◆ 無いが意見の総じまい _ないがいけんのそうじまい |
放蕩や遊興にふける者は、金を使い果たせば自然におさまるということ。 |
◆ 内助の功 _ないじょのこう |
表立たない場所からの援助。特に、夫の活躍を支えるために家庭を守る妻の功績をいう。 |
◆ 無い袖は振れない _ないそではふれない |
実際に無いものはどうしようもないということのたとえ。 |
◆ 泣いて馬謖を斬る _ないてばしょくをきる |
全体の規律を守るためには、たとえ愛する者であっても私情を捨て、涙をのんで処分すること。 |
◆ 長い物には巻かれろ _ながいものにはまかれろ |
力のある者には従ったほうが得策であるというたとえ。 |
◆ 流れに棹さす _ながれにさおさす |
好都合なことが重なり、順調に事が運ぶことのたとえ。 |
◆ 泣きっ面に蜂 _なきっつらにはち |
不運・不幸が重なることのたとえ。 |
◆ 泣く子と地頭には勝てぬ _なくことじとうにはかてぬ |
道理の通じない者や権力者にはどうやっても勝てないから、無理を言われても従うしかないということ。 |
◆ 泣く子は育つ _なくこはそだつ |
大きな声でよく泣く赤ん坊は元気である証拠だから、丈夫に育つということ。 |
◆ 鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす _なくせみよりもなかぬほたるがみをこがす |
口に出してあれこれ言う者より、口に出して言わない者のほうが、心の中では深く思っていることのたとえ。 |
◆ 無くて七癖 _なくてななくせ |
癖が無いように見える人でも、少しは癖を持っているものだということ。 |
◆ 無くて七癖有って四十八癖 _なくてななくせあってしじゅうはっくせ |
人は誰しも多かれ少なかれ癖があるということ。 |
◆ 鳴く猫は鼠を捕らぬ _なくねこはねずみをとらぬ |
おしゃべりな者は、口先だけで実行力がないことのたとえ。 |
◆ 情けが仇 _なさけがあだ |
相手に対して好意や同情心を持ってしたことが、かえってよくない結果を招くことのたとえ。 |
◆ 情けは人の為ならず _なさけはひとのためならず |
人に情けをかけるのは、その人のためになるばかりでなく、やがてはめぐりめぐって自分に返ってくる。人には親切にせよという教え。 |
◆ 梨の礫 _なしのつぶて |
便りを出しても何の返事もこないこと。音沙汰のないこと。 |
◆ 為せば成る、為さねば成らぬ何事も _なせばなる、なさねばならぬなにごとも |
できそうもないことでも、その気になってやり通せばできるということ。 |
◆ 七転び八起き _ななころびやおき |
何度失敗しても、諦めずに立ちあがることのたとえ。浮き沈みの激しい人生のたとえ。 |
◆ 七度尋ねて人を疑え _ななたびたずねてひとをうたがえ |
物を紛失したときは、自分で何度もよく探してみるべきで、むやみに他人を疑ってはいけないという戒め。 |
◆ 名は体を表す _なはたいをあらわす |
名前はその物や人の性質や実体をよく表すものだということ。 |
◆ 怠け者の節句働き _ なまけもののせっくばたらき |
普段怠けている者に限って、休日に働き出すものだということ。 |
◆ 生殺しの蛇に噛まれる _なまごろしのへびにかまれる |
災いの根源や悪者の息の根を完全に取り去らなかったために、身に害が及ぶことのたとえ。 |
◆ 生兵法は大怪我のもと _なまびょうほうはおおけがのもと |
中途半端な知識や技術に頼ると、かえって大失敗をするということのたとえ。 |
◆ 波に千鳥 _なみにちどり |
絵になるような調和の良いもの、取り合わせの良いもののたとえ。 |
◆ 蛞蝓に塩 _なめくじにしお |
元気をなくして、すっかりしょげてしまうことのたとえ。また、苦手なものを前にして、萎縮してしまうことのたとえ。 |
◆ 習い性と成る _ならいせいとなる |
習慣もずっと続けているうちに、自然と身について、ついにはその人の生まれつきの性質のようになるということ。 |
◆ 習うより慣れろ _ならうよりなれろ |
人や本から教わるよりも、自分が練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられるということ。 |
◆ 成らぬ堪忍するが堪忍 _ならぬかんにんするがかんにん |
どうしても我慢できないことを我慢するのが、本当の意味での忍耐であるということ。 |
◆ 習わぬ経は読めぬ _ならわぬきょうはよめぬ |
知識や経験のまったくない物事をやれと言われても、できるものではないということのたとえ。 |
◆ 名を捨てて実を取る _なをすててじつをとる |
名誉は人に譲り、実利を取ったほうが賢明だということ。 |
◆ 汝の敵を愛せよ _なんじのてきをあいせよ |
自分に対して悪意を抱いている者や、迫害してくるような敵こそ慈愛の心を持って接しよという教え。 |
◆ 南船北馬 _なんせんほくば |
全国各地を旅すること。また、せわしなく旅をしていること。 |
◆ 煮え湯を飲まされる _にえゆをのまされる |
信頼している人に裏切られて、ひどい目にあうことのたとえ。 |
◆ 二階から目薬 _にかいからめぐすり |
物事が思うようにいかず、もどかしいさま。また、回りくどくて効果が得られないことのたとえ。 |
◆ 逃がした魚は大きい _にがしたさかなはおおきい |
一度手に入れかけて失ったものは、実際よりも大きく(素晴らしく)見えるものだということ。 |
◆ 苦虫を噛み潰したよう _ にがむしをかみつぶしたよう |
きわめて苦々しい顔つき。ひどく不機嫌そうな表情のこと。 |
◆ 握れば拳開けば掌 _にぎればこぶしひらけばてのひら |
たとえ同じ物でも、気持ちや状況しだいで様々に変化するということのたとえ。 |
◆ 憎まれっ子世に憚る _にくまれっこよにはばかる |
人から憎まれるような者ほど、逆に世間では幅をきかせるものであるということ。 |
◆ 肉を切らせて骨を断つ _ にくをきらせてほねをたつ |
自分自身も傷つく覚悟をして、相手により大きな打撃を与えることのたとえ。 |
◆ 逃げるが勝ち _にげるがかち |
無駄な戦いや愚かな争いなら、避けて逃げるほうが、結局は勝利や利益を得られるということ。 |
◆ 二足の草鞋を履く _にそくのわらじをはく |
両立し得ないような二つの職業を一人ですること。また、相反するような仕事を同じ人が兼ねること。 |
◆ 似た者夫婦 _にたものふうふ |
夫婦は性格や趣味が似ているということ。また、一緒に暮らしていくうちに、そうなるということ。 |
◆ 似て非なる者 _にてひなるもの |
一見似ているが、本質は異なるもの。いかにも道理に合っているようだが、正しくないもの。まがいもののこと。 |
◆ 煮ても焼いても食えない _にてもやいてもくえない |
手に負えない。どうしようもないさまのこと。 |
◆ 二度あることは三度ある _にどあることはさんどある |
物事は繰り返し起こる傾向があるものだから、失敗を重ねないようにという戒め。 |
◆ 二兎を追う者は一兎をも得ず _にとをおうものはいっとをもえず |
欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえ。 |
◆ 二の足を踏む _にのあしをふむ |
決心がつかずためらう、尻込みをするということのたとえ。
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◆ 二の句が継げない _にのくがつげない |
あきれてしまって次に言う言葉が出ないこと。 |
◆ 二の舞を演じる _にのまいをえんじる |
前の人と同じ失敗をくり返すことのたとえ。
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◆ 女房と畳は新しい方が良い _にょうぼうとたたみはあたらしいほうがよい |
何でも新しいほうが気持ちが良いというたとえ。 |
◆ 女房の妬くほど亭主もてもせず _にょうぼうのやくほどていしゅもてもせず |
女房はとかく亭主にやきもちを妬くものだが、実際は、心配するほど亭主はよその女性にもてていないということ。
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◆ 鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん _にわとりをさくにいずくんぞぎゅうとうをもちいん |
小さなことを処理するために、大人物を用いたり大げさな手段を取る必要はないということのたとえ。また、適用の仕方が正しくないことのたとえ。 |
◆ 人間到る処青山あり _にんげんいたるところせいざんあり |
世の中は広く、死んで骨を埋める場所ぐらいどこにでもあるのだから、大望を成し遂げるためにならどこにでも行って、大いに活躍するべきであるということ。
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◆ 人間万事塞翁が馬 _にんげんばんじさいおうがうま |
人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。 |
◆ 人を見て法を説け _ ひとをみてほうをとけ |
人に何かを説いたり諭したりするときは、相手の性格や気質を考慮して、適切な言い方をすることが必要だという教え。
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◆ 忍の一字は衆妙の門 _にんのいちじはしゅうみょうのもん |
耐え忍ぶことを身につければ、どんなことでも成功のもとになるというたとえ。 |
◆ 糠に釘 _ぬかにくぎ |
やわらかい糠に釘を打つように、何の効き目も手ごたえもないことのたとえ。
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◆ 盗人猛猛しい _ぬすびとたけだけしい |
悪事を働いていながら、平然としているさま。また、それを指摘されると、開き直ったり噛み付いたりするさま。 |
◆ 盗人に追い銭 _ぬすびとにおいせん |
損の上にさらに損を重ねることのたとえ。
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◆ 盗人にも三分の理 _ぬすびとにもさんぶのり |
悪事を働いた者にも、それなりの理由はあるものだということ。また、どんなに筋の通らないことでも、その気になれば理屈はつけられるものだということ。 |
◆ 盗人の昼寝 _ぬすびとのひるね |
何の目的もなさそうに見える行為も、それ相応の思惑や理由があるものだということのたとえ。
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◆ 盗人を捕らえて見れば我が子なり _ぬすびとをとらえてみればわがこなり |
思いもよらない意外なことに直面し、始末に困ることのたとえ。また、親しい者であっても油断できないということのたとえ。 |
◆ 濡れ衣を着せる _ぬれぎぬをきせる |
無実の罪を負わすこと。
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◆ 濡れ手で粟 _ぬれてであわ |
何の苦労もしないで多くの利益を得ること、骨を折らずに金をもうけることのたとえ。 |
◆ 濡れぬ先こそ露をも厭え _ぬれぬさきこそつゆをもいとえ |
はじめは恐ろしいと思い慎んでいたような過ちでも、一度犯してしまうとどうでもよくなり、もっとひどいことでも平気でするようになってしまうというたとえ。
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◆ 濡れぬ先の傘 _ぬれぬさきのかさ |
失敗しないように前もって準備をしておくことのたとえ。 |
◆ 猫に鰹節 _ねこにかつおぶし |
油断できない状況を招くこと。また、危険な状況にあることのたとえ。 |
◆ 猫に小判 _ねこにこばん |
価値の分からない人に貴重なものを与えても何の役にも立たないことのたとえ。 |
◆ 猫に木天蓼 _ねこにまたたび |
非常に好きなもののたとえ。また、それを与えれば効果が著しいことのたとえ。 |
◆ 猫の首に鈴を付ける _ねこのくびにすずをつける |
計画の段階では良いと思われるであっても、いざ実行となると引き受け手がいないほど困難なことのたとえ。 |
◆ 猫の手も借りたい _ねこのてもかりたい |
非常に忙しいため、誰でもいいから手伝いが欲しいことのたとえ。 |
◆ 猫の額 _ ねこのひたい |
場所の狭いことのたとえ。 |
◆ 猫の目 _ねこのめ |
物事がめまぐるしく変化することのたとえ。 |
◆ 猫も杓子も _ねこもしゃくしも |
誰も彼も、何もかも、一緒くたにというたとえ。 |
◆ 寝た子を起こす _ねたこをおこす |
せっかく収まった物事に余計な言動をして、再び問題を起こすことのたとえ。また、潜んでいる欲望をあおって刺激を与えることのたとえ。 |
◆ 寝耳に水 _ねみみにみず |
突然、思いがけない出来事に出くわし驚くことのたとえ。 |
◆ 根も葉もない _ねもはもない |
何の根拠もないこと。何の理由もなく、まったく信頼できないこと。 |
◆ 寝る子は育つ _ねるこはそだつ |
よく寝る子は丈夫に育つということ。 |
◆ 年貢の納め時 _ねんぐのおさめどき |
長い間悪事をはたらき続けてきた者が、ついに捕えられて罪に服さねばならないこと。転じて、悪事に限らず、ある物事に見切りをつけて、諦めなければならないときのこと。 |
◆ 念には念を入れよ _ねんにはねんをいれよ |
用心の上に、さらに用心を重ねよということ。 |
◆ 能ある鷹は爪を隠す _のうあるたかはつめをかくす |
才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしないというたとえ。 |
◆ 嚢中の錐 _のうちゅうのきり |
すぐれた人物は、多くの人の中にいても自然に才能が現れ、目立つものだということのたとえ。 |
◆ 逃がした魚は大きい _にがしたさかなはおおきい |
一度手に入れかけて失ったものは、実際よりも大きく(素晴らしく)見えるものだということ。 |
◆ 軒を貸して母屋を取られる _のきをかしておもやをとられる |
一部を貸したばかりに全部を取られることのたとえ。また、恩を仇で返されることのたとえ |
◆ 残り物には福がある _のこりものにはふくがある |
人が取り残した物の中には、思いがけず良いものがあるということ。 |
◆ 喉元過ぎれば熱さを忘れる _のどもとすぎればあつさをわすれる |
苦しいことも過ぎてしまえば、その苦しさや恩も簡単に忘れてしまうということ。 |
◆ 上り一日下り一時 _のぼりいちにちくだりいっとき |
物事を作り上げる事は、時間も労力もかかり大変難しいものだが、壊れるのはあっという間だということ。 |
◆ 鑿と言えば槌 _ のみといえばつち |
万事に気が利くことのたとえ。 |
◆ 乗り掛かった船 _のりかかったふね |
いったん関わった以上は、途中でやめるわけにはいかないというたとえ。 |
◆ 暖簾に腕押し _ のれんにうでおし |
何の張り合いも手ごたえもないことのたとえ。 |