◆ 蒔かぬ種は生えぬ _まかぬたねははえぬ |
原因がないのに結果が生じることはないというたとえ。また、努力もせずに良い結果を期待することなど無駄だという教え。 |
◆ 曲がらねば世が渡られぬ _まがらねばよがわたられぬ |
正義や気まじめさだけで世の中は渡れないということ。相手が正しくないと思っても、時には融通をきかせて相手に合わせることも必要だということ。 |
◆ 枕を高くして寝る _まくらをたかくしてねる |
気にかかることがなく、安心してゆっくりと眠ること。心配事が全くないこと。 |
◆ 負け犬の遠吠え _まけいぬのとおぼえ |
臆病者が本人の前では出来ないくせに、陰では威張ったり悪口を言ったりすることのたとえ。 |
◆ 負けるが勝ち _まけるがかち |
争わないで相手に勝ちを譲ったほうが自分にとって有利な結果になり、自分の勝ちに繋がるということ。 |
◆ 馬子にも衣装 _まごにもいしょう |
どんな人間でも身なりを整えれば立派に見えることのたとえ。 |
◆ 先ず隗より始めよ _まずかいよりはじめよ |
遠大な事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいいというたとえ。また、物事は言い出した者から始めよというたとえ。 |
◆ 待つ間が花 _まつまがはな |
あれこれと想像しているうちが一番楽しいものだということのたとえ。 |
◆ 待てば海路の日和あり _まてばかいろのひよりあり |
今は状況が悪くとも、あせらずに待っていれば幸運はそのうちにやってくるということのたとえ。 |
◆ 俎板の鯉 _まないたのこい |
相手のなすがままに任せるより仕方ない状態のたとえ。 |
◆ 眉に唾を付ける _まゆにつばをつける |
だまされないように用心することのたとえ。 |
◆ 丸い卵も切りようで四角 _まるいたまごもきりようでしかく |
同じ意味のことを言うにも、言い方によって受け取られ方が違ってくるというたとえ。 |
◆ 真綿で首を絞める _まわたでくびをしめる |
じわじわと遠まわしに責めたり、痛めつけたりすることのたとえ。 |
◆ 真綿に針を包む _ まわたにはりをつつむ |
表面はやさしく親切な態度だが、心の中には底意地の悪さを持っていることのたとえ。 |
◆ ミイラ取りがミイラになる _みいらとりがみいらになる |
人を連れ戻しに行った者が、その目的を果たさずにとどまって帰ってこなくなること。また、人を説得にようとした者が、逆に相手に説得されてしまうことのたとえ。 |
◆ 身から出た錆 _みからでたさび |
自分の犯した言動が原因で、苦しんだり災いを受けたりすること。 |
◆ 右と言えば左 _みぎといえばひだり |
人の言うことにいちいち反対すること。 |
◆ 見ざる聞かざる言わざる _みざるきかざるいわざる |
とかく人間は自分にとって都合の悪いことや相手の欠点を、見たり聞いたり言ったりしがちだが、それらはしないほうがよいという戒め。 |
◆ 水清ければ魚棲まず _みずきよければうおすまず |
あまりに清廉すぎる人は、かえって人に親しまれず孤立してしまうことのたとえ。 |
◆ 水心あれば魚心 _みずごころあればうおごころ |
相手が好意を示せば、こちらも好意を持って対応しようということ。 |
◆ 水と油 _ みずとあぶら |
互いに気が合わず反発し合って仲が悪いこと。異質でとけ合わないもののたとえ。 |
◆ 水の泡 _みずのあわ |
努力がすべて無駄になることのたとえ。 |
◆ 水は方円の器に随う _みずはほうえんのうつわにしたがう |
人は環境や友人によって、良くも悪くも変わるというたとえ。 |
◆ 水を差す _みずをさす |
物事がうまくいっているときに邪魔をする。乱すことのたとえ。また、仲の良い者同士を仲違いさせること。 |
◆ 三日天下 _みっかてんか |
ごく短い期間だけ権力を握ったり、地位を得たりすることのたとえ。 |
◆ 三日坊主 _みっかぼうず |
非常にあきっぽく、長続きしないことのたとえ。また、そのような人のこと。 |
◆ 三つ子の魂百まで _みつごのたましいひゃくまで |
幼い頃の性格は、年をとっても変わらないということ。 |
◆ 実るほど頭の下がる稲穂かな _みのるほどあたまのさがるいなほかな |
人格者ほど謙虚であるというたとえ。 |
◆ 実るほど頭を垂れる稲穂かな _みのるほどこうべをたれるいなほかな |
人格者ほど謙虚であるというたとえ。 |
◆ 耳学問 _みみがくもん |
自分で学んだり研究したりしたのではなく、人から聞きかじっただけの知識や学問のこと。 |
◆ 身も蓋も無い _みもふたもない |
表現が露骨すぎて、風情がないこと。 |
◆ 見るは法楽 _みるはほうらく |
自分の目でいろいろなものを見るのは楽しいということ。また、見て楽しむだけならただであるということ。 |
◆ 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ _みをすててこそうかぶせもあれ |
自分の命を犠牲にする覚悟があってこそ、初めて窮地を脱して物事を成就することができるということ。 |
◆ 明鏡止水 _めいきょうしすい |
邪念が無く、静かに落ち着いて澄みきった心の状態のたとえ。 |
◆ 名人は人を謗らず _ めいじんはひとをそしらず |
名人ともなれば他人の短所をあげつらわないということ。 |
◆ 名馬に癖あり _めいばにくせあり |
すぐれた才能を持つ者には、変わった癖を持つ者が多いということのたとえ。また、平凡でおとなしいような人にはすぐれた働きはできないことのたとえ。 |
◆ 名物に旨い物なし _めいぶつにうまいものなし |
名物といわれているものは、実際に食べてみるとたいしておいしいものがないということ。転じて、世の中には、とかく評判倒れのものが多いというたとえ。 |
◆ 目から鱗が落ちる _めからうろこがおちる |
あることをきっかけに、今までわからなかったことが急に理解できるようになることのたとえ。 |
◆ 目から鼻へ抜ける _めからはなへぬける |
非常に利口で賢いさまのたとえ。また、物事の判断がすばやく抜け目のないさまのたとえ。 |
◆ 目糞鼻糞を笑う _めくそはなくそをわらう |
自分の欠点には気づかず、他人の似たような欠点を笑うことのたとえ。 |
◆ 目白押し _めじろおし |
多くの人や物事が込み合って並んだり、続いたりすること。 |
◆ 目高も魚の内 _めだかもととのうち |
小さくつまらないようなものでも、仲間には違いないというたとえ。 |
◆ 目と鼻の先 _めとはなのさき |
距離が非常に近いことのたとえ。 |
◆ 目に入れても痛くない _めにいれてもいたくない |
ひどくかわいがることのたとえ。 |
◆ 目には目を歯には歯を _めにはめをはにははを |
自分が害を受けたら、それと同じようにして復讐をすることのたとえ。 |
◆ 目の上の瘤 _めのうえのこぶ |
目ざわりであったりするもの。主に、自分より地位や能力が上の者に対して使う。 |
◆ 目は口ほどに物を言う _めはくちほどにものをいう |
情のこもった目つきは、言葉で説明するのと同等に、相手に気持ちが伝わるものだということ。 |
◆ 目は心の鏡 _めはこころのかがみ |
目にはその人の心の正邪が表れるということ。 |
◆ 面皮を剥ぐ _めんぴをはぐ |
厚かましい者をこらしめ、恥をかかせること。 |
◆ 面壁九年 _めんぺきくねん |
一つのことに忍耐強く専念すること。また、長い間わき目もふらずに打ち込んで努力することのたとえ。 |
◆ 盲亀の浮木 _もうきのふぼく |
出会うことが甚だ困難であることのたとえ。また、めったにない幸運にめぐり合うことのたとえ。 |
◆ 孟母三遷の教え _もうぼさんせんのおしえ |
子供の教育には、よい環境を選ぶことが大事だという教え。また、教育熱心な母親のたとえ。 |
◆ 餅は餅屋 _もちはもちや |
何事においても、それぞれの専門家にまかせるのが一番良いということのたとえ。また、上手とは言え素人では専門家にかなわないということのたとえ。 |
◆ 勿怪の幸い _もっけのさいわい |
思いがけないような幸運が舞い込んでくること。降ってわいたような好機。 |
◆ 沐猴にして冠す _もっこうにしてかんす |
外見は立派だが、中身は愚かな者をあざけって言うことば。また、地位にふさわしくない小人物のたとえ。 |
◆ 本木に勝る末木なし _もときにまさるうらきなし |
いくら取り替えてみても、結局は最初のものが一番よいというたとえ。特に、夫婦関係、男女関係についていう。 |
◆ 元の鞘に収まる _もとのさやにおさまる |
いったん離縁した夫婦や、絶縁した者が、再び以前と同じ関係に戻ることのたとえ。 |
◆ 元の木阿弥 _もとのもくあみ |
いったん良くなったものが、再び元の悪い状態に戻ること。 |
◆ 求めよ、さらば与えられん _もとめよ、さらばあたえられん |
与えられるのを待つのではなく、自ら積極的に努力すれば、必ずよい結果が得られるということ。 |
◆ 物言えば唇寒し秋の風 _ものいえばくちびるさむしあきのかぜ |
人の悪口を言えば、なんとなく後味の悪い思いをするというたとえ。また、余計なことを言えば災いを招くというたとえ。 |
◆ 物には時節 _ものにはじせつ |
何事にも、それをするのに適した時機というものがあり、それを外して行っても上手くはいかないということ。 |
◆ 物は相談 _ものはそうだん |
何事も一人で考え込まず、人に相談すれば案外うまくいくものであるということ。また、相談事を持ちかけるときに使う前置きの言葉。 |
◆ 物は試し _ものはためし |
何事もやってみないとわからないのだから、最初から諦めないでとにかくやってみるべきだということ。 |
◆ 物も言い様で角が立つ _ものもいいようでかどがたつ |
それほでないことでも、言い方によって相手の感情をそこなうことがあるから、言葉遣いには気をつけるべきだという戒め。 |
◆ 桃栗三年柿八年 _ももくりさんねんかきはちねん |
芽が出て実がなるまでに、桃と栗は三年、柿は八年かかるということ。また、何事も成し遂げるまでには相応の年月が必要だというたとえ。 |
◆ 諸刃の剣 _もろはのつるぎ |
一方では非常に役立つが、他方では大きな損害をもたらす危険もあるというたとえ。また、相手に打撃を与えるが、自分もそれと同等の打撃を受けるおそれがあるというたとえ。 |
◆ 門前市を成す _もんぜんいちをなす |
その家を訪ねてくる人がきわめて多いことのたとえ。また、商売繁盛してたくさんの客でにぎわっている様子。 |
◆ 門前雀羅を張る _もんぜんじゃくらをはる |
訪ねてくる客もなく、さびれている様子。 |