くされ、何も付け加える内容が無くても、とにかくひとこと意見を言いたがる人。 |
仏教語の一つ。「居士」は仏教の信者で、世俗を捨てずに家庭にいながら仏教の修行をする人のこと。または、死後につける男子の戒名の称号のこと。「一言抉(こじ)つける」を人の名前に似せた言葉。「いちごんこじ」とも読む。 |
◆ 一言隻句 イチゲンセキク |
ほんの短いことば。ちょっとしたことば。 |
「隻句」は、わずかな言葉。「いちごんせきく」とも読む。 |
◆ 一言半句 イチゲンハンク |
ほんの少しの言葉。ちょっとした言葉。ひとこと。 |
「半句」は、一言にも足りないほどのわずかな言葉。 |
◆ 一期一会 イチゴイチエ |
一生に一度の出会いのこと。また、そのことが生涯に一度限りであることを表し、人との出会いなどの機会を大切にすることのたとえ。 |
「一期」は、人が生まれてから死ぬまでの間を意味する仏教語で、もともとは茶道の心得を説いた言葉だった(今日という日、そして今いる時というものは二度と再び訪れるものではない。そのことを肝に命じて茶会を行なうべきである)。「一会」は一度の会合や集会などの人の集まりのこと。もとは千利休の弟子の山上宗二が説いた茶人の心構え。
たとえ同じ人、同じ場所で茶会を開いたとしても、同じものになることはなく、毎回生涯で一度だけのものなので、主人も客も誠意を尽くすべきであるというもの。 |
◆ 一言芳恩 イチゴンホウオン |
ひとこと声をかけてもらったことを恩に感じ、主人として仰ぐこと。また、ひとこと声をかけてもらったことを忘れずに感謝すること。 |
「一言」は、ひとこと。「芳恩」は、他人から受けたご恩。「芳」は、他人に関する物事に付けて、敬意を表す。 「いちげんほうおん」と読むのは誤りである。「一言」は、「いちげん」と読むことも多いが、この場合は慣用的に「いちごん」と読む。 |
◆ 一字一句 イチジイック |
一つの文字と一つの語句。わずかな字句。 |
「一字」と「一句」という似た意味の言葉を重ねて強調したもので、主に書き言葉についていう。 |
◆ 一字三礼 イチジサンライ |
敬虔けいけんな態度で写経すること。また、そのような態度で写経せよという教え。 |
仏教語の一つ。写経するとき、一字書写するたびに、三度仏を礼拝したことからいう。 |
◆ 一字千金 イチジセンキン |
価値の高い文章。一字に千金の価値があること。 |
他人の作をほめるときの形容。恩師の教えをたたえるときにも使われる。「一字」は「一言」ともいう。 |
◆ 一日三秋 イチジツサンシュウ |
相手に対する情愛のほどが非常に強いことのたとえ。また、ある物事や人が、早く来てほしいと願う思いが深いこと。 |
「三秋」は、三度の秋を経ることから、三年の意。「いちにちさんしゅう」とも読む。一般には、「一日三秋の思いで待つ」と用いる。 |
◆ 一日千秋 イチジツセンシュウ |
一日会わないだけで随分会わない気がする。待ち遠しく思う気持ち。 |
「千秋」は、非常に長い年月のこと。もとは「一日三秋」で、これを強調した表現。「いちにちせんしゅう」とも読む。 |
◆ 一日之長 イチジツノチョウ |
技能や経験・知識などがいくらか勝っていること。 |
一日だけ先に生まれて、ほんの少し年齢が上であることから転じた。自分の経験・能力・技能などを謙遜していう語。 |
◆ 一字半句 イチジハンク |
わずかなことば。 |
◆ 一字不説 イチジフセツ |
仏教で、仏の悟りの内容は奥深く、言葉で言い表すことはできないということ。 |
釈迦が悟り得た境地を、一字も説いていないということから。 |
◆ 一字褒貶 イチジホウヘン |
詩や文の一字の使い分けによって人を誉めたり貶したりすること。 |
「褒」は褒めること。「貶」はけなすこと。歴史書”春秋”の表現様式のことをいう。 |
◆ 一汁一菜 イチジュウイッサイ |
ひと碗の吸い物と一品のおかず。質素な食事をいう。 |
「一汁」は、ひと椀の吸い物、「一菜」は一品のおかずを指す。修行僧や奉公人などは、このような食事が多かったといわれる。 |
◆ 一上一下 イチジョウイチゲ |
その場に応じて適切に処理するたとえ。 |
あるいは上り、あるいは下ること。上げたり、下げたりすることから。「一…一…」は「あるいは…し、あるいは…する」の意。もと宇宙の精気が絶えず循環運行し、少しも停滞しないことをたとえた語。 |
◆ 一場春夢 イチジョウノシュンム |
人の栄華は、春の夜のように極めてはかないということ。人生のはかないことのたとえ。 |
「一場」はほんの短い間の意。春の夜にみる夢のように儚いということから。 |
◆ 一新紀元 イチシンキゲン |
新しい時代の始まり。古いことが終わりを告げ、新たな時代が始まる最初の年。 |
「新紀元」は新時代の最初の年のこと。 |
◆ 一族郎党 イチゾクロウトウ |
血縁のある同族と家来たち。家族や関係者の全員。 |
「一族」は血縁者の総称。「郎党」は家臣のこと。「一族郎等」とも書く。 |
◆ 一諾千金 イチダクセンキン |
一度承諾したことは、千金にもかえがたいものであり、必ず守らなければならないというたとえ。 |
「一諾」は一度承知して、引き受けること。「千金」は大金のたとえ。 |
◆ 一団和気 イチダンノワキ |
やすらぎ、なごやかな雰囲気。親しみやすい態度。また、無原則に他人に合わせて、表面的に和らいでいるように見せることを卑しんでいうこともある。 |
「一団」は一つのまとまった、ひとかたまりの意。 |
◆ 一読三嘆 イチドクサンタン |
すばらしい詩文などを読んで、非常に感銘を受けること。また、そのような詩文や本のたとえ。 |
一度読んで幾度も感嘆する意から。「三」は何度もという意味。「嘆」は感心して褒め称える、感嘆という意味。 |
◆ 一日一善 イチニチイチゼン |
一日に一つだけいいことをすること。 |
◆ 一木難支 イチボクナンシ |
ひとたび傾きかけると、一人の力ではどうすることもできないということ。 |
「一木(いちぼく)支(ささ)え難(がた)し」と訓読する。 |
◆ 一枚看板 イチマイカンバン |
人に見せられる、ただ一つのもの。取り柄。 |
ただそれだけで他に代わりのないもの。一座の花形役者。また、大勢の中の中心人物という意味から。芝居からきた語で、芝居小屋では重要な役者の名前を一枚の看板に書いたことに由来している。 |
◆ 市松模様 イチマツモヨウ |
黒と白との四角形を互い違いに並べた模様。 |
◆ 一味爽涼 イチミソウリョウ |
ひたすらすがすがしいこと。 |
「一味」は、もっぱら。 |
◆ 一味同心 イチミドウシン |
同じ目的をもって集まり、心を一つにすること。また、その仲間。 |
「一味」はほかの味を交えない一つの味の意から、平等・同一の意。また、志を同じくするという意から、仲間・同志をいう。「同心」は志を同じくすること。また、その人々。 |
◆ 一味徒党 イチミトトウ |
同じ目的をもって結ばれた仲間。多く、悪事に加わることをいう。 |
◆ 一網打尽 イチモウダジン |
犯人などを一度で全員捕らえること。一網であたりのすべての魚を捕まえる意から。「悪人一味は―に検挙された」 |
◆ 一毛不抜 イチモウフバツ |
きわめて物惜しみの強いこと。非常にけちで利己的な人のたとえ。自分のためにならなければ、毛一本すら抜こうとしない意から。 |
◆ 一目十行 イチモクジュウギョウ |
書物を読むことが非常に速いこと。一目見ただけで、すぐに一〇行の文字を読み取ることができる意。 |
◆ 一目瞭然 イチモクリョウゼン |
ひとめ見ただけで、はっきりと分かること。「二人の差は―だ」 |
◆ 一問一答 イチモンイットウ |
一つの問いに対して、一つの答えをする会話。また、質問と答えを繰り返すこと。 |
◆ 一文半銭 イチモンハンセン |
ごくわずかな金銭のこと。「文」「銭」は昔の小銭の単位。 |
◆ 一文不通 イチモンフツウ |
一つの文字も知らず、読み書きがまったくできないこと。 |
◆ 一夜十起 イチヤジッキ |
人間は私情や私心に左右されやすいたとえ。 |
◆ 一遊一予 イチユウイチヨ |
遊んだり楽しんだりすること。「予」は楽しみの意。 |
◆ 一葉知秋 イチヨウチシュウ |
わずかな現象から物事の大勢を察知すること。一枚のキリの葉が落ちるのを見て、秋が来たことに気づく意から。 |
◆ 一陽来復 イチヨウライフク |
@冬が終わり、春が来ること。また、新年。「―を寿(ことほ)ぐ」 A悪いことが続いたあと、幸運に向かうこと。 B陰暦一一月。また、冬至のこと。 |
◆ 一利一害 イチリイチガイ |
よいこともあるが、悪いこともあること。利益もあるが、損害もあること。 |
◆ 一粒万倍 イチリュウマンバイ |
少しのものから多くの利益を得るたとえ。一粒の種から万倍もの収穫を得ることができる意から。また、わずかなものでも粗末にしてはならないという戒め。 |
◆ 一了百了 イチリョウヒャクリョウ |
根本の一つを知れば、すべてを知ることができること。 |
◆ 一蓮托生 イチレンタクショウ |
@事のよしあしにかかわらず仲間として行動や運命をともにすること。 A仏死後、極楽浄土に往生し、同じハス(蓮)の花の上に生まれ変わること。 |
◆ 一労永逸 イチロウエイイツ |
長く安楽な生活は、その前にたいへんな苦労を重ねなければ得られないということ。 |
◆ 一路平安 イチロヘイアン |
旅立つ人を見送るとき、道中の無事を祈っていう言葉。 |
◆ 一攫千金 イッカクセンキン |
一度にたやすく大きな利益を得ること。「一攫」は一つかみの意。「―を夢みる」 |
◆ 一家眷族 イッカケンゾク |
家族と血族関係にある親族。「眷族」は血縁の者。一族とその従者や部下をいうこともある。 |
◆ 一家団欒 イッカダンラン |
家族が集まって、楽しくむつまじくすること。「団欒」は、集まって輪をつくること。類親子団欒・家族団欒 |
◆ 一喜一憂 イッキイチユウ |
情勢の変化に伴って、そのつど喜んだり心配したりすること。「子どもの成績に―する」 |
◆ 一気呵成 イッキカセイ |
文章をひと息に書き上げること。また、仕事を一気に仕上げてしまうこと。「―に手紙を認(したた)めた」 |
◆ 一騎当千 イッキトウセン |
一人で千人の敵を相手にできるほど強いこと。また、人並みはずれた能力のたとえ。「―のつわもの」 |
◆ 一球入魂 イッキュウニュウコン |
野球で、一球一球に全力を傾注すること。 |
◆ 一虚一盈 イッキョイチエイ |
あるときは空になり、あるときは満ちること。常に変化して予測がしにくいことのたとえ。 |
◆ 一挙一動 イッキョイチドウ |
一つ一つの動作や振る舞い。「―を見守る」 類一挙手一投足 |
◆ 一挙両失 イッキョリョウシツ |
一つの行動で、同時に二つのことがだめになること。 |
◆ 一挙両得 イッキョリョウトク |
一つのことをして、同時に二つの利益を得ること。また、少ない労力で多くの利益を得るたとえ。 |
◆ 一件落着 イッケンラクチャク |
一つの事柄や事件が解決すること。決着すること。「犯人の自首によって―した」 |
◆ 一口両舌 イッコウリョウゼツ |
前に言った内容とちがうことを平気で言うこと。一つの口に二枚の舌があるという意から。二枚舌。 |
◆ 一刻千金 イッコクセンキン |
楽しい時や大切な時が過ぎやすいのを惜しんでいうたとえ。わずかな時間でも千金の値打ちがあるという意から。 |
◆ 一顧傾城 イッコケイセイ |
絶世の美人のたとえ。美人がひとたび振り返っただけで、君主がその色香に惑わされて国を滅ぼしてしまうということ。 |
◆ 一切合切 イッサイガッサイ |
何もかも残さずすべて。「災害で―失った」 |
◆ 一切衆生 イッサイシュジョウ |
仏この世に生を受けたすべてのもの。生きとし生けるもの。 |
◆ 一死七生 イッシシチショウ |
仏天上界で一度死んで、七度この世に生まれ変わる意。転じて、何度も生まれ変わること。 |
◆ 一子相伝 イッシソウデン |
学問や技芸の奥義を、わが子一人だけに伝授し、他にはもらさないこと。 |
◆ 一視同仁 イッシドウジン |
すべての人を差別せず平等に愛すること。 |
◆ 一紙半銭 イッシハンセン |
一枚の紙と半文の銭。ごくわずかなもののたとえ。 |
◆ 一死報国 イッシホウコク |
命をかけて国のために力を尽くすこと。 |
◆ 一瀉千里 イッシャセンリ |
@物事が一気にはかどるたとえ。川の水が傾斜地を流れ出すと、たちまち千里も走る意から。「―にかたづく」 A文章や弁舌がよどみないことのたとえ。「―に書きあげる」 |
◆ 一宿一飯 イッシュクイッパン |
旅先などで、ほんの少し世話になること。一泊させてもらい、一食を振る舞われる意。「―の恩義」 |
◆ 一觴一詠 イッショウイチエイ |
酒を飲みながら詩を作り、歌って風流を楽しむこと。「觴」はさかずきのこと。 |
◆ 一生懸命 イッショウケンメイ |
命がけで物事にあたること。本気で物事に打ちこむさま。 |
◆ 一唱三嘆 イッショウサンタン |
すぐれた詩文を賞賛する言葉。詩文を一度詠(よ)み上げる間に、何度も感嘆する意から。 |
◆ 一笑千金 イッショウセンキン |
わずかなほほえみが千金にも値すること。それほどの美人のたとえ。 |
◆ 一触即発 イッショクソクハツ |
非常に緊迫した状態や状況のこと。ちょっと触れただけで、すぐ爆発しそうな状態の意から。 |
◆ 一進一退 イッシンイッタイ |
進んだり退いたりすること。また、状態がよくなったり悪くなったりすること。「病状は―で安心できない」 |
◆ 一心一徳 イッシンイットク |
大勢の人が、共通の利益のために心を一つにして団結すること。「徳」は、「利益」の意。 |
◆ 一心同体 イッシンドウタイ |
二人以上の気持ちが、一つにまとまること。 |
◆ 一心不乱 イッシンフラン |
一つのことに心を集中し、他のことに心を乱されないこと。 |
◆ 一酔千日 イッスイセンニチ |
非常にうまい酒のこと。また、酒がよいものであるたとえ。ひと酔いしただけで気持ちよくなり、千日も眠る意から。 |
◆ 一寸丹心 イッスンのタンシン |
うそ偽りのない真心のこと。自分の真心を謙遜(ケンソン)していう言葉。 |
◆ 一世一代 イッセイチダイ |
@一生のうち、ただ一度のこと。「―の大事業」 A歌舞伎(カブキ)役者や能役者が引退を前に、得意の芸を演じること。 |
◆ 一石二鳥 イッセキニチョウ |
一つの行為で二つの利益を得ること。一つの石を投げて、二羽の鳥を落とす意から。 |
◆ 一殺多生 イッセツタショウ |
仏大きな利益のために小さな害をなすこと。多くの人を生かすためには、一人を殺すのもやむをえないという仏教的な考え方。 |
◆ 一銭一厘 イッセンイチリン |
ごくわずかな金銭、きわめてわずかなことのたとえ。 |
◆ 一体分身 イッタイブンシン |
仏仏が人々を救うために、さまざまに化身して現れること。また、一つのものがいくつかに分かれること。 |
◆ 一治一乱 イッチイチラン |
世の中が治まったかと思うとまた乱れ、乱れたかと思うとまた治まること。 |
◆ 一知半解 イッチハンカイ |
ちょっと知っているだけで、十分には理解していないこと。なまかじり。 |
◆ 一張一弛 イッチョウイッシ |
厳しく接したり、優しく接したりして、人をほどよく扱うこと。弓の弦を強く張ったり、ゆるめたりする意から。 |
◆ 一朝一夕 イッチョウイッセキ |
わずかな期間、きわめて短い時間のたとえ。 |
◆ 一長一短 イッチョウイッタン |
人や物事について、長所もあり、短所もあるということ。 |
◆ 一超直入 イッチョウジキニュウ |
仏ひとたび迷いを超越できれば、ただちに悟りの境地に入ることができるということ。 |
◆ 一朝富貴 イッチョウフウキ |
思いがけず、急に裕福で高貴な身分になること。 |
◆ 一擲千金 イッテキセンキン |
一度に惜し気もなく大金を使うこと。また、大事を思い切って実行することのたとえ。 |
◆ 一点一画 イッテンイッカク |
漢字の一つの点と一つの筆画のこと。 |
◆ 一天四海 イッテンシカイ |
全世界のこと。「一天」は天下のすべて、「四海」は四方の海の意から。 |
◆ 一天万乗 イッテンバンジョウ |
天下を治める天子、または天皇のこと。「一天万乗の君」の略。 |
◆ 一刀三礼 イットウサンライ |
仏仏像を彫刻する態度が敬虔(ケイケン)であること。仏像を彫るとき、一彫りごとに三度礼拝する意から。 |
◆ 一刀両断 イットウリョウダン |
物事をすみやかに処理すること。また、物事をずばりと決断すること。一太刀で物を真っ二つに断ち切る意から。 |
◆ 一得一失 イットクイッシツ |
一方で利益があると他の一方で損失があること。利益と損失がともにあることのたとえ。 |
◆ 一徳一心 イットクイッシン |
一心一徳(イッシンイットク) |
◆ 一登竜門 イットリュウモン |
その時代の有力者に引き立てられれば、その人の価値は世の中から一〇倍にも評価されるということ。 |
◆ 一飯千金 イッパンセンキン |
わずかな恩でも、その恩を忘れず、十分な恩返しをするたとえ。一度受けた食事の恵みは、千金に値する恩があるという意。 |
◆ 一筆抹殺 イッピツマッサツ |
すべてを消し去ってしまうこと。よく考えずに、この世の事実や存在を全面的に否定すること。 |
◆ 一顰一笑 イッピンイッショウ |
顔に表れるわずかな表情。ちょっと顔をしかめたり、ちょっと笑ったりすること。 |
◆ 一碧万頃 イッペキバンケイ |
海や湖の水が、見渡すかぎり青々と広がっているさま。「頃」は面積の単位で、「万頃」はきわめて広いたとえ。 |
◆ 一片氷心 イッペンヒョウシン |
俗塵(ゾクジン)に染まっていない澄みきった心。清く美しい心のこと。ひとひらの氷のように清く澄んだ心の意から。 |
◆ 意到筆随 イトウヒツズイ |
詩や文を作るとき、自分の思うままに筆が進むこと。 |
◆ 以毒制毒 イドクセイドク |
逆効果をねらって、悪を制するために悪を用いるたとえ。毒を消すのに他の毒を用いる意から。 |
◆ 意馬心猿 イバシンエン |
煩悩や欲情などで心が乱れ、おさえがたいこと。ウマが走り回り、サルが騒ぎたてるのは制しがたいことから。「意」は心のこと。 |
◆ 衣鉢相伝 イハツソウデン |
@仏師から弟子に伝える教法や奥義のこと。また、正しい仏法を継ぐこと。「相伝」は代々伝える意。 A先人の事業などを継ぐこと。 |
◆ 夷蛮戎狄 イバンジュウテキ |
中国周辺部の異民族の総称。漢民族が異民族を見下して呼んだ言葉で、「東夷・南蛮・西戎・北狄」の略。 |
◆ 萎靡沈滞 イビチンタイ |
機能が衰え、活気や勢いがなくなってしまうこと。草木がなえしぼみ、水流がよどむ意から。 |
◆ 移風易俗 イフウエキゾク |
風俗や習慣を改め、よいほうへ移し変えること。「易」は移し変える意。 |
◆ 遺風残香 イフウザンコウ |
昔のすぐれた人物や、良い風俗のなごり。 |
◆ 遺風残香 イフウザンコウ |
昔のすぐれた人物や、良い風俗のなごり。 |
◆ 威風堂堂 イフウドウドウ |
威厳に満ちあふれてりっぱなさま。「堂堂」は雄大でりっぱなさま。 |
◆ 緯武経文 イブケイブン |
文化と軍事の両方を重んじて国を治めること。「緯」は横糸、「経」は縦糸。武を横糸、文を縦糸として美しい布を織る意から。 |
◆ 韋編三絶 イヘンサンゼツ |
同じ書物を繰り返し読むこと。また、学問に熱心なたとえ。 |
◆ 意味深長 イミシンチョウ |
人の言動や文章表現が奥深いさま。また、表現の裏に別の意味が含まれていること。 |
◆ 異類中行 イルイチュウギョウ |
仏仏が、人々を迷いから救うために、俗世間に身を投じること。また、禅僧が修行者を教え導くために、さまざまな方法を用いること。 |
◆ 異路同帰 イロドウキ |
方法や手段がちがっていても、同じ結果になるたとえ。道筋はそれぞれ異なっていても、行き着く先は同じである意から。 |
◆ 陰陰滅滅 インインメツメツ |
暗く陰気で気がめいるさま。また、陰気でもの寂しいさま。気分や雰囲気についていう。 |
◆ 飲灰洗胃 インカイセンイ |
心の奥底から改心すること。灰を飲んで胃の中の汚れを洗い清める意から。 |
◆ 因果応報 インガオウホウ |
仏人の行為の善悪に応じて、その報いが必ず現れること。よい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。 |
◆ 飲河満腹 インカマンプク |
人にはそれぞれ分があり、分に応じて満足すべきことをいう。モグラが大河の水を飲んでも、小さな腹を満たしただけで満足するという意から。 |
◆ 因機説法 インキセッポウ |
仏その場その場に適した説法を行い、仏法の真理を悟らせること。 |
◆ 韻鏡十年 インキョウジュウネン |
理解することが非常に難しいことのたとえ。「韻鏡」は唐代末の漢字の音韻を研究した書物。その内容は難解をきわめ、理解するのに一〇年はかかるという意から。 |
◆ 慇懃無礼 インギンブレイ |
あまりにていねいすぎて、かえって無礼になること。また、うわべは礼儀正しくていねいでも、実は尊大で相手を見下げているさま。 |
◆ 飲至策勲 インシサックン |
勝ち戦のあと、祖先の廟(ビョウ)の前で報告し、祝杯をあげ、戦功を竹の札(策)に書き記すこと。 |
◆ 因循姑息 インジュンコソク |
古い慣習にとらわれたまま改めようとせず、その場しのぎに終始するさま。 |
◆ 因小失大 インショウシツダイ |
小さな利害にこだわり、かえって大きな損失をすること。 |
◆ 印象批評 インショウヒヒョウ |
芸術作品などの評価において、客観的な基準によらず、その作品が自分に与える印象によって批評すること。 |
◆ 飲水思源 インスイシゲン |
物事の基本を忘れてはならないたとえ。また、人から受けた恩を忘れてはいけないという戒め。水を飲むとき、その水源のことを思う意から。 |
◆ 隠忍自重 インニンジチョウ |
怒りなどをじっとこらえて、軽々しい行動をしないこと。 |
◆ 陰陽五行 インヨウゴギョウ |
中国、漢の時代に流行した世界観。万物をつくりだす陰・陽の二気と、木・火・土・金(ゴン)・水の五行のかかわりあいによって、自然の異変や人事の吉凶などを説明するもの。日本の陰陽道(オンヨウドウ)もこの流れをくんでいる。 |