◆ 対岸の火事 _たいがんのかじ |
自分には何の関係もないので、痛くも痒くもないということ。 |
◆ 大吉は凶に還る _だいきちはきょうにかえる |
幸運はほどほどでよいことのたとえ。また、よいことばかりは続かないという戒め。 |
◆ 大器晩成 _たいきばんせい |
偉大な人物は、大成するまでに時間がかかることのたとえ。 |
◆ 大賢は愚なるが如し _たいけんはぐなるがごとし |
非常に賢い人は、自分の知恵をひけらかすようなことをしないから、一見愚かに見えるということ。 |
◆ 大巧は拙なるが若し _たいこうはせつなるがごとし |
真の名人は見かけの小細工などしないから、一見下手に見える。また、自分の芸を自慢することなどしないから、一見つたないように見えるというたとえ。 |
◆ 大根を正宗で切る _だいこんをまさむねできる |
大げさなことをするたとえ。また、才能のある人につまらない仕事をさせることのたとえ。 |
◆ 大山鳴動して鼠一匹 _たいざんめいどうしてねずみいっぴき |
大騒ぎしたわりには、実際には結果が小さいこと。 |
◆ 大事の前の小事 _だいじのまえのしょうじ |
大きな事を成しとげようとするときは、小さな事を軽んじてはならない。ちょっとした油断が大失敗を招くという教え。
反対に、大きな事を成しとげようとするときは、小さな犠牲にはいちいち構っていられないということ。 |
◆ 大智は愚の如し _だいちはぐのごとし |
本当に知恵のある者は知識をひけらしたりしないから、一見すると愚かなように見えるということ。 |
◆ 大同小異 _だいどうしょうい |
細かい部分にわずかな違いはあるが、おおよそは同じであること。 |
◆ 大道廃れて仁義あり _だいどうすたれてじんぎあり |
仁義を説く必要が生まれたのは、世の中の秩序が乱れ、道理が失われたことからだということ。 |
◆ 大は小を兼ねる _だいはしょうをかねる |
大きいものは小さいものの代用として使える。小さいものより大きいもののほうが使い道が広く役に立つということ。 |
◆ 大欲は無欲に似たり _たいよくはむよくににたり |
大望を抱いてる者は小さな欲になど目もくれないから、一見無欲に見えるということ。
また、欲が深すぎる人は欲に惑わされて損をすることがあり、結局は無欲と同じような結果になるということ。 |
◆ 高嶺の花 _たかねのはな |
ただ遠くから眺めているだけで、自分のものにはできないことのたとえ。 |
◆ 鷹は飢えても穂を摘まず _たかはうえてもほをつまず |
高潔な人は、どんなに困窮しても不正をして生きのびようとはしないことのたとえ。 |
◆ 高みの見物 _たかみのけんぶつ |
利害の関係ないところから、傍観することのたとえ。 |
◆ 宝の持ち腐れ _たからのもちぐされ |
役に立つものや、すぐれた才能を持っていながら、それを活用しなかったり、発揮せずにいることのたとえ。 |
◆ 多岐亡羊 _たきぼうよう |
学問の道が細分化しすぎて真理を得がたいこと。転じて、いくつもの方針があるため、どれを選ぶべきか迷ってしまうことのたとえ。 |
◆ 多芸は無芸 _たげいはむげい |
多くの芸や学問に通じている人は、一つのことを奥深くきわめることをしないから中途半端で、結局は無芸にも等しいということ。 |
◆ 竹に雀 _たけにすずめ |
取り合わせの良い一対のもののたとえ。 |
◆ 竹屋の火事 _たけやのかじ |
怒って大きな声でぽんぽんと文句を言ったり、叱りとばすことのたとえ。 |
◆ 他山の石 _たざんのいし |
他人のどんな言動でも、たとえそれが誤っていたり劣っていたりした場合でも、自分の知徳を磨いたり反省の材料とすることができるというたとえ。 |
◆ 他山の石以て玉を攻むべし _たざんのいしもってたまをおさむべし |
他人のつまらない言動も、自分の才能や人格を磨く材料とすることができるというたとえ。 |
◆ 多勢に無勢 _たぜいにぶぜい |
少人数で大勢に向かっても、勝ち目はないこと。 |
◆ 蛇足 _だそく |
余計なこと、なくてもよい無駄なもののたとえ。 |
◆ 叩けば埃が出る _たたけばほこりがでる |
どんなに表面を取り繕っていても、細かく調べていけば、欠点や不正、悪事などが出てくるものだということ。また、どんな人にも欠点や弱点があるものだということ。 |
◆ 多々益々弁ず _たたますますべんず |
仕事が多ければ多いほどたくみに処理できるということ。また、数が多ければ多いほど都合がよいということのたとえ。 |
◆ 畳の上の水練 _たたみのうえのすいれん |
理論や方法を知っているだけで、実際の役には立たないことのたとえ。 |
◆ 立っている者は親でも使え _たっているものはおやでもつかえ |
急ぐ場合には、誰でもよいからそばにいる者に用を頼むのがよいということ。 |
◆ 立って半畳寝て一畳 _たってはんじょうねていちじょう |
人は必要以上の富貴を望むべきではなく、満足することが大切であるという戒め。 |
◆ 立つ鳥跡を濁さず _たつとりあとをにごさず |
立ち去る者は、見苦しくないようきれいに始末をしていくべきという戒め。また、引き際は美しくあるべきだということ。 |
◆ 立て板に水 _たていたにみず |
弁舌が達者で、よどみなく流れるようにしゃべること。 |
◆ 蓼食う虫も好き好き _たでくうむしもすきずき |
人の好みはそれぞれで、ずいぶんと違いがあるということのたとえ。 |
◆ 盾に取る _たてにとる |
自分の立場を守るために、ある物事を言いがかりや口実の材料とすること。 |
◆ 伊達の薄着 _だてのうすぎ |
着膨れして格好が悪くなるのを嫌い、寒いときでも我慢して薄着をとおすこと。 |
◆ 立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花 _たてばしゃくやくすわればぼたんあるくすがたはゆりのはな |
美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花にたとえて形容する言葉。 |
◆ 棚から牡丹餅 _たなからぼたもち |
思いがけない幸運が舞い込むことのたとえ。 |
◆ 人の褌で相撲を取る _ひとのふんどしですもうをとる |
他人のものを利用したり、他人に便乗したりして、利益を得ること。 |
◆ 他人の疝気を頭痛に病む _たにんのせんきをずつうにやむ |
自分に関係のないことで余計な心配をすることのたとえ。 |
◆ 狸寝入り _たぬきねいり |
都合の悪いときなどに、寝たふりをすること。 |
◆ 旅の恥は掻き捨て _たびのはじはかきすて |
旅先には知人もいないし、長くとどまるわけでもないので、普段ならしないような恥ずかしい言動も平気でやってしまうものだということ。 |
◆ 旅は道連れ世は情け _たびはみちづれよはなさけ |
旅をするときに道連れがいると心強いように、世の中を渡っていくには人情をもって仲良くやっていくことが大切だということ。 |
◆ 卵に目鼻 _たまごにめはな |
色白でかわいらしい顔立ちのたとえ。 |
◆ 玉に瑕 _たまにきず |
ほとんど完全に近いものなのに、わずかな欠点があることのたとえ。 |
◆ 玉磨かざれば光なし _たまみがかざればひかりなし |
すぐれた才能や素質を持つ人物でも、努力して自分を磨かなければ、その才能や素質を活かせないというたとえ。 |
◆ 矯めるなら若木のうち _ためるならわかぎのうち |
悪い癖や欠点を直せるのは、柔軟性のある幼少のうちで、成長してからでは直しにくいものだということ。 |
◆ 足るを知る者は富む _たるをしるものはとむ |
満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで、幸福であるということ。 |
◆ 断機の戒め _だんきのいましめ |
物事を途中でやめてはいけないという戒め。 |
◆ 短気は損気 _たんきはそんき |
短気を起こすと、結局は自分が損をすることになるということ。 |
◆ 断金の交わり _だんきんのまじわり |
きわめて堅い友情で結ばれていること。非常に親しい交わりのこと。 |
◆ 断じて行えば鬼神も之を避く _だんじておこなえばきしんもこれをさく |
固い決意をもって断行すれば、何ものもそれを妨げることはできないというたとえ。 |
◆ 断腸の思い _だんちょうのおもい |
はらわたがちぎれるほどの、辛く悲しい思いのたとえ。 |
◆ 小さく生んで大きく育てる _ちいさくうんでおおきくそだてる |
子供は小さい子を産み、大きく成長させるのがよいということ。事業なども小資本で始め、だんだん大きくするのがよいやり方だということ。 |
◆ 知恵は小出しにせよ _ちえはこだしにせよ |
いざというときのために、一度にすべての知恵を出さないほうがよいということ。 |
◆ 知恵は万代の宝 _ちえはばんだいのたから |
すぐれた知恵は、時代を超えて役立つ永遠の宝であるということ。 |
◆ 竹馬の友 _ちくばのとも |
竹馬に乗って一緒に遊んだ幼い頃からの友達。幼ななじみ。 |
◆ 血で血を洗う _ちでちをあらう |
殺傷に対して、殺傷で応じることのたとえ。また、肉親同士が流血の争いをすることのたとえ。 |
◆ 治に居て乱を忘れず _ちにいてらんをわすれず |
平和な世にいても、万一のときに備えることを怠らないという教え。 |
◆ 智に働けば角が立つ _ちにはたらけばかどがたつ |
理性のみで動こうとすると、人間関係がぎすぎすするため穏やかに暮らせなくなるということ。 |
◆ 血は水よりも濃い _ちはみずよりもこい |
血の繋がった血縁者の絆は、どんなに深い他人との関係よりも深く強いものであるというたとえ。また、血は争えないということ。 |
◆ 茶腹も一時 _ちゃばらもいっとき |
わずかなものでも一時しのぎにはなるというたとえ。 |
◆ 忠言耳に逆らう _ちゅうげんみみにさからう |
忠告の言葉は、聞く者にとっては耳が痛いから、素直に受け入れられにくいということ。 |
◆ 忠臣は二君に仕えず _ちゅうしんはにくんにつかえず |
忠実な臣下は、いったん主君を決めたら、他の主君に仕えないということ。 |
◆ 朝三暮四 _ちょうさんぼし |
目先の違いにこだわって、結果が同じになることに気が付かないことのたとえ。また、ことば巧みに人をだますこと。 |
◆ 長者の万灯より貧者の一灯 _ちょうじゃのまんとうよりひんじゃのいっとう |
金持ちが見栄をはったり、儀礼的に多くの寄進をするよりも、貧しい人が真心を込めてする寄進のほうが尊いということ。 |
◆ 長所は短所 _ちょうしょはたんしょ |
長所も見方によっては短所になるということ。 |
◆ 提灯に釣鐘 _ちょうちんにつりがね |
釣り合いが取れていない、比較にならないことのたとえ。 |
◆ 提灯持ち _ちょうちんもち |
人の手先となる人。人にへつらってその人をほめてまわることや、そうする人。 |
◆ 掉尾を飾る _ちょうびをかざる |
物事の最後を立派にしめくくること。 |
◆ 頂門の一針 _ちょうもんのいっしん |
人の急所を突いた厳しい戒めのこと。 |
◆ 蝶よ花よ _ちょうよはなよ |
親が子供をこの上なく可愛がり、大切に育てるさま。 |
◆ 朝令暮改 _ちょうれいぼかい |
命令や方針が一貫せず、すぐに変わること。 |
◆ 塵も積もれば山となる _ちりもつもればやまとなる |
小事をおろそかにしてはならないという戒め。 |
◆ 鎮守の沼にも蛇は棲む _ちんじゅのぬまにもへびはすむ |
悪人はどのような場所にでもいるものだというたとえ。 |
◆ 沈黙は金、雄弁は銀 _ちんもくはきん、ゆうべんはぎん |
何も語らず黙っていることは、すぐれた雄弁よりも大切であるということ。 |
◆ 使っている鍬は光る _つかっているくわはひかる |
たゆまず努力をしている人は、生き生きとして立派に見えることのたとえ。 |
◆ 月と鼈 _つきとすっぽん |
二つのものの違いがあまりに大きすぎて、比較にならないことのたとえ。 |
◆ 月に叢雲、花に風 _つきにむらくも、はなにかぜ |
よいことには邪魔がはいりやすく、長続きしないものだというたとえ。 |
◆ 送る月日に関守なし _おくるつきひにせきもりなし |
年月の過ぎるのは、早いものだということのたとえ。 |
◆ 月満つれば則ち虧く _つきみつればすなわちかく |
物事が盛りに達した後は、必ず衰え始めることのたとえ。また、栄華をきわめたことにおごることへのいましめ。 |
◆ 月夜に釜を抜かれる _つきよにかまをぬかれる |
ひどく油断すること、不注意きわまりないことのたとえ。 |
◆ 月夜に提灯 _つきよにちょうちん |
必要ないもの、役に立たないもののたとえ。 |
◆ 辻褄を合わせる _つじつまをあわせる |
話の筋道が通るように、もっともらしく合わせること。 |
◆ 角を矯めて牛を殺す _つのをためてうしをころす |
小さな欠点を無理に直そうとして、かえって全体をだめにすることのたとえ。 |
◆ 罪を憎んで人を憎まず _つみをにくんでひとをにくまず |
犯した罪は憎むべきだが、その人が罪を犯すまでには事情もあったのだろうから、罪を犯した人そのものまで憎んではいけないという教え。 |
◆ 爪で拾って箕で零す _つめでひろってみでこぼす |
少しずつ長い時間をかけて苦労してためたものを、あっけなく使い果たしてしまうことのたとえ。また、収入は少ないのに支出が非常に多いことのたとえ。 |
◆ 爪に火を点す _つめにひをともす |
非常にけちなこと。また、極端に倹約することのたとえ。 |
◆ 爪の垢を煎じて飲む _つめのあかをせんじてのむ |
すぐれた人を模範とし、あやかろうとすることのたとえ。 |
◆ 面の皮を剥ぐ _つらのかわをはぐ |
厚かましい者の正体をあばいて、恥をかかせること。 |
◆ 鶴の一声 _つるのひとこえ |
大勢で議論しているときに、否応なしに従わせるような有力者・権威者の一言。 |
◆ 鶴は千年、亀は万年 _つるはせんねん、かめはまんねん |
長寿や縁起を祝うときのことば。 |
◆ 亭主の好きな赤烏帽子 _ていしゅのすきなあかえぼし |
主人が好きなものなら、たとえそれが風変わりなものであっても、家族は調子を合わせて従わねばならないというたとえ。 |
◆ 泥中の蓮 _でいちゅうのはす |
汚れた環境の中にいても、それに染まらず清く正しく生きるさまのたとえ。 |
◆ 敵に塩を送る _てきにしおをおくる |
争っている相手が苦しんでいるときに、争いの本質ではない分野については援助を与えることのたとえ。 |
◆ 敵は本能寺にあり _てきはほんのうじにあり |
真の目的は別なところにあるということ。 |
◆ 敵もさるもの引っ掻くもの _てきもさるものひっかくもの |
相手もさすがに大したものだと、実力を認めるときの言葉。 |
◆ 梃子でも動かない _てこでもうごかない |
どんな手段を用いても、がんとして動かないことのたとえ。また、どんなことがあっても、信念・主張を変えないことのたとえ。 |
◆ 鉄は熱いうちに打て _てつはあついうちにうて |
人は柔軟性のある若いうちに鍛えることが大事だという教え。また、物事は時期を逃さないうちに実行しないと成功しにくいという教え。 |
◆ 轍鮒の急 _てっぷのきゅう |
目の前にさし迫っている危険や困難のたとえ。 |
◆ 轍を踏む _てつをふむ |
前人と同じ失敗をすることのたとえ。 |
◆ 手八丁口八丁 _てはっちょうくちはっちょう |
口もうまく、やることも達者な人であること。 |
◆ 手前味噌を並べる _てまえみそをならべる |
自分で自分をほめること。身内をほめること。自慢。 |
◆ 手も足も出ない _てもあしもでない |
力が足りなくて、どうにも処理のしようがないことのたとえ。 |
◆ 出物腫れ物所嫌わず _でものはれものところきらわず |
おならも腫れ物も時や場所に関係なく勝手に出るということ。大小便や産気づく意味で用いられることもある。 |
◆ 出る杭は打たれる _でるくいはうたれる |
頭角を現す人は、とかく人から憎まれたりねたまれたりすることのたとえ。また、出すぎた振る舞いをすると非難されて制裁を受けることのたとえ。 |
◆ 天衣無縫 _てんいむほう |
無邪気な人柄で、飾り気やわざとらしさがない人のこと。また、詩や文章にわざとらしい技巧がなく、自然で美しく、完璧なこと。 |
◆ 天下取っても二合半 _てんかとってもにごうはん |
あまり欲張るなという戒め。 |
◆ 伝家の宝刀 _でんかのほうとう |
いざというときに出す、とっておきの切り札のこと。 |
◆ 天高馬肥 _てんこうばひ |
秋のさわやかで快適な気候のこと。 |
◆ 天災は忘れた頃にやってくる _てんさいはわすれたころにやってくる |
天災はその恐ろしさを忘れた頃にまた起こるものであるということ。 |
◆ 天上天下唯我独尊 _てんじょうてんげゆいがどくそん |
この世に個として存在する「我」より尊い存在はないということ。人間の尊厳をあらわしている言葉だが、「唯我独尊」はこの世に自分より優れたものなどないという思い上がりの意味でも使う。 |
◆ 天知る、地知る、我知る、人知る _てんしる、ちしる、われしる、ひとしる |
悪事や不正は必ず発覚するものだというたとえ。 |
◆ 天真爛漫 _てんしんらんまん |
飾らず自然のままの姿があふれ出ているさま。純真な心で明るく無邪気なさま。 |
◆ 天高く馬肥ゆる秋 _てんたかくうまこゆるあき |
秋の快適な気候のこと。 |
◆ 天長地久 _てんちょうちきゅう |
天地が永久に尽きないように、物事がいつまでも変わることなく続くことのたとえ。 |
◆ 点滴石を穿つ _てんてきいしをうがつ |
小さな努力でも、根気良く続けていれば成果が得られることのたとえ。 |
◆ 天に唾する _てんにつばする |
人に害を与えようとして、かえって自分がひどい目に合うことのたとえ。 |
◆ 天罰覿面 _てんばつてきめん |
悪いことをすれば、結果としてすぐに天が罰を下すということ。 |
◆ 天は二物を与えず _てんはにぶつをあたえず |
天は一人の人間に、いくつもの長所や才能を与えてはくれないということ。 |
◆ 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず _てんはひとのうえにひとをつくらず、ひとのしたにひとをつくらず |
人間はすべて平等であって、身分の上下、貴賎、家柄、職業などで差別されるべきではないということ。 |
◆ 天は自ら助くる者を助く _てんはみずからたすくるものをたすく |
人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け、幸福をもたらすということ。 |
◆ 天網恢恢疎にして漏らさず _てんもうかいかいそにしてもらさず |
天罰を逃れることは決してできないということのたとえ。 |
◆ 問屋の只今 _といやのただいま |
口先だけ調子がよくて、実行が伴わないことのたとえ。 |
◆ 頭角を現す _とうかくをあらわす |
学識や才能が群を抜いてすぐれ、際立って目立つこと。 |
◆ 同工異曲 _どうこういきょく |
手法や技量が同じであっても、味わいや趣きは様々であること。転じて、見かけは違っていても内容はほとんど同じであること。 |
◆ 同舟相救う _どうしゅうあいすくう |
たとえ敵同士でも見ず知らずの者同士であっても、危険にさらされれば互いに助け合うものだということ。 |
◆ 灯台下暗し _とうだいもとくらし |
人は身近なことには案外気がつかないものだというたとえ。 |
◆ 堂に入る _どうにいる |
学問・技量が非常にすぐれていること。物事に習熟していること。 |
◆ 問うに落ちず語るに落ちる _とうにおちずかたるにおちる |
秘密というものは、人に聞かれたときは用心して漏らさないものが、自分から話し出したときはついうっかり口をすべらせて真実を話してしまうものだということ。 |
◆ 同病相憐れむ _どうびょうあいあわれむ |
同じ病気や悩み苦しみを持つ者は、互いの辛さがわかるので助け合い同情するものだということ。 |
◆ 豆腐に鎹 _とうふにかすがい |
手応えや効き目が、まったく無いことのたとえ。
|
◆ 登竜門 _とうりゅうもん |
立身出世、大切な試験や審査の関門のたとえ。 |
◆ 蟷螂の斧 _とうろうのおの |
力のない者が、自分の実力もかえりみずに強い者に立ち向かうことのたとえ。 |
◆ 遠くて近きは男女の仲 _おくてちかきはだんじょのなか |
男と女は遠く離れているように見えて、意外と結びつきやすいものであるということ。 |
◆ 遠くの親戚より近くの他人 _とおくのしんせきよりちかくのたにん |
いざというときに頼りになるのは、遠く離れて暮らす親類ではなくて、近所に住んでいる他人のほうだということ。 |
◆ 十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人 _とおでしんどうじゅうごでさいしはたちすぎればただのひと |
十で神童十五で才子二十過ぎればただの人とは、幼少時代は並外れてすぐれているように見えても、多くは成長するにつれて平凡な人になってしまうことのたとえ。 |
◆ 時は金なり _ときはかねなり |
時間はお金と同様に貴重なものだから、決して無駄にしてはいけないという戒め。 |
◆ 毒にも薬にもならない _どくにもくすりにもならない |
害にならない代わりに、役にも立つこともない、あってもなくてもどうでもいいもの、居ても居なくても何の影響もない人のたとえ。 |
◆ 毒を食らわば皿まで _どくをくらわばさらまで |
悪事に手を染めた以上は、どこまでもそれに徹しようとたとえ。また、どうせここまでやったのなら、最後までやり通そうというたとえ。 |
◆ 毒を以て毒を制す _どくをもってどくをせいす |
悪を除くために別の悪を利用すること。 |
◆ 所変われば品変わる _ところかわればしなかわる |
土地土地で風俗や習慣が違うということ。また、同じ物でも土地が変わると、名前や用途も変わるということ。 |
◆ 年には勝てない _としにはかてない |
気は若いつもりでいても、年を取れば体が思い通りに動かなくなるということ。 |
◆ 屠所の羊 _としょのひつじ |
刻々と死に近づきつつある人とたとえ。また、死や不幸が目の前に迫っていて、気力を失った人のたとえ。 |
◆ 年寄りの冷や水 _としよりのひやみず |
老人が年齢にふさわしくない危険なまねや、出すぎた振る舞いをすること。 |
◆ 塗炭の苦しみ _とたんのくるしみ |
耐え難い苦しみ、ひどい苦痛のたとえ。 |
◆ とどのつまり |
結局。行き着くところ。 |
◆ 隣の花は赤い _となりのはなはあかい |
他人のものは何でもよく見えて、うらやましく思うことのたとえ。また、他人の持つ珍しいものをすぐに欲しがることのたとえ。 |
◆ 図南の翼 _となんのつばさ |
大事業を企てて成し遂げようとすることのたとえ。 |
◆ 鳶が鷹を生む _とびがたかをうむ |
平凡な親からすぐれた子供が生まれることのたとえ。 |
◆ 鳶に油揚げを攫われる _とびにあぶらあげをさらわれる |
自分の大事なものや手に入れられると当て込んでいたものを、不意に横からさらわれることのたとえ。また、奪われて呆然としている様子のこと。 |
◆ 飛ぶ鳥跡を濁さず _とぶとりあとをにごさず |
立ち去る者は、自分のいた場所を汚れたままにせず、きれいにしてから行くものだといういましめ。また、引き際はきれいであるべきということ。 |
◆ 飛ぶ鳥を落とす勢い _とぶとりをおとすいきおい |
威勢・権勢がきわめて盛んなさま。 |
◆ 虎に翼 _とらにつばさ |
もともと強い者や勢いのある者に、さらに威力が加わることのたとえ。 |
◆ 捕らぬ狸の皮算用 _とらぬたぬきのかわざんよう |
手に入るかどうかもわからない不確かなものに期待をかけて、ああだこうだと計画をねることのたとえ。 |
◆ 虎の威を借る狐 _とらのいをかるきつね |
権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと。 |
◆ 虎の尾を踏む _とらのおをふむ |
きわめて危険なこと。また、非常な危険をおかすことのたとえ。 |
◆ 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す _とらはししてかわをとどめ、ひとはししてなをのこす |
虎は死して皮を留め人は死して名を残すとは、虎が死んだ後にも美しい毛皮を残すように、人は死んだ後に名前を残すような生き方をすべきだという教え。 |
◆ 取り付く島もない _ とりつくしまもない |
頼りにするところが何もないこと。何かを頼んだり相談しようとしても、相手の態度が冷たくて、きっかけがつかめないことのたとえ。 |
◆ 鳥なき里の蝙蝠 _とりなきさとのこうもり |
すぐれた者がいないところでは、つまらぬ者が威張っていることのたとえ。 |
◆ 泥棒を捕らえて縄を綯う _どろぼうをとらえてなわをなう |
事が起きてから慌てて準備を始めることのたとえ。 |
◆ 団栗の背比べ _どんぐりのせいくらべ |
どれもこれも似たり寄ったりで、抜きん出た者がいないことのたとえ。 |
◆ 飛んで火に入る夏の虫 _とんでひにいるなつのむし |
自ら進んで危険や災難に飛び込んでいくことのたとえ。 |